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ありがちな、研修医の思考錯誤

研修医のプレゼンテーションを聞いていると、知識の多寡とは関係なく、論理矛盾の多いことによく気がつきます。大学を卒業するまで、事物を頭に詰め込むばかりで、「考える」訓練をほとんど受けていないためだと思っています。PBLとかも形式主義に陥ってしまうと、結局情報を集めて開陳するだけになってしまうのでしょう。

こういう台詞があれば、「思考」訓練を促さねばなりません。若干メタ・モデルの応用ですが。

「髄液検査は脳腫瘍を示唆しています。だから脳腫瘍だと思います」
「示唆している、とはどういう意味?」
「脳腫瘍に矛盾しない、ということです」
「compatibleであることと、diagnosticであることは別だと思うけど、それで脳腫瘍である、と断言してもいいの?」

「腎臓が悪いので、腎性貧血だと思います」
「腎臓が悪くて貧血があると、それは腎性貧血なの?そうでない可能性はどのくらい?」

「検査が陰性だったので、この疾患は否定的です」
「その検査の感度と特異度は?」
「、、、、、」

「貧血については経過観察しています」
「なぜ、経過観察するの?そもそも、なぜこの患者さんは貧血なの?」

EBMの5つのステップというのがありますが、多くの研修医は臨床的な問題点を言語化する、ステップ1の時点で躓いています。ここを乗り越えることが、臨床判断の第一歩ですが、高い頂です。ここを乗り越えないと、どんなに情報を集めても検査の乱れうち、検査結果の治療(患者の治療ではなく)というデフレスパイラルに陥ってしまうのです。今日日の学生は僕らが学生だったときとは比べものにならないほど優秀ですが、この辺の訓練はまだまだです。

常に、指導医が尋ねるべき質問は「why?」です。が、多くの指導医がwhat, how many, how muchの質問ばかりを回診でしています。研修医はたくさん検査をやってたくさんデータを取ってそれを記憶していれば優秀、という幻想に陥ります。「今日のCRPいくつ?」に代表される愚問を指導医が尋ね続けると、どんどん研修医のおつむも劣化していきます。本来は、みんな優秀な頭脳を持っているのに、もったいない話です。


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