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急性胆嚢炎と日本発英語のガイドライン

急性胆嚢炎
acute calculous cholecystitis. Journal club july 3, 2008
NEJM 2008;358:2804-

日本発のガイドラインが英訳されて世界で閲覧されるべき、とどこかで書いたと思います。今回はそれがでました!素晴らしい。

・毎年米国では2000万人の患者。コストとしては、63億ドル。それにしてもこういうデータ、よくでてくるなあ、と感心。
・胆石が原因で胆嚢炎になるが、胆石そのものは大抵無症状。
・疝痛(biliary colic)は毎年1−4%に。いわゆる「持病のしゃくが、、、」のあれ。
・疝痛があり、ほっておくとそのうち20%が胆嚢炎に!思ったよりも多い。
・総胆管結石や胆管炎、膵炎を合併することも。
・有症状の胆石は腹腔鏡下の胆摘を行うようになり、胆嚢炎は減ってきている。
・60%が女性。ただし、胆石を持っている割合が低いことを考えると、男性は胆嚢炎になりやすい、といえる。
・糖尿病はリスク因子。合併症も起きやすい。
・胆石が胆嚢管につまり、圧が高まり、炎症が起きる。胆嚢周囲に液がたまる。最初はばい菌がいないが、二次的に腸内細菌達が感染を起こす。壊死を起こしたり、ガス産生菌が原因だとまずい。後者がemphysematous cholecystitisである。
・合併症は穿孔や膿瘍形成
・間欠的な痛みが心窩部や右季肋部に。食後や夜間に多い。背部に放散し、悪心嘔吐を伴う。痛みが持続したら胆嚢炎を疑う。ビリルビンが上がることもあるが黄疸は少ない。Murphy signは有用。
・胆嚢や胆嚢管にある石が外から胆管を押しつぶすのが、Mirizzi症候群
・高齢者での診断は困難。意識障害、食欲低下だけのことも。診察所見やラボはあまりあてにならない。
・超音波は有用。ultrasonographic Murphy signを活用する。手の代わりにプローベを用いる。PPVは92%!
・超音波所見のNPVは95%。結構良い。
・hepatobiliary scintigraphyはテクネシウムでラベルしたiminodiacetic acidを使う。胆汁に排泄され、胆嚢を染めるかで見極める。感度特異度はそれぞれ80%、90%。偽陽性、偽陰性にご用心。偽陽性は、モルヒネでOddiの括約筋を締めてやると克服できるのだとか、、、、30分以内に染まれば偽陰性の可能性は0.5%。それより長くかかると偽陰性のリスクは増す。
・シンチの方が特異度が高いのだが、超音波の方がいろいろ便利なので頻用される。なんとアメリカの救急医も最近は超音波をやるのだそうだ。かつてはなかったことだが、ある意味日本化しているか。
・Tokyo criteriaが紹介されているが、CRPはアメリカではあまりやりません、と若干批判されています。

治療
・胆摘です。やるかやらないか、ではなく「いつ」やるかが問題。
・腹腔鏡下でも開腹でもOK.
・初期ならすぐオペ、待つなら抗菌薬絶食でじっと待って待期的にオペ。遅れると入院日数は増えて予後も良くない。
・合併症では胆管損傷が問題。
・腹腔鏡から開腹へのリスク因子は白血球が高いこと、症状の持続と高齢。
・スタディーの解釈は難しそう、、、、
・抗菌薬は用いる。腸球菌はカバーしなくても良いらしい、、、が。
・7日の治療と抗菌薬三回投与(cefamandole)だけで差がなかったというスタディー有り。Aust N Z J Surg 1990;60:539-

percutaneous cholecystostomy
・日本には海外では不整備なガイドラインがあるにもかかわらず、日本でよく用いられる方法。
・オペが出来ない、重症患者などで適応。

Tokyo guidelineの重症度 j Hepatobiliary Pancreat Surg 2007;14:1-, 2007;14:78-

mild grade 1. grade 2,3でないもの(!)
moderate grade 2. 以下のうち一つ以上
1.白血球18,000以上
2.マスを触れる
3. 72時間以上経っている
4.局所の炎症が強い。gangrenous cholecystitis, emphysematous cholecystitisなど

severe grade 3 以下のうち一つ以上
1. 心血管障害。ショックなど
2.神経学的障害。意識障害
3.呼吸障害
4.腎障害
5.肝障害
6.血液学的障害。血小板減少

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