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帰国後の熱

国立国際医療センター主催の輸入感染症講習会に参加しました。各論では、マラリアとか腸チフス、デングの話がでたので、私は「発熱」をテーマに話をしてみました。患者さんは診断つきでは来院しませんから、、、、、

以下、メモ的ですが

旅行スタイルの変化
旅行者の変化。かつては旅行しなかった免疫抑制者も自由に旅行する時代に
一般の発熱に対応できないと輸入感染症にも対応できない。
発熱患者の基本は
診断は?
患者は重症?
タブーは訳も分からず抗菌薬。訳も分からずステロイド。訳も分からず抗菌薬とっかえひっかえ
アセスメント無き発熱対応にさようなら

コモンなものはコモン
旅行者でも多いのはインフルエンザ、上気道炎、尿路感染、急性腸炎
赤道近くではインフルエンザは通年。南半球では冬夏逆に
熱以外の症状に注目しよう。気道症状はあるか。腹部症状、尿路系症状はあるか。など。

亜急性の発熱と急性の発熱を区別しよう。時間は大事。
結核、真菌感染、感染性心内膜炎、アメーバ肝膿瘍、感染症以外など
人にうつる病気はすぐにチェック
結核、ウイルス性出血熱など

サハラ以南のアフリカ→ダニ媒介リケッチア
中央アジア、南アジア→腸チフス
70%以上の腸チフスはアジア由来
Leptospira、アメーバ肝膿瘍、無菌性髄膜炎、回帰熱(だに、シラミを介したBorrelia感染症)も多い。

近くの旅行歴だけでなく、昔の渡航歴、滞在歴も重要
HIV感染無くても播種性ヒストプラズマ症は時々起きる。
注意すべきは、結核、endemic fungi、Penicilliumなど

どの国の 国によってリスクが違う。リーシュマニアやマラリアでもどの原虫(そして病態や予後)かは国によって違う。
どの地区で 同じ国でもマラリアリスクは違う。
インド?ヒマラヤ山脈上
ペルー?海岸沿いのリマ
どのようなホテルで
何をやって 洞窟巡り?イカダ下り?
何をやらなかったか? 患者さんは嘘をつく動物!
滞在期間も大事
予防接種、予防薬なども
動物曝露歴は超重要!虫刺されは覚えていないことも多いが、活動の詳細から推測できる。例・マラリア、Lyme病など

長期滞在者では必ずB型肝炎を考える(可能なら、予防しましょう)
人間はそういう動物です。

HBV、HAV、黄熱病ワクチンはほぼ完璧
本当に検疫所でないと黄熱ワクチン打てないの?昭和20年代の遺物
腸チフスは50-80%と微妙
マラリア予防薬の効果は80-90%
発症だけでなく予後改善か。

ハイリスク(長期滞在、田舎に滞在、汚染された食べ物や水に曝露)ーー>Brucella症、住血吸虫など旅行者にはまれな感染症も
旅行前のアドバイス・コンサルテーションの言うことを聞かない。ワクチンや予防薬も控えめ。
地元の病気も甘く見がち。受診もしない。医療保険やビザがないことも。
確かに現地の(大人の)マラリアは軽症だが、しばらく先進国にいると免疫が低下して重症マラリアになりやすい

Communicable Diseases Manualは便利
ほとんどの感染症は潜伏期間30日以下。ほとんどのfalcip malariaもそう。
例外が、vivax malaria, TB, viral hepatitisなど
逆に短いのはデング。帰国後すぐ、とか飛行機の中で、という病歴が多い。

結核空洞と肺化膿症の区別
old TBは今のTBを否定しない。
咳がなくても結核、熱がなくても結核
結核を見たら、HIVを考えよう

HIV、移植患者など免疫抑制者も旅行する時代
マラリアはHIVで死亡率上がらない。Salmonellaは上がる。
Penicilliumなど現地の日和見感染(dimorphic fungi)にご用心。タイでは日和見感染ナンバー3
南米、インド、南欧などではリーシュマニアに注意

熱型
以前言われるほど役に立たない
数日おきの周期熱はマラリアを疑うが、持続熱の方が実は多い
デング、黄熱はbiphasic (saddle-back) pattern
だんだん微熱から熱が上がっていくstepladder pattern-腸チフス
比較的徐脈 腸チフス、リケッチア、デングなど
マラリア、リーシュマニアの混合感染でdouble quotidian fever(他に、gonococcal endocarditisなど)

神経ー髄膜炎や脳マラリアなど
肝腫大ーvisceral leishmaniasis(kala-azar), African sleeping sickness with chancre at the site of inoculation by tsetse fly、ウイルス性肝炎
脾腫ーマラリア、デング、レプトスピラ、typhus、ウイルス性出血熱、伝染性単核球症、HIV感染

リンパ節腫脹ー
全身性 HIV、伝染性単核球症、デング、visceral leishmaniasis, disseminated histo, cocci, blasto 
局在性 ツツガムシ病、野兎病、ペスト、African tick-bite fever、STDs

虫刺あと、cutaneous larva migrans、リケッチア、Rocky Mountain Spotted fever, Mediterranean spotted fever, endemic typhus (R. prowazeki)、皮膚リーシュマニア、梅毒、African sleeping sickness、腸チフス(実はまれ)、片山熱、swimmer or sea-bather’s itch (by avian schistosoma)、ドキシサイクリンと日光、黄疸(肝炎、黄熱、マラリア、デング出血熱、レプトスピラ、ウイルス性出血熱)

白血球減少ー腸チフス
血小板減少ー腸チフス、マラリア
anemia. デング、マラリア
血液、髄液の好酸球増加-Angiostrongylus cantonensis meningitis
低血糖ー重症マラリア(キニーネ?)

呼吸器症状はあるか?
リンパ節は腫れているか?
関節は腫れているか?
皮疹はあるか?
この4点に注目するだけでずいぶん絞れる

参考
CDC Health Topics A-Z: www.cdc.gov
CDC, general travel information: http://www.cdc.gov/travel/
CDC, Health information for international travel 2008 (Yellow Book): http://www.cdc.gov/travel/contentYellowBook.aspx
CDC Morbidity and Mortality Weekly Report: http://www.cdc.gov/mmwr/about.html
World Health Organization Health Topics A-Z: http://www.who.int/topics/en/
WHO Global Malaria Program, information about malaria: http://www.who.int/malaria/
Global Monitoring Emerging Infectious Diseases (Promed): http://www.promedmail.org
The International Society of Travel Medicine (ISTM): http://www.istm.org/
GeoSentinel (the global surveillance network of ISTM and CDC): http://www.istm.org/geosentinel/main.html
European Network on Imported Infectious Disease Surveillance (TropNetEurop): http://www.tropnet.net/
Eurosurveillance: http://www.eurosurveillance.org/
日本渡航医学会:http://www.travelmed.gr.jp/
海外旅行者のための感染症情報 厚労省:http://www.forth.go.jp/

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