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2008年10月

007 Quantum of Solace

英語圏の国に行ったらそこでペーパーバックを1,2冊買うのを習慣にしています。楽しい話で美しい文章なのがいいです。昔はビジネス本とか買っていましたが、あまり得るものはないと分かったので、最近はもっぱら小説か歴史、ノンフィクションです。

次の映画のタイトルになっているこの短編集。イアン・フレミングなんて読むのは何十年ぶりでしょう。実は美しい文章で映画とは全然違う楽しみ方をするのですね。たしか高校生の時に読んで「あんまり面白くないな」と読むのを止めてしまったと思います。ガキには分からない面白さなのでしょう(でも、その時初めてみたボンド・ムービーは楽しめました。たしか、オクトパシーでした)。Quantum of Solaceは実によくできた短編小説で、村上春樹、フィッツジェラルドなどに通じるリリシズムを感じました。もちょっとボキャブラリーが多ければもっと面白く読めるでしょうが、、、、、

Leatherheads

帰りの飛行機で見たのはこの映画。ジョージクルーニーが好きなのですが、とてもいい映画でした。ここ数年アメフトの面白さが感じられるようになってきたのでなおさらでした。好きですねえ、こういう楽しい映画は。

残念なのは、台詞が洒脱すぎて私の英語力ではついて行けなかったこと。仕方がないので、吹き替えでもう一度見直しました(字幕はなし)。残念です。

レイチェル・フェレルの夜

学会で得たものは大きかったですが、その話はまたいずれ。

夜10時からのBlues Alleyのライブ。演者はシンガーのレイチェル・フェレル。魂に届く音声と気の利いたしゃべりで会場は大興奮でした。あるジャス演奏者が、「8時からのライブなんて意味がない。10時以降が本当なんだ」ってNYのブルーノートのライブでいっていましたが、本当にそうなのかもしれません。

強いメッセージが届くライブでしたが、ジーザス、ハレルヤ、という2語がキーワードだったかもしれません。米国の黒人社会ではやはりキリスト教が強い基盤になっており、これが音楽や食べ物に強い影響を及ぼしているように思います。ニーチェが示唆したことがそのまま起きているなあ、と私は感じましたが、どうでしょう。

the oceanaire seafood

国内のおいしい店は、「あえて」このブログで公表していません。国外だったらいいでしょう。

この店はシーフードとワインが売りの店のようです。ニジマスのグリルとメルローとシャルドネ、いずれもカルフォルニアワインをいただきました。ごちそうさまです。

ホテルに帰ってテレビをつけたらIron Chefをやっていました。昔のものより進歩していて、米国で生まれ変わった、という感じです。演出過剰でプロレスか?という気もしましたが。

映画をまとめて

海外出張での機上は私にとって映画アワー。いい映画がまとめて鑑賞できるのはこの時間をおいて他そうそうありません。

今回観たのは、 三谷幸喜監督の「ザ・マジックアワー」
うーん。三谷ファンとしては、「おしい」の一言。いろいろやりたいことや凝ったところがちりばめられて、感動できるコメディーをやりたかったんでしょうが、いちいちかすりました、、有頂天ホテルの方がずっとずっと面白かったです。

石原裕次郎の「銀座の恋の物語」 昔の映画は好きですが、裕次郎映画はあまり観ていません。好きな街である銀座の昔が伺えて、楽しかったです。貧しい若い恋人の話、では「素晴らしき日曜日」を思い出させますが、こちらのほうが現在の感覚にマッチしていて、私的にはこちらに軍配。

「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」 ハリソン・フォード最高!アメリカ映画の一番いいところは、このような茶目っ気たっぷりの楽しい映画にあると思います。マッカーシズムに抵抗する自由人ジョーンズをここでだしたのは、閉塞感いっぱいのアメリカで大事なものをスピルバーグ監督が取り戻したかったからじゃないか、、、なんて考え過ぎか。

88ミニッツ 大好きなアル・パシーノ主演。けれど、ありがちな脚本、ありがちな演出で、途中で着陸のために中断してしまいましたが、それほどがっかりしませんでした。技術だけが突っ走る、ダメなタイプのアメリカ映画の典型でした。

FNに使う抗菌薬は何がいい?

J Antimicrob Chemother (2006) vol. 57 (2) pp. 176-89

ちょっと古いですが有名なメタ分析です。セフェピムと他の抗菌薬では総死亡率がセフェピムで高まりますよ、という結果。RRが1.44と微妙なのですが、、、

あと、カルバペネム信仰の強い病院が多いですが、他の抗菌薬と比べてカルバペネムが死亡率を下げたりはしないようです。本研究は単剤使用に限定していますが。

CRPは役に立つ?12

Critical care (London, England) (2006) vol. 10 (2) pp. R63

では、CRPがICUの感染に役に立つかどうかが検証されています。デザイン的にはICUで5日間治療なしでみていた感染症、という結構無理な患者さんたちを相手にしているので微妙です。

でも、どんな研究でも大抵はいろいろ勉強できることはあります。こき下ろすだけが論文読みではありません。

それは、この論文でCRPが上がり続けている場合は感染症の可能性が高い、という点が明示されたことです。毎日上がり続けるCRPには要注意、ということで、このことは別の観点から議論したことがあります。理論的にもそうなのですが、実証しましたよ、という話でした。

プロカルシトニンの使い方1

プロカルシトニンは、CRPなどのバイオマーカーの一種で、細菌感染症に対してCRPよりも感度、特異度に勝っているといわれています。具体的にこの検査をどう現場で運用するかは、まだ検証が十分ではありません。日本では敗血症を疑ったときに保険適応があり、320点だそうです。エンドトキシンとは同時に測定できないので、まあどっちを測るかと言えば、プロカルシトニンでしょう。

プライマリ・ケアの急性気道感染症で抗菌薬を使うかどうかの決め手にプロカルシトニンをつかったらどうや、というのがスイスで行われたスタディーです。Arch Intern Med. 2008;168:2000-これによると、プロカルシトニンが上がっていれば抗菌薬、なければ使わない、というプロトコルに載せると、従来の診療パターンよりずっと抗菌薬処方は減りました。特に、かぜ、急性咽頭炎、急性気管支炎では顕著で、患者の有症状期間に代表される臨床予後は変わりありませんでした。

外来における抗菌薬適正使用はどこの国でもあまり上手くいっていません。現行の感染制御の専門性や戦略が入院患者にほぼ特化しているためです。米国でも外来診療における抗菌薬使用は無意味な広域抗菌薬のオンパレードです。

教育活動も大事ですが、それにも限界があるかも知れません。もしかしたら、PCTを有効に使えば上手な抗菌薬使用に誘導できる可能性があります。CRPが日本の感染症診療の質を下げた(部分がある)と私は思います。CRPが0.2なので抗菌薬切れません、みたいな。でも、バイオマーカーとはさみは使いよう、ということなのかもしれません。

Progress in Evidence-based medicine

JAMAに初めてEBMということばが紹介されたのは1991年、その翌年に特集論文が組まれています。125周年を迎えるJAMAが、2008年10月8日号であらためてEBMのおさらいと展望をまとめています。くしくも、日本でもEBMジャーナルが休刊となり、この領域は転換期(あるいは読み直し)を迎えているのかも知れません。

さて、国立国語研究所は、難解な医学用語を平易な用語に変えるよう提言しています。まえまえから、医師の説明が稚拙で(若い医師とは限りません)、予後、寛解、重篤、手技といった用語をポンポン使うのに違和感を感じていました。患者さんにとってはヨゴ、カンカイ、ジュウトク、シュギとほとんど外国語のように聞こえていたようです。

ただ、疑問を感じたこともあります。例えば、EBM。ほとんどの患者さんはこの用語を知らないので、「使わないように」とこの提言は言っています。しかし、逆の側面もあるかな、と思います。

このような「コンセプトそのものを示す用語」はむしろばんばん宣伝して広げていくべきではないか、と。米国ではEBMは一般にも広く広がり、ニューヨークタイムズは2001年にこれをその年のベストアイディアの一つに紹介したんだそうです(上のJAMAの論文より)。EBMの最大の功績は、医師の直感とか経験とか病態生理学的な理屈が(全然ではないものの、思ったよりも)役に立たない、と明示した点でした。だから、このようなコンセプトは患者サイドにどんどん広げていくべきだと思うのです。4人のタレントでやった実験で何とか言う食べ物が健康に良い、みたいなエセ科学番組を減らすためにも、これは重要だと思います。EBMを専門家の間での秘宝にしまい込んではいけないと思います。

近年、製薬メーカーや学会で、エビデンスそのものを権威にするなんだかよく分からない現象も起きています。これは国内外で起きています。私は、EBMのキモは「エビデンスの質」や「バイアスの排除」そのものではなく、情報の明示化、開示にあると思っています。エビデンスレベル、というコンセプトは、「EBMはRCTだけではない」といっておきながら、「RCTではないのでレベルIII」と同時に言うごまかし(ダブルスタンダード)を生んでしまいました。どんなにがんばっても作り手、編集者、そして論文の読み手のバイアスを排除するのは「原理的に」不可能だということも分かりました。そういう人間の恣意性は排除するのではなく、明示することだけが、EBMの周りにある、うさんくささを排除するのに有効なのだと感じています。

人工呼吸器設定の基礎

もう長いこと人工呼吸器にさわっていなくて、しかも研修医の時はうろ覚えの勉強だったので、透析マシンと並んでベンチレーターはブラックボックスです。

で、長谷川景子先生に自著論文を紹介していただいたので(このような機会がないと勉強しない、、、)復習しました。この論文はむちゃくちゃ分かりやすく、いままでのこの領域の教材で最高だと思いました。特にモードの設定分類は概念から上手に教えてくれて、助かりました。良い機会なので、大学中に配ってやろ。

レジデントノート11月号

長谷川先生は亀田総合病院で初期研修、呼吸器・集中治療の研修をされたとても優秀なドクターで、いまは横須賀においでです。益々のご活躍をお祈りします。

腸球菌の人工関節感染症にアミノグリコシドは必要?

もうひとつ、CIDから。

Combination Therapy vs. Monotherapy for PJI • CID 2008:47 (1 October)

このスタディーはまれな事象を扱う後向き研究ですが、そのプロセスがきちんとしているのが素晴らしく、とても参考になります。メイヨークリニックってすごいですね。後向き研究なのに患者のインフォームド・コンセントにまで言及しているのは驚きました。お金をかけずに研究するとき、お手本になると思います。

後向き研究でよく行われる誤った非難は「ここに瑕疵あり」という非難です。瑕疵はあるに決まっているので、それをいっては仕方がありません。大切なのは、定義が明確にされていること、限界点が明示されていること、分かったことと分からないことが可能な限り峻別されていることだと思います。ジャーナルクラブにありがちな、欠点探しゲーム、揚げ足取りゲームに陥らないようにケースや後向き研究、そして質的研究を読み解く技術や態度はこれから益々重要になるでしょう。

腸球菌にアミノグリコシドは、いわれるほど必要ではない(かも)という話でした。

SDDとENは膵炎に?

神戸大学もオーサーに加わっている以下の論文。今、学会発表用にSDDの価値を検証しています。重症急性膵炎にSDDってどう?ENは?という命題です

J Hepatobiliary Pancreat Surg (2007) 14:503–508

よく分からない、というのが現段階での立ち位置でしょうか。

Robertson winery shiraz 2007

前はカベルネでしたが、今回はシラー。この値段でこの味は素晴らしすぎ。2007年でした。

WC予選 日本VSウズベキスタン

途中から見ました。前試合では猛暑の中あまり魅せられなかった中村が良いパスを供給していたのが印象的でした。大久保の縦への突破も良かったです。ウズベキスタンは縦への突破と切れの良い横パスで単純ながら効果的な崩しをやっていました。流れ的には結果は妥当だったと思います。

日本代表は飛び抜けて素晴らしいパフォーマンスではなかったかも知れませんが、そんなに悪くもありませんでした。トウーリオの上がりはむしろ裏目に出ており、あそこで攻撃が遮断されていました。率直に言って引き分けは妥当な結果だったと思います。もちろん勝っていた可能性も充分ありましたが、それを言ったら逆に負けていてもおかしくない内容でした。だから、引き分けは妥当。

でも、予選とはこういうものだと思うので、「早くも危機」とか「岡田監督解任」みたいなヒステリックな報道には眉をしかめてしまいます。ひどいのは、「ワールドカップ予選に簡単な試合はひとつもない」といっておいて「格下相手にホームで勝てないのはおかしい」と断じてしまうこと。意見が変わることそのものがいけないのではないですが、節操なくその場の都合でころころ変わるのはおかしいですね。どんなに強いチームでも勝てないときはありますから、べらぼうに強いわけでない日本代表がホームで引き分けることくらいは、あると思います。負け方が悪いのは困ります。例えば、06のオーストラリア戦や、98年予選の韓国戦=ホームはひどい負け方をしました。けれど、そもそも負けてもいないし。

のようなことを考えていた、満月の夜でした。日本の秋は本当に最高ですね。

B型肝炎ワクチンは効くか

効く、と即答していたのですが、コクランさんにひっくり返されました。さて。

ファドのライブ

ファドを初めて聴いたのはリスボンの旅行医学会でのことでした。久しぶりにファドのライブを聴くことが出来、その声量に圧倒されました。

鹿糠ちはるさんとギターのライブでした。

感染症の大逆襲

第26回神戸大学大学院医学研究科公開講座 「感染症の大逆襲 新興・再興感染症の時代に」が開催されています。プラニングを担当させていただきました。70人以上の市民の皆さんが10の講義を熱心に聴講されています。お年を召された方もけっこうおいでになっていますが、熱心な態度で講義を聴かれていて、とても嬉しく思いました。

本日は呼吸器内科の西村先生から「多剤耐性結核・超多剤耐性結核」の話と、私の方からバイオテロの話をしました。「先生も、731部隊みたいな研究をしないでください」とアドバイスもいただきました。そうですね。

最上丈二「バイオテロと医師たち」は一般の方向けの参考書です。集英社新書からでています。最上丈二は私のペンネームで、これが最初に出した単著で思い出深いです。一般向けに精一杯易しく書いたつもりでしたが、親戚には(最初の本で両親が配りまくりました)、「難しくてよく分からないわ」といわれてショックだったことを思い出します。

今日は竹田青嗣の「現象学入門」を読みながら、自分の仕事にどう生かすか考えていました。その他あれやこれやの残務をこなしましたが、土曜日は会議もないし、仕事が進んで好きな曜日です。

WS終わりました

 新型インフルエンザ・リスクコミュニケーションWSが神戸大学で行われました。電話応対からメディア対応、行政の側面など盛りだくさんな内容になりました。企画を手伝っていただいたHAICS研究会、職員の皆さん、演者の先生方、そして参加者の皆さん、ご苦労様でした。何かの学びのきっかけになっていればうれしいっです。

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