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治療をためらうあなたは案外正しいは、結構正しい

名郷直樹先生の新著と山之内秀一郎の「JRはなぜ変われた」を埼玉出張の行き帰りで読みました。

JRについては最近「私の履歴書」でも読んでいて、いかにお役所体質を改善するか、という興味深いモデルケースとして読みました。メンタル面もそうですが、具体的な技術開発やシステムの改善が人のメンタリティーそのものをよくしていくように思いました。使えるか?

名郷先生の本は患者さん向けに書かれたようですが、医者の私が読んでもとても勉強になりました。最近プライマリ・ケアの勉強を怠りがちですし。

エビデンスを出さないと分からないようなpositive findingsは大したfindingsではない、という気がします。まんが医学の歴史を読んでいてジェンナーがどうやって天然痘ワクチンを開発したかを読むと現在の目から見ると非常に稚拙な臨床試験のデザインでやっています。でも、世界で一番インパクトの大きな医療を開拓したのでした(病気の撲滅!)。大規模なランダム化試験をしないと見えないようなpositive findingsはあまりインパクトの大きなfindingsでは原理的にあり得ないのです。逆に、negative findingsは重要で、「なんだ、上の先生が必ず使えといってた薬も案外効かないな」みたいな教訓になります。古来、positive findingsは出版されやすく、negativeは出にくいみたいな流れがあったのですが、むしろ逆なんじゃないかという気すらしてきます。

あと、これもべらぼうに面白かったです。悲惨なことが多い医療界ですが、だからこそユーモアの精神は失いたくないものです。

以前、麻生首相が「医者は常識欠落」みたいなコメントをしたとき多くの医師が非難したようですが、日本の首相程度にかっかして噛みついては面白くありません。「めっそうもない。総理にはとてもかないませんよ」くらい笑顔で返してあげたいものです。

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