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リリシズムあふれる別れのワイン

 「この映画は、何というか、lyricだ、、、、」
アメリカ人は映画の話が大好きです。特にニューヨークの医者は映画評をするのが好きだった印象があり、回診中に話題に上ることも多かったです。さて、かつてCrouching tiger, hidden dragon(邦題忘れた、、、)という映画を指してあるアテンディングが言ったことばが上記です。アクション映画なのにもの悲しく、静けさが感じられるこの映画を上手に言い当てたことばで、私はこのとき「なるほど、リリックという単語はこのように使うのだ」と知ったのでした。日本語では叙情的と訳しますが、ちょっとこれでは意味が通じない。リリックでなければならない。

さて、移動中にipodで、刑事コロンボシリーズの「別れのワイン」を再見しました。シリーズ屈指の傑作とされる作品ですが、見直すとなんとも緻密な脚本と演出で、実に良くできた作品だと改めて感嘆しました。

以下、ネタバレです。

 特に人物描写は秀逸です。犯人の秘書は最初は清楚で忠実な好人物として描写されていますが、本当に少しずつ、女の醜さみたいなものを出していきます。犯人をかばうという美しい行為を見せるようでいて、巧みな計算高さを見せてしとやかに、すましやかに犯人を利用しようという描写は女性のもっとも恐ろしい部分を上手に表現していると思いました。あからさまな悪女より、こういう誠実で知手な美人に見えるけど、、、という女の方が何倍も怖い。
 一方、犯人はワインと一蓮托生で、信念を貫く男です。信念を持った男と男の戦いは良いドラマになりやすいのです。そして自分の愛したワインとその愛情ゆえに自滅します。愛するワインを失い、パートナー(候補)を失い、全てを失いつつも信念だけは守り抜く男の寂寥が画面からしみ出てくるのです。別れのワインこそ、リリックな作品といえましょう。

http://www.asahi.com/food/column/nommelier/TKY200801310178.html

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