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2月も終わりました

へとへとになりながら、なんとか2月が終わりました。この週末も集中治療学会のICD講習会があったり、内科セミナーがあったりと、濃密な日々でした。

その合間を縫って、移動中にipod touchで観たのが「天井桟敷の人々」。10代のころにビデオで観たときは何が面白いのかまったく理解できず、ただただ「観た」という実績作りのために3時間を耐えた映画です。今観ると、ものすごく面白い映画で、胸に迫ってくるものがあります。長い映画なのに、ラストシーンまでうまーくつないでいます。まあ、でも10代でこの映画を理解できるわけはないですね、、、、

次に読んだのが内田樹の「先生はえらい」。中高生向けに書かれたというこの本ですが、私が中高生の時だったら、たぶん難しくてよく分からないだろうな、という感じでした。とても面白くて一気に読み終えました。

以下、とくに心に響いた部分

技術には無限の段階があり、完璧な技術というものに人間は達することができない。このことはどんな道でも、プロなら必ず初心者に教えるはずのことです。どんな領域であれ、「この道を甘くみちゃだめだよ」というのがプロが初心者に告げる第一声です。そういわなかったら、その人はプロではありません。

人間はほんとうに重要なことについては、ほとんど必ず原因と結果を取り違える。

私たちが会話においていちばんうれしく感じるのは、「もっと話を聞かせて。あなたのことが知りたいから」という促しです。でも、これって要するに、「あなたが何を言っているのか、まだよくわからない」ということでしょう?

文章を先へと進める力は、ことばが思いを満たさないという事実だ

漱石の「先生」の条件
1.なんだかよくわからない人であること
2.ある種の満たされなさに、取り憑かれた人であること

コミュニケーションは誤解の余地を残して構造化されている。

ラカンのことば
自身の問いに答えを出すのは弟子自身の仕事です。師は「説教壇の上から」出来合いの学問を教えるのではありません。師は、弟子が答えを見いだす正にその時に答えを与えます。

で、とても面白い本だったので関連して「レヴィナス入門」という本を読みましたが、こちらは私には凡庸な内容に思われてどうもだめでした。レヴィナスがだめというより解説のあり方の問題だったのかもしれません。単に私というレセプターの問題なのかもしれません。

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コメント

熊野純彦や合田正人のレヴィナス論は、晦渋で(あるように思え)、私にもピンと来ませんでした。内田樹はラカンとも絡めて、非常に明快かつ興味深い師弟論・コミュニケーション論を展開しているように思います。

私が深く心を打たれたのは、小泉義之によって切り出されたレヴィナス像です。
それは、「弔いの哲学」
http://www.amazon.co.jp/dp/430924193X/
にはじまり、「レヴィナス:何のために生きるのか」
http://www.amazon.co.jp/dp/4140093056/
を経由して、「病いの哲学」
http://www.amazon.co.jp/dp/4480063005/
の一章「レヴィナスと臓器移植」という刺激的な論考に行き着きます。
(今気がつきましたが、Amazonのレビューは見事に評価が分かれていますね…思い切った「言い切り」が魅力ですが、同時に反感を生むのでしょうか)

「弔いの哲学」は、学生時代「途方に暮れていた」私を救ってくれた、思い出の書であり、今でも患者さんとそのご家族に対峙する時に私の頭の中で明滅する書物の一つでもあります。
以上、突然ノスタルジックな思いにとらわれたリウマチ科医の戯言でした。

萩野先生、お久しぶりです。お元気ですか。

私にとって、レヴィナスは新しいコンセプトでよく分かっていません。でも、師弟論もコミュニケーションも大きなテーマなのでこれからゆっくり勉強していこうと思います。情報提供ありがとうございました。

それはそうと、学生時代って、たいてい「途方に暮れ」ますよね。青春が美しい嘆美な時代なんて誤謬に過ぎない、みたいなことをフランスかどこかの哲学者さんが言っていました(ように記憶している)が、そうだなあ。

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