休校再び
Eurosurveillanceには日本の休校についての言及があり、休校直後からR0が激減した。「だから」休校には意味がある、という主旨のものでした。なるほど、とそのときは思ったのですが、、、
その後、The Lancet Infectious Diseasesで、
「でも、休校しない年でも、やはり同じようなカーブでR0がさがった」
という図がでてきて、、、あれれ?
「なにかをやった」「なにかがおきた」の間に因果関係を入れるのは、本当に難しい。まだまだ未解決な問題は多いようです。
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Lancet infectious diseasesのレビュー(以下レビューとします)には多くの事例が示されていますが、岩田先生が紹介されているのは2008年の香港の事例ですね。これは季節性インフルエンザでしかもピークを超えたところで小学校と幼稚園を閉めています。
Eurosurveillanceの事例は5月の関西地区で、これは新型インフルエンザが流行していると判明したとたんに高校を中心にほとんどすべての学校を一気に閉めるという荒療治でした。
学校閉鎖には、流行の様子(疾患の性質、流行の程度、流行している年齢層)、閉鎖のタイミング、閉鎖の範囲(地理的、学校の種類)、閉鎖期間、閉鎖中の生徒指導などの要素が複雑にからんでくるので、なかなか評価が難しいのは間違いありません。今回のレビューでも効果があったとされる事例も紹介されていました。少なくとも万能ではないことは知っておくべきですし、負の側面についても気を配る必要があります。
個人的には、5月の兵庫・大阪での対応は一旦流行を抑え込んで1-2か月時間稼ぎをする効果はあったと考えています。稼いだ時間を有効に使えたかどうか、経済を中心としたマイナス面に見合うものだったのか を検証していく必要があるように思います。
ちなみに閉鎖期間について、レビューを読んでいると、欧米諸国では閉鎖するなら2-3か月は続ける前提で考えられることも多いようですね。日本では1週間から長くても2週間でした。このあたりの考え方の違いも興味深いです。
投稿: 感染症疫学見習い | 2009年7月24日 (金) 09時33分
ども,こんにちは.
おなやみの件,返信しておきました.
http://blog.livedoor.jp/nishiurah/
投稿: にしうらひろし | 2009年7月26日 (日) 04時47分