今週のNEJM
今週のNEJMは感染症のネタが多いです。
まずは、WHOが今年ユニバーサルに予防接種を推奨しているロタウイルス感染症。こないだ、家庭医療セミナーでも同じ話をしました。アフリカなど地域によっては、人口十万人あたり300−500人も亡くなっています。下痢症はマラリア、エイズ、結核、呼吸器感染と共に人間を死に至らしめる大きな原因です。
次に、オーストラリア・NZとアメリカのH1N1に関するレポート。南半球での季節性とH1N1のプロポーションを知りたかったのですが、それについては情報なし。流行らなかった、という意味なのでしょうか。今年の冬、季節性インフルがどのように振る舞うかの予測に重要だと思いますが、どなたかご存じ???
つぎにワクチンの交叉抗体。昔の人は、少しは守られている。
MGHケース。これはネタバレになるので読んでください。
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http://jama.ama-assn.org/cgi/content/full/302/17/1839 論文について。
初めまして、神奈川県立精神医療センター ICN 二瓶比呂志と申します。
randomized controlled trial を実施したと書かれていますが、確かに比較する職員のランダム化はされていたと考えられますが、それ以前の条件として、無作為抽出された被験者は、 N95レスピレーターが、『正しく装着できていること』『装着者の顔に合ったN95レスピレーターを選択していること』という前提条件が抜け落ちてしまっている様に思います。
N95レスピレーターは、装着者の顔に合ったN95レスピレーターを選択し、さらに装着教育指導が実施されなければ、正しく装着できず、N95レスピレーターの性能が発揮できない確率が非常に高いと考えられます。
どういう事かと申しますと、N95レスピレーターと顔面の密着性が確保されなければ、N95レスピレーターでありながら全く性能は発揮できず、隙間から漏れてPFE(BFE)が50%以下になることも多くあり、サージカルマスクと何ら保護性能は変わらなくなってしまうということです。
投稿: 二瓶 比呂志 | 2009年11月16日 (月) 12時57分
奈良医大感染症センターのくつなといいます。
いつも勉強させていただいております。
私も南半球のインフルエンザの流行状況に興味があり調べていたんですが、オーストラリア政府のDepartment of Health and Ageingからレポートが出ており、ここに季節性と新型の数が出ています。
やはり今年の南半球の冬期は季節性よりも新型が多かったようです。
http://www.healthemergency.gov.au/internet/healthemergency/publishing.nsf/Content/18D06BAC4644C98DCA25763E00823442/$File/ozflu-no23-2009.pdf
投稿: くつな | 2009年11月16日 (月) 18時57分