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ICUと感染症内科について

3月5日、広島で行われる集中治療医学会学術集会でのシンポジウムのネタです。まだメモ段階ですが、こんな内容でしゃべろうと思います。

ICUと感染管理、感染症支援
- 感染症内科
    - 2008年4月に発足。最初は教授一人体制。入院は総合診療科に依頼していた。
    - 2008年5月に後期研修医一人採用。10月に指導医1人(パートタイム)、後期研修医2人追加。
    - 2009年度より指導医がパートタイムからフルタイムに。助教1人採用。後期研修医2人追加採用
    - 3ヶ月の短期研修制度。常時1−3人の外部医師が臨床研修
    - 1−2人の初期研修医のローテート研修
    - 2010年2月 リサーチ・コーディネーター採用
    - 2010年度より後期研修医2人、臨床研究部門研修医1人追加採用予定。指導医3人、研修医7人体制に
- 診療業務
    - 入院患者コンサルテーション
    - 感染症内科入院(数は多くない)
    - 感染症内科外来(HIV、不明熱、旅行外来、予防接種など)
    - 発熱外来
    - 新型インフルエンザ予防接種業務など
    - 病院改善プロジェクト(外来改善、抗菌薬適正使用プロジェクト、薬事、細菌検査、看護など多岐にわたる)
    - レクチャー(ランチョン・レクチャー 抗菌薬など)
- 研究
    - 新型インフルエンザに関する臨床研究
    - 院内肺炎に関するリスク分析
    - 新型インフルエンザに関する質的研究
    - カンボジアにおける感染症診療の質的研究
    - ポリミキシンBの耐性菌感染症に対する効果の研究
    - マラリア迅速診断薬の研究
        - など
- 教育
    - 学生教育 3年生の微生物学、4年生のチュートリアル、5,6年生のBSL
    - 初期研修医教育
    - 後期研修医教育
    - コメディカル、指導医などの教育 OJT、レクチャーなど
- 入院患者コンサルテーション業務
    - 2008年4月16日から2010年1月27日までに感染症内科が関与した患者はちょうど1000例
    - 2009年度より血液培養ラウンド開始。
        - 血液培養陽性時に主治医コール。コンサルト必要の有無を確認
        - 60%でコンサルトを要請されている
    - 現在、担当患者の20%程度が血液培養からの介入。70%がコンサルテーションを主治医からコール。残りが感染症内科入院患者(HIV、不明熱など)
    - 113例(11%)がICU患者
        - 12例(11%)が血培フォロー。大多数がコンサルテーションかかった患者
- ICUにおける感染症コンサルテーション
    - 院内感染
        - 血液培養陽性患者
        - 当院はCRBSIが多い
        - SSI、UTI、VAPなど
    - 感染症で入院
        - sepsis
        - IE->手術
        - 二次性腹膜炎
        - 髄膜炎
        - 重症肺炎
            - など
- ICUにおける感染防御
    - 原則、感染制御部におまかせ
        - 感染症内科は支援のみ。役割分担
- 大学病院ICUの問題点
    - プレイヤーが多すぎる。縦割りの弊害
        - 救命救急科
        - 総合内科
        - 麻酔科
        - その他各診療科
    - 集中治療・感染症のトレーニング不足
    - チーム医療のコンセプト
    - うちの医局のやり方
        - 製薬メーカーの関与
    - 勉強不足
        - 論文を読んでいない(これはまあ、ある程度仕方がない)
        - 教科書を読んでいない(意外に多い。これは問題)
- 介入例
    - 某科ICU入院患者の術中抗菌薬でPIPCやアミカシンが使われていた事発覚
    - 術中抗菌薬がSSI予防を目的としている事、PIPCやアミカシンは「不適切」なことを説明
    - ネゴシエーション
        - 製薬メーカーの関与?
    - 結局診療科長と交渉。抗菌薬の種類、投与期間など変更に
- 原則
    - 主治医の最終決定権は常に尊重
    - 大方針を確認。大方針を無視した「空気の読めない」推奨はしない
    - 患者のアウトカム中心。明らかに主治医のプランと患者のプランが合わないときは相談
    - コミュニケーション重視。内容だけでなく、技術も
        - コーチングなどのスキル
- スキル
    - 常に相手の意向を先に問う
    - 文献などのデータを提示することも
    - 情に訴える事もあり。GNN
    - チャンクアップ、チャンクダウンの活用
    - カルテだけでなく直接対話を
    - キープレイヤーは誰か。研修医が板挟みにならないように
- 管理ではなく、支援
    - 感染症はおまかせください
    - 手術に集中してもらえば、主治医も楽ができる。患者がはやく良くなれば、主治医は楽ができる
    - 忙しければ、お手伝いします。
        - 術中の血液培養や抗菌薬オーダーなど。合意を得た後に臨機応変に
        - グラム染色の代行
- 失敗例 よくある後期研修医の失敗パターン
    - 主治医観の欠如。
        - ボールウオッチャーに
    - 感染症「だけ」見てしまう
        - 内科全般の力も大事
        - 栄養、貧血、血糖、in-out、呼吸器設定など突っ込みどころは多い。感染症が治っても患者が治らないでは、困りもの
            - あまりやり過ぎるとこれもダメだが、、、
    - コミュニケーション
        - 単に人当たりが良いだけではダメ
        - 「コンサルテーション・スキル」
    - デハノウミ
        - 「アメリカでは、、、」は説得力がない。それに正しくない事も多い。
- まとめ
    - ICUにおける感染症診療支援は患者にもICU医療者にも有用である
    - 同じ方向を向いてチャンクアップ。Win-Win の関係が大事
        - チーム医療のコンセプトを
    - 内容も大事だが、コミュニケーションも大事
- 参考文献
    - 1.
    Lahey T, Shah R, Gittzus J, Schwartzman J, Kirkland K. Infectious diseases consultation lowers mortality from Staphylococcus aureus bacteremia. Medicine (Baltimore). 2009 Sep;88(5):263-267. 

    2.
    Rieg S, Peyerl-Hoffmann G, de With K, Theilacker C, Wagner D, Hübner J, et al. Mortality of S. aureus bacteremia and infectious diseases specialist consultation--a study of 521 patients in Germany. J. Infect. 2009 Oct;59(4):232-239. 

    3.
    Raineri E, Pan A, Mondello P, Acquarolo A, Candiani A, Crema L. Role of the infectious diseases specialist consultant on the appropriateness of antimicrobial therapy prescription in an intensive care unit. Am J Infect Control. 2008 May;36(4):283-290. 

    4.
    Erbay A, Bodur H, Akinci E, Colpan A. Evaluation of antibiotic use in intensive care units of a tertiary care hospital in Turkey. J. Hosp. Infect. 2005 Jan;59(1):53-61. 

    5.
    Esposito S, Leone S. Antimicrobial treatment for Intensive Care Unit (ICU) infections including the role of the infectious disease specialist. Int. J. Antimicrob. Agents. 2007 May;29(5):494-500. 

   

    6.
    大曲ら 感染症チーム医療のアプローチ 南江堂 2009

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コメント

救命救急センターICU勤務の医師です
現在感染症専門医へトラバーユすべく勉強中です。

広島の学会のご講演を楽しみにしています。

内容のまとめ、私が日々直面している悩みを見事に言い当てています。
”ICU入室中だからSSIの抗菌薬はTAZ/PIPCで”などと言うおじさまDrも多く、
ぜひ広島の講演会では、聞いているおじさまDrに
”感染症を教科書からきちっと勉強している若いモンの言うことにもきちんと耳を傾けてみてください!”と
一言ガツンとかましてください。

そして、プレイヤーの多すぎる大学ICU、発熱があれば
”感染症Dr呼んどいて”
の一言で済むようなシステムになるにはどうすればよいか
教えてください。

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