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血液培養ラウンドとバカの定義

神戸大学病院では血液培養ラウンドをやっています。血液培養陽性者を確認し、主治医がきちんと対応しているかをモニターし、必要があれば抗菌薬選択など、診療支援をします。もちろん、単なるコンタミだったり主治医が十分理解している場合は介入しません。あくまでこちらのオファーでして、酒屋や米屋の御用聞きみたいなものです。

「ええー、まいどあり。血液培養陽性ですが、もしよろしかったらお手伝いしやしょうか」

という感じです(こんな言い方は実際にはしません、念のため)。感染制御とか感染管理というガチガチしたイメージは苦手で、あくまでも「お手伝い」、サービス業です。この辺のコンセプトを理解してもらうのには、とても時間がかかります。管理、制御、規制があまりに多すぎるためです。僕は管理するのは(されるのも)好きではないので、あくまでお手伝いですよ、と言いふらしているのですが、なかなか大学病院では理解されない。

「そもそも、患者は主治医が診るものでしょ。普通の病院はそうですよ。それをどうして横やりを入れるのです」

なんて言われます。けれど、僕は大学病院で定義するところの普通の事や常識的な事をやるつもりはないんです。僕にはそういう世間知がありません。大学の世間知の枠内で仕事をするのなら、僕みたいな人間は一番役に立たないはずです。豚に空を飛べ、というようなものです。豚には豚の仕事がある。例えば、そこらの生ゴミを食べてまわるというような。

僕が大学で仕事をするという事は、大学の常識の枠の外で仕事をするという事です。たぶん、そういう仕事をさせたいからこそ僕は大学に呼ばれたんだと思います。もしそうでないとしたら神戸大の人事部門は非常に無能だという事になってしまいますからね。

2008年4月に発足した感染症内科ですが、お陰様で2010年1月27日時点で入院患者診療1000人となりました。血液培養陽性者で、感染症内科が実際にフォローするのはそのうち6割程度。ほとんど全科からコンサルテーションをいただいています。たった一科だけが頑なに介入を拒んでいますが、まあ支持率100%の将軍様は逆にやばいということもあり、このくらいなら(発足2年としては)上出来な方だと思います。

感染症コンサルテーションの価値については下記があります。あと、最近大曲先生たちがお書きになった本は非常に面白いです。

1. Lahey T, Shah R, Gittzus J, Schwartzman J, Kirkland K. Infectious diseases consultation lowers mortality from Staphylococcus aureus bacteremia. Medicine (Baltimore). 2009 Sep;88(5):263-267.   
 
2. Rieg S, Peyerl-Hoffmann G, de With K, Theilacker C, Wagner D, Hübner J, et al. Mortality of S. aureus bacteremia and infectious diseases specialist consultation--a study of 521 patients in Germany. J. Infect. 2009 Oct;59(4):232-239.   
 
3. Raineri E, Pan A, Mondello P, Acquarolo A, Candiani A, Crema L. Role of the infectious diseases specialist consultant on the appropriateness of antimicrobial therapy prescription in an intensive care unit. Am J Infect Control. 2008 May;36(4):283-290.   
 
4. Erbay A, Bodur H, Akinci E, Colpan A. Evaluation of antibiotic use in intensive care units of a tertiary care hospital in Turkey. J. Hosp. Infect. 2005 Jan;59(1):53-61.   
 
5. Esposito S, Leone S. Antimicrobial treatment for Intensive Care Unit (ICU) infections including the role of the infectious disease specialist. Int. J. Antimicrob. Agents. 2007 May;29(5):494-500.   
 

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