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ジェットラグの総説

旅行医学とかで話題になりやすい時差ぼけ。自分のためにも役立ちます。

N Engl J Med 2010;362:440-7. by Sack RL. Powered by OmniOutliner

ジェットラグ
- ジェットラグは、いわゆる時差ぼけの事
    - 体内時計と現地時間のギャップで噛み合わない
    - 体内時計は視床下部の視交叉上核にある
        - 明暗に対応し、日中起きててくらいと眠い
        - すぐには調整できない。
- ジェットラグの症状
    - 夜間不眠と日中の眠気
    - 不快感
    - 身体運動のパフォーマンス低下
    - 認知機能低下
    - 消火器症状
        - その他、旅行による疲労も重なる。
        - 旅行の疲れは休めば治るが、ジェットラグはすぐには治らない。
- ジェットラグの頻度
    - 不明。多くの旅行者がなるといわれる。
- ジェットラグの寄与因子
    - タイムゾーンの数。タイムゾーンをたくさん越える(時差がある)となりやすい。
    - 方向。東方への旅行はきつい。西はOK。体内時計は通常24時間以上あるので、一日が延びる分には調節しやすいが、一日が短くなるのは調整しにくいため。ただし、朝方の人は体内時計が24時間以下で東側への旅行の方が楽らしい。
        - 夜光に当たると、体内時計は長くなり、朝光に当たると短くなる。睡眠中は目をつむって通常暗いので、体内時計の調整に寄与している。
        - メラトニンは逆。夜メラトニンを飲むと時計は短くなり、朝飲むと長くなる。
        - 西向きに旅行すると、毎日体内時間は平均92分分リセットする。東側だと57分。おおざっぱに言うと、1日1時間時差ぼけはなおっていくが、西側の方が治りは早い。
    - 睡眠不足。ビジネスクラスやファーストクラスなら症状は軽い、って当たり前。
    - 目的地でのヒント。現地での自然光への曝露は重要。
    - 個人差、、、、加齢により、時間のずれに対する寛容度は低下する。年をとると寛容性が低下するのは、これは一般的な現象ですね。
- 治療
    - 自然光への曝露
        - 東に旅行するときは朝に、西に旅行するときは夕刻に強い光に当たるよう意識するとよい。
        - ただし、時差が8時間以上ある場合は、逆に東向きは朝数時間室内で暗く、西では夕刻にそうしたほうがよい。
            - 外に出るならサングラスをしても良い。
            - 臨床試験は乏しい。
            - 時差が8-10時間以上ある場合は、西向きに旅行するのと同じように治療した方がよいという専門家もいる。
            - 分かりづらい、、、ので分かりやすい表が付録にある。メラトニン服用時期もこれで一目瞭然。よかった。
            - content.nejm.org—DC1 <http://content.nejm.org/cgi/content/full/362/5/440/DC1>
    - メラトニン
        - 夜間、10-12時間分泌されるホルモン。
        - 体内時計に調整されている。
        - ダークネス・シグナル
        - 夕刻に摂取すると体内時計は早く、朝飲むと体内時計は伸びる。光と逆。
        - 受容体は視交叉上核にある。体内時計と同じ。
        - 体内時計調整機能だけでなく、眠剤としての意味もある。1mg以上で特に
        - 11の二重盲検プラセボコントロール試験で、8つが臨床効果を示した。
        - 4つのスタディーによるメタ分析では、5−8mgの服用で、スコアリングによる治療効果を認めた。
        - メラトニンは東向きでは就眠時に服用。西向き、6時間の時差以内だと、内因性のメラトニンと重なってしまうので、0.5mgかそれ以下を深夜に飲んだ方がよい、、、らしい。
        - 0.5mgと5mgを比較して、差はないというスタディーもあるが、普通は5mgを飲む。5mgのほうが眠い、、、
        - 眠剤と併用すると日中の眠気や見当識障害が増える。
        - 旅行前から現地の睡眠前時間にあわせてメラトニン服用すると良いかは、わかっていない。
        - 副作用は少ない。FDA認可はない。
    - その両方
    - 短期の旅行では、現地でも旅行前の場所に合わせた行動をとる方法もある。岩田は学会に行くときよくこれをやり、昼寝して、夜中に起きている。
    - 短期型の眠剤も有用。ただし、副作用もあるので、旅行に行く前に飲んでみるという手もある。機内のDVTは増えるかもしれない?
    - 逆に、日中にカフェインなどの刺激物をとるという手もある。
    - armodafinil(ナルコレプシーの治療薬)も有用?臨床利権もある。頭痛、悪心、嘔吐が増える。
    - メラトニンの指摘投与量は不明だが、たぶん投与量より投与時間の方が大事。
    - 西向きの旅行時はいつメラトニンを服用するかは不明。
    - メラトニン受容体agonistも研究中
    - Argonneダイエットなるものも。豪華な食事とダイエット食を交互に?
        - こんな感じらしい。
        - www.netlib.org—jet-lag-diet <http://www.netlib.org/misc/jet-lag-diet>
    - 運動も?
    - エキスパートの推奨はこんなかんじ
        - I would recommend that, before departure for London from Los Angeles, he gradually advance his sleep schedule by 2 hours and seek exposure to bright light on awakening. After his arrival at his destination, I would recommend that he walk in the bright sunlight and drink a caffeinated bev- erage each morning. I would also recommend that he take melatonin, at a dose of 3 mg (the dose that is most commonly available) at bedtime, for 3 to 4 days to accelerate phase shifting. If melatonin alone is insufficient to facilitate sleep, the addition of a hypnotic agent may be justified. On his return, I would advise him to seek exposure to bright light in the evening and to take a low dose of me- latonin (0.5 mg) if he awakens before 5 a.m.

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