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感染防止対策加算

感染防止対策加算がつく。入院あたり100点、1000円だ。1日500人の入院がある病院なら、年間億単位の収益である。かなり大きなものだ。

ただ、??なところはある。カルバペネムやバンコマイシンの許可制、届け出制を条件としているところなどだ。センスがないな、と思う。

本来、許可制、届け出制とは感染症診療の質が低いことの証左なのである。外圧をかけて、縛りをかけないと適正な抗菌薬が選べない。医師の質が低いという証明ですら、ある。前任地でも一部の診療科の感染症診療の質が非常に低かったため、「嫌々」カルバペネム使用制限に踏み切ったいきさつがある。彼らはカルバペネム許可制をとても忌み嫌っていたが、自分たちが診療のレベルを上げればそのようなポリシーはすぐに廃止しますよ、というメッセージには気がつかなかった。愚かである。自分で自分の首を絞めているのだから。あからさまな敗血症でも血液培養も取らず、CRPが高ければカルバペネム、みたいな診療科に自律的に正しい抗菌薬が選べると思うほうがどうかしている。人は時に、自ら望んで自分たちが望まない選択肢を選ぶという奇妙な現象を、僕はこのとき学んだ。

本当は、医師の質が高く、目の前の患者に適切な抗菌薬を選択する能力があれば、届け出制、許可制のような面倒くさい施策は不要なのである。このようにしてまた、良質な病院が足を引っ張られる。

しかし、まあそうはいっても感染対策をやっても金にならない、という時代は終わりを告げようとしている。細かいところでは文句もあるが、全体的には益するところが大きいだろう。感染症を志望する若手医師の就職先も増えていくのに違いない。苦々しくもあり、うれしくもある今回の加算である。

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