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外科関連の感染症を内科医が診てもよいのか?もちろんイエス。

 昨日は整形外科の先生方とミーティング。抗菌薬使用方針についてすりあわせを行った。感染制御部、薬剤部と協力して、各科個別に、しらみつぶしにこういう試みをやっている。

 こういうことは全体的にがばっとやってはダメだと思う。個々のドクターの顔を見て、話を聴いて、意見のすりあわせを行わなければ、「やらされている感」が強くなる。人に決めつけられたルールは守れない。自分で決めたルールは守りやすい。だから、最後のキャスティングボートは相手が持つべきなのである。多くの「見解の相違」と思われていたものが、実は同じことを話していた、ということもしばしばこういう場所で詳らかになる。神戸大のドクターは人格に優れ、話の分かる人が多い。ま、全員というわけにはいかないが、全員が善人の集団なんてないだろうし、またあったとしたら気持ち悪いだろう。

 僕は他業種の人と話をするのが大好きだ。基礎研究者との対話は快楽である、という話はした。外科医との会話も大変ためになる。いろいろな気づきがある。

 感染症医にとって大事なことは、コンサルティーが何を大事にしているかに気がつくことである。整形外科医にとってのそれは、機能予後であると僕は思う。こういう「感じ方」を学ばなければならない。自分の世界観、価値観だけでものを言ってはならない。

 さて、話は変わるが、ときどき外科の先生に指摘されるのは、「先生は外科の感染症について経験症例数が僕らより多いわけではないでしょう。先生を信用して良いという根拠はどこにあるんですか?」という指摘である。曰く、自分たちはたくさんの患者を診ているが、内科医たる岩田は経験症例数が足りないのではないか、という意味である。

 これは、大きな誤解に基づいている。はっきり言って、外科系感染症例の経験数において僕以上の外科医はほとんどいない。

 理由は簡単だ。外科医とは、例えて言えばカーレーサーである。僕は、例えるならば事故処理班だ。

 コンサルタントたる僕は、術後の感染症において呼ばれ、でばって患者を診る。術後は感染症が「起きない」のが普通である。感染症はたまにしかおきない。起きたときは、呼ばれて診る。したがって、コンサルタントの元には感染症患者が集積するのだ。

 カーレーサーとレース場の事故処理班では、「車の事故」に対する経験値はどちらが高いだろう。言うまでもない。後者である。レーサーにとっては事故は例外であり、事故処理班にとってそれは日常なのだから、圧倒的に後者のほうが経験値が高いに決まっているのである。

「いやいや、術後に感染症を起こさせたら俺の右に出るものはいないよ。悪いけど、岩田先生より俺の方がぜんぜん術後感染症の経験数は多いね」

と、こんな奇特なコメントをおっしゃる外科医にはまだお目にかかったことがない。

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