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2010年5月

EBICセミナーでおしゃべり 再びパワポとハンドアウトと抄録の話

EBICセミナーがあります。僕もひさしぶりに参加です。

http://www.ebic.jp/news/news_se12.html

今回は、スライドもハンドアウトもなしです。その理由は以下の通り。

パワーポイント資料を配付しない理由の説明(言い訳)

岩田健太郎 神戸大学病院 感染症内科

 2010年4月27日、ニューヨーク・タイムズ紙にセンセーショナルな記事が掲載されました。「敵に出会った。その名はパワーポイント」というものでした。アフガニスタン攻略のための作戦を立案するときに米軍はパワーポイントを多用しましたが、そのことが知的営為を減らしてしまっている、という主旨でした。この記事は医学教育関係のメーリングリストに紹介され、世界中の反響を呼びました。多くは共感をもって迎えられました。なぜなら、パワーポイントは「話者の都合、話者の便利」には合致していますが、それが学びの向上に結びついたことはなかったからです。

 パワーポイントの華麗なプレゼンテーションをパラパラ見ていると、我々は「分かったような気」になります。しかしその実、何も理解していないことも多いのです。理解していないのに理解しているような気分にさせる、そのようなトリックがパワーポイントにはあるのです。パワーポイントはプレゼンテーションには便利なソフトですから、そのしゃべりはスピードを増していきます。聴く者が考えるチャンスを失います。なんかよく分からんが、分かったような気になるのはそのためです。
 多くの方が自分の頭でついて行くくらいのスピードで理解できるのは、実は黒板で板書するくらいのスピードなんだそうです。まあ、マシンガントークの岩田が何を言うか、という感じですが、僕も最近は反省して学生のレクチャーやナースとのワークショップは対話型にしており、こちらが一方的にしゃべくり倒すというスタイルを改めつつあります。
 黒板、板書の時代に還れ、と年寄りじみたことを言っているのではありません。黒板、板書のプレゼンテーションはそれはそれで問題です。まず、アイコンタクトができません。おしりを向いていますからね。大勢を相手にする場合は、字が小さすぎて読めない、ということもあるでしょう。僕が学生時代は多くの教授は黒板に板書でしたが、それを有効に使っている人は希有でした。

 実は、文字にする、そのことだけでも僕たちの知的労働は怠けに入ってしまうのです。みなさんは、アフリカ大陸に「文字のない社会」があるのをご存じでしょうか。情報は口伝えに代々先祖から子孫に伝えられます。ずいぶん遅れた、知的レベルの低い人たちだなあ、と思ってはいけません。彼らの知的営為は文字を残して頭に残すことをサボってしまう僕たちよりもはるかに高い部分もあるのです。そのことを看破したのが川田順造という文化人類学者でした。川田順造の師匠筋に当たるのが先日他界したレヴィ・ストロースです。レヴィ・ストロースは知的レベルが高いと信じていた西洋の価値観が、実は「価値の一つ」に過ぎないということをブラジルの森の中で発見し、それを看破したのでした。「構造主義」と今我々が呼んでいるものはレヴィ・ストロース(とソシュール)が成立させたのです。構造主義?そんな難しい話は私たちには関係ないわ、と思ってはいけません。今僕らが問題にしているインフルエンザの問題はまさに構造主義そのものを、つまりはシニフィアンとシニフィエ、名前と名前をつけられるものとの「関係性」に依存しているのです。
 我々は、自分たちの考えや知識やコンセプトを人口に膾炙するために文字を発明し、活用してきました。マルティン・ルターが一所懸命聖書をドイツ語に訳したのがそうですし、グーテンベルグが活字を発明したのがそうですし、杉田玄白らが解体新書を作ったのも文字化の功績です。インターネットや電子メール、最近ではTwitterやらFacebookと呼ばれるものも文字の功績です。一般に知的コンセプトを広める際、文字はとても有用なツールです。
 人々に何かのコンセプトを広げる有用なツールにテレビがあります。今ならYouTubeがそうでしょう。そういうツールを僕も活用しますし、全然否定はしません。
 ただし、これらのツールは僕らが「ものを考える」上ではむしろ邪魔になります。サボってしまうからです。平坦な情報開示には文字や映像はよいでしょう。しかし、ものを考えるときには、我々は異なるツールを必要とします。
 このことを最初に看破したのはギリシャの哲人、ソクラテスでした。ソクラテスは一切文字に残しませんでした、自分の考えを。ソクラテスの言葉はプラトンによって、その「対話篇」によって示されたのです。日本には「古事記」という書物があります。これは稗田阿礼という人が口述したものをまとめたものなんだそうです。古事記をまとめて、「古事記伝」を書いたのが江戸時代の本居宣長という人です。その宣長を現代に紹介したのは文芸評論家の小林秀雄でした。
 小林秀雄は、レトリックを批判し、ダイアレクティクを推奨しました。レトリックとは、要するに「雄弁」です。説得と呼んでも良い。私はこんなに正しいですよ、と他人を説得するのです。しかし、小林は「説得」は学問としてはよろしくないことだ、と考えました。学問は説得することではない。自分が正しいと自己の正当性を主張し、他人の間違いをあげつらうことではない、と。
 説得にかかると、全てのデータが自分の主張に都合良く移ります。自分に反する都合の悪いデータは否定にかかります。残念ながら、日本の学術界もこのような「説得」型の議論が多いです。曰く、タミフルを飲ませるのが正しいのか、どうか。ワクチンは1回がよいのか、2回か。私は正しい、あなたは正しくない、という定型でもって議論が行われます。これは、有り体に言うと、あまり賢い議論の仕方ではありません。
 ダイアレクティクとは、簡単な言葉で言うと「対話」です。プラトンが、ソクラテスがやったことを指したのと同じです。今では辞書を引くと、ダイアレクティクは「弁証法」というややこしい訳がついています。これはヘーゲルというややこしい人が難しくしちゃったのでそういうめんどくさい名前になりました。
 対話、つまり「自分はこんなに正しい」、ではなく、「自分は正しいんだろうか?」と問いをたてるのです。これに答えを与える。また問いを出す。答える。こういうことを繰り返していくと、なんとか妥当なゴールに近づいていく、こういうことです。
 対話=ダイアレクティクに比べると、「私は正しい」=レトリックという主張は非常に幼稚な議論であることが分かります。残念ながら、日本の学術界は非常に幼稚な、僕の言う「白髪の小児」が多いのです。これではいけません。僕らは「自分はこれが分からない」「理解できない」「どうしてなんだろう」と問いを立て続けることだけが大事なのです。
 残念ながら、感染症界も例外ではなく、残念ながら感染管理の世界も例外ではなく、感染管理看護師の多くもその例外ではない、と僕は申し上げなくてはいけません。「何が正しいの?教えてちょうだい?」というばかりで、自分で考えないのです。EBICセミナーでも、僕がしゃべると「岩田はこう言っていた」と丸呑みされてしまうのです。岩田の言っていることは、本当だろうか?と吟味する。問いをたてる態度がICNには必要です。ですから、こういうセミナーで僕らのしゃべることを一所懸命飲み込み、ハンドアウトにメモリ、それを取り出して「岩田がこういっていた」と開陳するのは、あまり意味がないのです。
 ICNの黎明期であれば「CDCはこう言っている」みたいな事実を飲み込むことには意味がありますが、我が国の感染対策は、そろそろそういう時期を乗り越えるべきだと思います。CDCはなぜそう言うに至ったのか?それは妥当なのか?我々の現場にapplicableなのか?こういう吟味が必要です。

 ハンドアウトの話がでました。「ハンドアウト」も、「抄録」も僕は原則渡したくないのです。そりゃ、当然です。ハンドアウトを渡すと言うことは、僕がしゃべり、主張し、結論づけるところがもう事前に決まってしまうからです。これはレトリックであり、一つ下のレベルの議論になります。なるほど、PTAの会や市民講座ではこのようなやり方もあるでしょうが、プロ集団を相手にする場合はもうすこし異なるやり方もあって良いと思います。落語家も真打ちレベルになると、何をしゃべるか決めずに高座に上がります。高座に上がって聴衆を見回して、彼らの顔つき、表情を見て「今日はこの題目でいこう」と決めるわけです。落語家は、一見一方的にしゃべっているように見えますが、実は聴衆の表情や呼吸を読んでしゃべっています。実は対話しているのです。ここでもディアレクティクなのです。
 ハンドアウトを渡すと、議論の先が読めてしまいます。結論も決まってしまいます。また、メモを取るために目線は下に向き、話者とのアイコンタクトが妨げられます。周知のように、コミュニケーションの大部分はノンバーバル、言葉でない部分で行われます。アイコンタクトのない対話は実りが小さいのです。

 新型インフルエンザを巡る問題は、答えよりも「問い」の多い問題です。「どうしたらよいか分からないから、答えをちょうだい」と我々が言うから、(できもしないのに)厚労省は一所懸命細かいガイドラインを作りました。これが我々の現場での営為を非常に困難にしたのは記憶に新しいところです。自分の頭で考え、判断し、決断しなければ、進行・再興感染症には立ち向かえないのです。もう、お上にお願いします、と丸投げにしてはいけないのです。我々はそろそろ、成熟したプロになるべきです。
 そんなわけで、プロ集団であるEBICセミナーでは、僕はパワーポイントなしで、皆さんの目を見ながらお話ししたいと思います。皆さんも僕の目を見ながら話を聞いてください。メモを取る必要はありません。手を動かすのではなく、頭を一所懸命動かして、「私」はどう考えればよいのか、どうすればよいのか、一緒に悩みましょう。

岡山大行きます(5月29日)

昨日は3年生に講義。今年度の講義は1年生の「医学序説」に続いて。お題は「臨床感染症学の基本」

19歳女性の止まらない咳から問診だけで原因微生物まで導き、臨床感染症学が通常の微生物学と逆に思考することを示す。感染経路が大事であることを、パスツール、ボツリヌス、炭疽菌、ジョン・スノウ、ゼンメルワイスの例を示して考える。結核について考える。HIV感染症について考える。インフルエンザについて考える。感染症の診断の恣意性、病気の診断の恣意性について考える。ソシュールと構造主義について考える。抗菌薬の歴史について、秦、フレミング、フローリー、チェーン、世代を通じたセファロスポリン、MRSA、院内感染という流れで考える。予防接種の価値について、種痘から考える。DTaPに言及し、これで冒頭の話につながって。その間、雄弁(レトリック)ではなく、対話(ディアレクティクス)こそが大学生の学問なので、だから本当は俺の講義なんて聴いてちゃダメで、自分でがんばって勉強しなさいよ、という話をする。ハンドアウトやシラバスやパワポが大学生の勉強の質を下げますよ、という話もする。答えを出そうとするな、疑問を出そうとしなさいという。俺は正しいと主張するな、俺は本当に正しいの?と首をかしげなさい、という。神戸大の学生は賢いのでこの程度の内容なら理解できる、、、はず。それにしても60分x3回の講義は疲れます。

回診したり書類仕事をした後、グレミリオン先生の歓迎会で焼き肉。この1年野菜中心の食事なので今は胃が重い、、、、肉をがつがつ食えた若き日が懐かしい。

本日は厚労省の会議。やっとこれで終わりだ。今新幹線。その後Nプログラムの歓送会。ずっとでていなくて失礼していたので、久しぶりに顔を出す。

明日は岡山大で研修医にセミナーです。最近はようやく大学でお話しする機会もできてきた。数年前は一般の病院で呼ばれることがあっても、大学に呼ばれることはめったになかった。たまに大学に呼ばれて話をしても、「岩田先生は奇抜なアイディアの持ち主ですね」とか座長にとんちんかんなことを言われたものだ。基本的な話しかしていないにもかかわらず、である。亀田にいたとき、清山先生がまだ学生の時、東大に呼んでくれたが、東京大学の教員は「そんな人呼んでもしようがない」的に僕を呼ぶのを拒んだ。なので、清山先生たち学生が自主的に呼んでくれた。もちろん講演料はただである(ただし、あとで聴衆のアンケートをくれた。こういうのはうれしい)。今は大学はおろか、学会で話をしてもちゃんと通じる。話の内容はたいして変わっていない。奇抜なアイディアもオリジナルな思考もない。基本的な話しかしていない。青木先生や遠藤先生の講義のパクリ話を繰り返してしゃべっているだけである。世の中がようやく変わってきてくれたのである。遅々としたあゆみながら、確実に。

学生のレポート

BSLでまわっている5年生のレポートです。今日はグレミリオン先生がいたので回診も英語でやっちゃいました。やればできます。神戸大の学生は頭がよいので、あとはそのポテンシャルをどんどん引き出すだけ。質問をさせるとけっこう良い質問が出てくる、、、、

連鎖球菌の分類
単関節炎のワークアップ
発熱と咽頭痛のアプローチ

をそれぞれまとめてもらいました。金曜日は、
CMV疾患の診断アプローチ
リウマチ熱の診断と治療
肺胞出血の鑑別
のお題です。がんばれ。

「20100526164436.pdf」をダウンロード

これは名著だ、、、

大曲先生の「感染症診療のロジック」を読む。

感染症のプロにとっては、目新しいことは何一つ書いていない。が、これは名著だ。

本書くらい、これまで大事に語られてきた言葉が適切な言葉で使われて文字になった例を知らない。青木先生の「マニュアル」すらしのぐほどの説明の丁寧さ、ロジックの綿密さである。想像だが、長い間静岡で多くのドクターと対話をつづけ、様々な異論、反論に応え、理論武装を重ね、そうした年輪が積み上がっていった結晶みたいなものが本になったのではないだろうか。僕にはとても、ここまで堅くロジックを積み重ねることはできない。こういうのは大曲先生でないとできない。

感染症の勉強を始めるには本書はとてもよい教科書だと思う。感染症のプロが本書を読むときには、とくに日本で診療をしている者が読むときには、自分が漠然と抱いているロジックを堅牢なものにするためのよりレベルの高いトレーニングとして用いると良いと思う。本書をうっかりさらっと読んで、「そんなことは俺は知っているよ」としたり顔で流してはだめなのである。

遠藤先生神戸に

2010年5月25日 遠藤和郎先生ご講演

本日は遠藤先生が神戸大学病院においでになる。おととしもお見えになったのだが、そのときは病院見ていただくのはご遠慮いただいた。ちょっとさすがに見ていただくには、、、

今回もそれほど自慢できる内容ではない。が、まあご指導を仰げるくらいにはまだなっているかと。

神戸の研修医がぜひ心して聞かねばならない話だった。貴重な内容だった。

断固たる決意を持って耐性菌をつくらないように抗菌薬を

血液培養は年間16000セット(550床)。神戸が6000セット(約1000床)。2セット率はほぼ100%、神戸が75%。

グラム染色で原因菌が分かりやすくなる。

グラム染色なしで行う感染症治療は心電図なしで行う不整脈治療と同じである。(堺の藤本先生の言葉)

臨床は気合いだ。グラム染色も気合いだ。

薬剤費についても考えるべきだ。

抗菌薬尾採用手順
1.各系統から1種類
2.有効性、副作用が十分に検討されている。すなわち新薬は入りにくい。
3.感受性検査が出来る。
4.正確がしっかりしている。
5.副作用が少ない。
6.適切な価格
7.剤型
そして、1増1減

中部病院で採用されると開業医で採用しても良い免罪符になる。

制限される抗菌薬は貴重な抗菌薬。制限される抗菌薬は名誉ある抗菌薬だ。

中部病院では届け出抗菌薬オーダーは減っていない。むしろ増えている。正しいという信念の元でやっている抗菌薬は減らない。むしろ健全。

研修医は、迷ったら血液培養を取るべきだ。

コンタミネーションは重罪 コンタミを出した研修医は名前を張り出される。神戸では1セットが多いのでコンタミ出している人が分からない。

技師への言葉 検体の向こうにいのちがある。
研修医への言葉 実際に検体を見て、臭いをかいで、学ぶべし

静かで暑い土曜日

静かで暑く、そして孤独な土曜日である。今年度は週末の仕事を昨年の半分以下にしているので、土曜日に体が空くことが多い。

仕事は減っているわけではない。仕事は山ほどたまっている。勉強せねばならないこともたくさんある。が、今日は気分が乗らない。気分が乗らないときに仕事をしても良い仕事は出来ない。今日は気分に任せて違うことをする。志ん朝の落語を聞きながら、ジョギングをする。洗濯をする。洗濯物を干す。アイロンをかける。買い物をする。腕時計を修理に出す。掃除機をかける。食洗機をかける。黄ばんだ衣類を漂白する。うまくいかなく、あえなく捨てる。

志ん朝は上手い。名人だ。でも、志ん生の方がより上手い。志ん朝はうまさを見せつけすぎなのだ。

NHKで過去のワールドカップの再放送をやることを思わず知ってしまう。今のワールドカップだけだったらよかったのだか、86年のアルゼンチン対イングランド実況しますよ、とか言われるともうたまらない。慌てて電気店でHDDレコーダを衝動買いしてしまう。今日はこのセットアップでたくさんの時間を使った。iphoneで通勤時にみれるようにする。こんなことに時間使ってる。後ろめたい。

86年。僕は中学生だった。こんなに集中して見たワールドカップは後にも先にも初めてだ。82年は小学生だった。ソクラテスがヒールキックをしてる、とかくだらないことしか注目できず、僕の82年は後の録画の焼き直しだけだ。90年は燃えた年だが、単調なワールドカップだった。94年もそうだった。98年はアメリカで研修を始めた年でぐちゃぐちゃしながら見た(もっとも、少しフランスにいたので現地の雰囲気は楽しめた)。そういえば、予選のイラン対日本はNプログラムの選考面接の前日、東京のホテルで見た。2002年はアメリカで見ていた。2006年は千葉で見ていた。でも、仕事が忙しくて流してみていた。

86年は生放送もなく、こずかいで安い韓国製のビデオデッキを買って一番安いVHSのテープを買って、録画で見た。当時は、韓国製と言えば悪い品物の代名詞だった。なんどもテープがすり切れるくらい見た。今みたいにサッカー中継は多くなく、他に見るものもなかったのだ。島根ではダイアモンドサッカーすらやってなかったのだ。86年WCは全試合は放送されなかったし、音声も映像もぱっとしなかったが、これが僕のワールドカップだ。これこそが僕のワールドカップだ。

暑くてむしむしする日だ。今日はなぜか、刺身が食べたい。志ん朝の聞き過ぎかもしれない。刺身であれば、日本酒しかない。ワインは「あわせて、あわせられないことはない」が、決してベストマッチではない。スーパーで切り落としのぶさいくな刺身を買う。298円である。合わせて日本酒を買う。玉の光、純米吟醸酒。

洗濯物を取り込んで(よく乾いてる)、たたみながら、BSのワールドカップ特集のだらだらしたテレビを流す。山本浩アナウンサーが出ている。彼は島根県松江市の出身だ。島根県をことさらに強調し、重要視する僕としては、山本さんと秦さんは貴重な存在だ。

明日のための、草稿を書く。推敲し、批判的吟味を受けて書き直す。

新型インフルリスコミWS KURIVOWS IIIのご案内

マルチポストで失礼します。神戸大学の岩田健太郎です。以下、ご案内です。転送・転載自由です。ぜひご参加ください。

●第3回新型インフルエンザ・リスクコミュニケーション・ワークショップ●ご案内
Kobe University Risk communication on Influenza Virus Outbreak WorkShop III, KURIVOWS III (クリボウズIII)

 2009年、世界的な新型インフルエンザA(H1N1)感染症のアウトブレイクが起きました。リスク・コミュニケーション、クライシス・コミュニケーションの重要さが改めて確認されました。患者情報の開陳、記者会見のあり方、報道のあり方、発熱相談センター・発熱外来におけるコミュニケーションなど、全てのセクションで良質で効果的なコミュニケーションが必要とされます。
 今年も神戸大学都市安全研究センターでは、全国の感染症を担当する行政 関係、保健関係、医療、報道関係者を対象に、現場で行うリスク・コミュニケーションの実践を習得するためのワークショップを企画いたしました。名付けてKURIVOWS III。2008年、2009年に続き3回目です。今回はスペシャル・ゲストもお招きして、さらにパワーアップ。また、昨年要望があった、「リスク・コミュニケーション以外のインフルエンザの基礎知識」のおさらいレクチャーも企画しました。ワークショップなので、議論の時間もたくさんとりたいと思っています。楽しく実りの大きな会にしたいです。ぜひ、ご参加ください。なお、申し訳ございませんが、定員に限りがございますのでご応募いただいた方も御参加いただけない場合がございます。ご了承ください。

主催 神戸大学都市安全研究センター 
協力 NPO法人 HAICS研究会
会期 平成22年8月31日(火)、9月1日(水)
会場 神戸ポートピアホテル
〒650-0046 神戸市中央区港島中町6丁目10-1 TEL.078-302-1111(代表) FAX.078-302-6877    http://www.portopia.co.jp/
参加対象 全国の感染症に関係する行政、保健、 医療、報道関係者

内容(敬称略。講師、内容には変更の可能性があります)
平成22年8月31 日
===12:00より受付開始===
13:00 開会のあいさつ

第1部 復習とお勉強編
13:05 おさらいレクチャー1 インフルエンザウイルスの基礎知識 神戸大学 新矢恭子
13:25 おさらいレクチャー2 インフルエンザ診療の基礎知識 神戸大学 大路 剛
13:45 おさらいレクチャー3 インフルエンザと感染管理 神戸大学 李 宗子
14:05 休憩
14:35 サーベイランス 国立感染症研究所 実地疫学専門家養成コース(FETP-J) 具 芳明
15:45-休憩

第2部 リスコミ・プレイバック 振り返り編
16:00 臨床現場におけるリスコミ 神戸医療センター中央市民病院 林 三千雄
16:30 地方行政におけるリスコミ 神戸市保健所 白井 千香
17:00 メディアにおけるリスコミ 医療ジャーナリスト 伊藤 隼也
17:30 日本のリスコミ、世界のリスコミ 近畿医療福祉大学 勝田 吉彰
18:00 休憩
18:10 総合討論 2009年のパンデミック リスコミ的に振り返ると
司会 岩田健太郎 特別ゲスト 神戸女学院大学 内田 樹
19:20 意見交換会 記念撮影

平成22年9月1 日
第3部 アップグレード編 明日からどうする?
8:30 コーチングとコミュニケーション  佐々木 美穂
10:00 休憩
10:10 リーダーシップとは何か 岩田健太郎 洛和会音羽病院 土井朝子
11:10-総合討論とまとめ
12:00ー閉会の挨拶 修了書授与

参加費  35,000円(宿泊費込み)              当日受付時にお支払ください。
申込方法  下記の項目に記入の上、e-mailでお申込ください。
定員 60名(7月9日に選考結果をお伝えします)
締め切り 平成22年7月2日(木)
申込先 新型インフルエンザ・リスクコミュニケーション・ワークショップ事務局
    担当:鍵田祐子(神戸大学附属病院感染症内科)
TEL:078-382-6297                         
e-mail:kurivows@gmail.com

平成22年8月31日より開催される第2回新型インフルエンザ・リスクコミュニケーション・ワークショップに参加申込します。
フリガナ:
氏名:
所属施設:
役職:
志望動機:
その他御質問など:
お知らせいただきました個人情報は当研究会活動の目的のみに使用し、第三者に開示することはありません。

JUSTICEの講義は参考になる

黒川先生のブログで紹介されていたJUSTICEの講義、ちょろっと見たけどとてもおもしろかった。今目指している講義、講演とほとんど同じスタイル。

http://www.kiyoshikurokawa.com/jp/2010/05/justice-michael-sandel%E6%95%99%E6%8E%88%E3%81%AE%E9%80%A3%E7%B6%9A%E8%AC%9B%E7%BE%A9.html

来週は、3年生に院内感染、消毒と滅菌、抗菌化学療法剤の講義。このスタイルでがんばってみます。2年生、3年生が一番モチベーションの低い時期だから難しいんだけど。

語学はこうでなければ、、、、

http://www.sanshusha.co.jp/kuroda/index.html

黒田先生、すごいです。本当に一言一言感動、納得しました。どの世界でも簡単にできることなんてひとつもないですよねえ。プロはこうでなければ。

昨日のJクラブ

昨日はほんと、忙しくて昼飯食う時間もなかったっす。というわけで今出します。

Value of symptoms and additional diagnostic tests for colorectal cancer in primary care: systematic review and meta-analysis

BMJ
2010 vol. 340 pp. c1269

症状のある方の大腸癌の精査に関するメタ分析。研修医がまだメタアナに慣れていないので、プレゼンもメタメタでだめ出しを先週出しました。昨日はそのリベンジ。よく勉強しました。

Emergence of coagulase-negative staphylococci as a cause of native valve endocarditis
Clin Infect Dis
2008 vol. 46 (2) pp. 232-42

CNSもあまり甘く見てはダメで、黄色ブドウ球菌並みに予後は悪いですよ、という論文。ただし、、、、いろいろ突っ込みどころはあり。でも、甘く見てはいけない、というボトムラインは、ボトムライン。

本日のMGH

今日はチーフフェローのO先生のプレゼン

http://content.nejm.org/cgi/content/extract/362/15/1431

だいぶ、しゃべるほうも聞く方も英語になれてきました。ファシリテーターとしては嬉しい限りです。学生が発言するので、議論も活発になってきました。フェローももっとがんばれ!

ケースはたいへん教育的で、診断のアプローチもちゃんとできました。

アンチバイオグラムと十戒

神戸大学病院では、昨年からアンチバイオグラムを作って電子カルテで見れるようにしていますが、どうも利用率が高くないようです。ので、卒後臨床研修センターでラミネート版を作って初期研修医全員に配ることにしました。裏が白紙だともったいないので、何か書いてくれと言われて書いたのが、下の十戒です。僕がドラフトして感染制御部の荒川先生と李師長に直してもらいました。みなさんも、こういうポケアンチバイオグラム、院内で使ってみませんか?まあ、あまりいないと思いますが、転用ご自由にどうぞ。ところどころ、僕も誰かの言葉をパクっているし。

感染症診療十戒(神戸大学医学部附属病院)

1. 日々是血培。血培2セットなくして院内の抗菌薬使用はないと思え。

2. 病歴、病歴、病歴、病歴、身体診察。診断をつけよ。発熱、CRP高値は「診断名」にあらず。感染臓器を特定せよ。

3. カテがなければ、カテ感染は絶対に起きない。毎日必要性を点検せよ。人は経静脈栄養だけでは生きていけない。本当にそれは必要か?尿カテ1日で尿路感染は310%ずつ増加。不用なカテはすぐ抜去。

4. UTIを疑ったら検尿、尿培養も忘れずに。肺炎疑ったら喀痰培養、グラム染色。

5. 原因菌が分かったら原則としてde-escalationせよ。

6. カテ感染はカテの刺入部に所見がないのが90%!カテ感染を疑ったら抗MRSA薬を検討せよ。何でもとりあえず広域抗菌薬と考えない。

7. 今使っている抗菌薬が「効いていない」ときは、薬を変える前に原因検索。脊髄反射ではなく、脳を使おう。

8. 上級医でも間違えていると思ったら意見を述べよ。議論せよ。プロの医師であれ、そのうえで、最後は従え。

9. 分からないときは、分かる人に聞こう。知らないことは恥ではないが、知ったかぶりは恥と知れ。

10. 他科の医師にも他施設の医師にも、胸を張って言えるような感染症診療をせよ。自分にしか通用しないロジックにすがるな。

ワクチンパブコメBy IDATEN

IDATENのほうで、今月締めきりのワクチンに関するパブコメを提出しました。IDATENの若手精鋭たちの原稿で(僕も一本見本原稿書きましたが)、細川直登代表世話人、大曲貴夫前代表世話人、岩田で微調整してつくりました。

青木先生のブログに載せていただいたので、御供覧ください。また、みなさんもぜひパブコメを送ってください。個人でも送れます。厚労省のひとと話をすると個人の意見はあまり聞きたくないようで、学会の見解じゃないとだめなんだそうですが(じゃ、なんでパブコメ募集すんねん!)、ちりも積もれば、ですのでたくさんの意見が集まると良いと思います。同じ事を違う人が言う、ポリフォニックな効果を期待します。なお、パブコメは転送、転載ご自由にどうぞ。

http://blog.goo.ne.jp/idconsult

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495100050&Mode=0

パブコメはどのように処理されているか、誰にも分からないです。だから、こうやって公の場に出しておきます。新型インフルの会議の時も、よく「5月の段階では分からなかったんだからしかたないじゃん」的なコメントが多いのですが、「そんなことありませんよ、2008年12月の神戸大のパブコメでは、、、」と証拠を出すことが出来ます。パブコメの使い方にはこのようなものもあるんです。

http://georgebest1969.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-8f6e.html

GNR院内感染まとめ(NEJM)

Hospital acquired infections due to Gram negative bacteria
- Peleg et al. NEJM 2010;362:1804
    - 2002年には米国で170万の院内感染。100入院注4.5
    - 99,000人の死亡
    - 米国6番目の死亡原因。ヨーロッパでも似たような、、、
    - 50億から100億ドル年間に必要。
    - 3分の1は予防可能
    -
    - 耐性は増え、新薬はできていない。GNRには特に問題。
    - GNRは院内感染の30%の原因。
    - VAP, UTIが多い。
    - ICUでは感染の70%!
        - 原因菌内訳はアペンディックスに content.nejm.org—1 <http://content.nejm.org/cgi/data/362/19/1804/DC1/1>
    -
    - 肺炎
        - 米国ではVAPが多い。
        - 48時間以上で、10−20%発症
        - 緑膿菌、アシネトバクター、腸内細菌群が問題
            - それぞれ26.4%、36.8%がカルバペネム耐性。
            - ギリシャではICUで85%がカルバペネム耐性。マンマミーア
            - ポリミキシン耐性も
            - 入院、抗菌薬暴露、透析があればリスク高いが、リスク因子にはさらなる研究が必要。
            - 診断が大事
            - アンチバイオグラムが大事。
            - 培養とde-escalationが大事。
            - 8日間治療。15日が必要になるのはnon-fermenters
            - 予防のバンドルアプローチを
            - 定量培養が大事だが、アウトカムとの関連は不明
            - CRP, PCT, sTREM-1も使える、、、?
            -
    - 血流感染
        - CRBSIの30%が米国ICUではGNR
        - クレブシエラは27.1%3世代セフェムに耐性。10.8%はカルバペネム耐性
        - ヨーロッパの一部ではこれ以上に悪い。
        - KPCは問題。
        -
    - UTI
        - カテでリスクは5−10%/日増える
        - 泌尿器のオペ前でasymptomatic bacteriuria治療。免疫抑制でも考慮?
        - 大腸菌が多い。
        - 米国ではSHV, TEMのESBLが多い。
        - 世界ではCTX-M, とくにCTX-M-15
        -
    - エビデンスに基づく病院内感染予防
        - ハンド・ハイジーン
        - 教育
        - システム
        - 口腔ケア
        - ベッドアップ
        - 挿管しなくて良いなら、しない
        - サーベイランス
        - 気管チューブの上をサクション、in-line tube
        -
    - 治療は、ローカルデータが大事。
    - polymyxins (colistin and polymyxin b)耐性は、セラチア、プロテウス、ステノ、セパシア、フラボバクテイルム
    - 適切な投与量はいまだ不明
    - 1日1回だと、耐性菌、毒性から問題との動物モデル。1日数回に分けた方がよい。
    - チゲサイクリンはESBLやカルバペネム耐性菌でもOK。アシネトバクターやステノもいける。緑膿菌やプロテウスはだめ。
    - 尿中濃度は低いので、UTIにはダメ。
    - VAPでは、イミペネムより効果が低い。Wyethのプレスリリース。文献45
    - 血流感染でも血中濃度が低いので、微妙。
    - monotherapy?combination?最近はcombinationに耐性菌対策から再度注目できている。
    - 感受性分かっているときは、どちらも効果は同じ(シナジーはあまりない)。
        - ただし、(のう胞性線維症の)緑膿菌感染に対するアミノグリコシドは、むしろモノセラピーより悪い。
    - 点滴の時間を延ばす、吸入もあり。colistimethate sodiumを準備してすぐ使用することが肺毒性予防に。

査読の話と英語の話

最近、学内外で査読をする機会が増えてきた。一円の得にもならなければ、名前が売れるわけでもないが、とても勉強になるので進んでやるようにしている。査読という体験そのものが素晴らしい勉強だし、他の査読者のコメントを読むのも(反面教師も含めて)よい体験だ。普通に論文を読むよりもずっと深い体験が出来る。

つまるところ、論文のレフリーも、サッカーのレフリーと同じである。全体像が俯瞰できて、論文や掲載雑誌の価値がどう高まるか、という高い視点から見るのが大切である。

もちろん、校正的なチェックも大事なので舐めるようにして読むが、かといってあまりに重箱の隅つつきなのは困る。特に、論文が議論していない部分に、「それに言及がない」とか「データがない」といちゃもんをつけるのは見苦しい。豚さんに空を飛べと言ってもねえ。

一度など、「学会が薦めていない検査法はよくないのではないか」とレフリーに言われたことがある。既存の知識のフレームワークの枠内だけで議論をするのなら、論文である意味がないのだが。

あまりに厳密に求めすぎて、本質的な議論がお留守になってしまうことも時々見る。ぴっぴぴっぴとなにかにつけてヒステリックに笛を吹くレフリーが、良い試合をつくらないのと同じだ。それぞれの雑誌にはそれぞれの許容レベルがある。科学といえども人間の営為である。全ての論文をNature, Scienceなみの要求度でばっさばっさ切りまくっても仕方がない。

論文に瑕疵があることそのものは問題ではない。それが瑕疵と認識され、なぜ瑕疵が生じたのかを議論でき、それでも言えることがあれば、臨床論文としてはまずよいのである。

そして、それがさらに説得力のある良い論文になるよう、提案をして、reviseしてもらう。言葉を尽くして、まだ見ぬ著者とコミュニケーションをする。これをinterrogationとしてではなく、accusationとしてではなく、上手にやるさじ加減を模索したい。ちょうど、サッカーのレフリーが試合の流れを切らないよう、選手がキレないようにレフリングするように。レフリーも良い論文作りのために一役買う、参加者としてのレフリーが好ましい。あちらの著者とこちらのレフリーという対立構造ではなく(同じことは、病院評価者と病院の関係においても同じだ、と主張したい。アメリカでも日本でも、病院監査が懲罰的すぎるのが問題なのだ)。

peer reviewも手放しで褒めて良いシステムではない。いろいろな問題がある。このような問題を飲み込んで、煮え切らない問題を煮炊きするのだ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%BB%E8%AA%AD

そう言う意味では、レターも大変意味の大きな営為である。これも出世とは何の関係もないけれど、知的トレーニングとしては価値の大きな行為だ(単にジャーナルクラブを内輪でやってあーだ、こうだというよりも、第三者に読まれる形でレターにする方がずっと知的レベルの高い作業である。そこでは、たんなるいちゃもんづけがずっと許容されにくくなる)。研修医にもだから、Jクラブで読んだものはレターにする気持ちでやって、と要求している。こないだ、一本書いてもらったけれど、残念ながら締め切りすぎていた。NEJMは3週間が限度です、、、、

できるだけ、論文や教科書は英語を使うよう、研修医や学生にも唸がしている。ただし、日本語がダメ、という意味ではない。日本語のアドバンテージはもちろん、ある。

HIVのガイドラインはDHHS、IASだけでは分からない「日本の事情」がある(それは生物学的にもあるし、社会学的にもある)。自分の主要テーマでない領域は、早読みできる日本語でさっと処理した方がタイムマネジメント的には賢い選択だ。今、RAの治療についてのオーバービューを故あってざっと復習しているが、これには岸本先生の「すぐに使える」が便利である。すぐに使える、というだけあって本当にすぐに使える。Kellyなんかを開いて読むとこれよりずっと時間がかかるし、コンセプトの理解の甘い僕には理解がぼんやりするだろうし、日本の添付文書では、みたいなペリフェラルな知識はさらに文献をあさらねばならないだろう。だから、はしょっちゃう。

でも、学生や研修医には英語をよめという。ここで泣き泣きがんばって読んでおくと、それが後々アウトプットできる良い貯金になるからなのです。大人はずるいんです。がんばって。

学生レポート、クリプト

最後はクリプト。1週間でもいろいろ体験できますね。gattii知ってたら、5年生としては上出来です。

クリプトコックス髄膜炎の治療

クリプトコックス症はCryptococcus neoformansによって起こる深在性真菌症だが、最近、より重症で予後不良のC.gattiiが太平洋岸北西部で流行している(①)。とくに脳髄膜炎を起こした場合は致死率が高いため、すばやい対応が必要とされる。

髄液排液開始圧>25cmH2Oの場合
死亡率が上昇することが知られており、腰椎穿刺により早急に減圧を図る。
頻回の減圧が不可能なら脳室腹膜シャントも考慮する。

リスクファクターとして血液悪性腫瘍患者、免疫抑制治療を受けた実質臓器移植レシピエント、ステロイド投与中、進行したHIV感染によるCD4+Tリンパ球<200/μℓの患者が挙げられる(②)。治療法は、これらの免疫学的異常の有無により異なっている。

・免疫学的異常がない場合
 AMPH-B (0.5-0.8mg/kg/日 1日1回静注) + 5-FC (25mg/kg/回 1日4回経口)を
 発熱が軽快して培養が陰性になるまで(〜6週)
  その後FLCZ (200mg/日1日1回経口10週以上)

・免疫学的異常がある場合
 HIV感染を伴う患者では積極的治療が必要で、導入療法(真菌感染量を低下させ症状を
 軽減させる)と維持療法(臨床症状再発を防止する)の2つを行う。
 導入療法
 AMPH-B (0.7mg/kg/日 1日1回静注) + 5-FC (25mg/kg/回 1日4回経口)を2週間
 その後地固め療法:FLCZ (400mg/日1日1回経口)を髄液培養が無菌となるまで(10週間)
 可能ならHARRT開始
 維持療法
 FLCZ (200mg/日1日1回経口)を10週間または髄液培養が無菌となるまで
 ただし、CD4≧100/μℓとなり、全く無症状の状態が6ヶ月以上続くなら中止してよい
(中止する前に腰椎穿刺で髄液の性状を確認する)




AMPH-B(ファンギゾン)
細胞膜のエルゴステロールに結合して作用する。炎症時のAMPH-Bの髄液移行率は非常に悪いとされるが、初期、とくに5-FCとの併用は有効でその後の再発率も下げる(③)。輸入細動脈を収縮させ尿量が減少すること、K・Mg・HCO3-の排泄を増加させることから腎毒性に注意する。腎機能などの問題でAMPH-Bを使用しにくい場合は、リポゾーム製剤(アムビゾーム)にかえる。症状に応じて増減できるが、1日総投与量は5mg/kg(力価)とする。また、AMPH-B投与前に生食液250mℓくらいを点滴静注しておくと腎機能障害が出にくい(④)。

5−FC(アンコチル)
真菌内で5−FUとなり核酸合成を阻害する。他の抗真菌薬と拮抗作用がない利点を持つが、ピーク値80mg/ℓ、トラフ値40mg/ℓを超えると骨髄毒性を招くためモニターが必要である。

FLCZ(ジフルカン)
エルゴステロールを作る酵素を阻害する。髄液移行率が高く、地固め療法に有効である(③)。経口からの吸収率が高く、腸管循環により半減期が長いのでコンプライアンスが良い。一方、P450、CYP2C9、2C19、3A4など様々な薬物相互作用があることに注意する。

参考文献
①サンフォード感染症治療ガイド2008(第38版) pp166-168
②Harrison’s PRINCIPLES OF INTERNAL MEDICINE 17TH EDITION pp1251-1253
③臨床に直結する感染症診療のエビデンス pp323,324
④レジデントのための感染症診療マニュアル 第2版 pp419,444,445

治療方針については以下の文献を参照した
サンフォード感染症治療ガイド2008(第38版) pp166-168
深在性真菌症の診断・治療ガイドライン2007 pp45-48 

学生レポート 妊婦シリーズ3

これもよく調べてきました。週二回というハイペースなレポート提出なのですがね、、、

妊婦健診で重要な感染症   

 

梅毒
梅毒トレポネーマによるSTDの一つで、五類感染症の全数把握対象である。経胎盤感染で先天梅毒を起こしうる。症状の現れる時期によって胎児梅毒(妊娠6ヶ月から早死産)、乳児梅毒(出生後〜3ヶ月までに梅毒症状、特に皮膚・粘膜・内蔵)、晩発性先天梅毒(学童期〜思春期までに梅毒症状、特にハッチンソン三徴候や中枢神経梅毒)に分けられる。ペニシリンGで治療する(テトラサイクリン系は胎盤を通過して胎児の骨・歯に蓄積し、母乳中にも排泄されるので禁忌)。中国では経済と性風俗産業の発展に伴い、近年梅毒患者数が激増している(2008年で患者数25万7000人、5万人/年のペースで増加、先天性梅毒は9480人)(①)。

・B型肝炎ウイルス
HBe抗原陽性妊婦の児はハイリスクであり、予防対策が行われないと85%はキャリアとなる。陰性妊婦の児はほぼキャリアとなることはないが、劇症肝炎が起こることがある。よって、母の抗原陽性・陰性に関わらず予防対策(HBs抗原・抗体検査、HBIG筋注、HBワクチン皮下注)を行う。しかし、キャリア化児の約 3割がHBIG・HBワクチン併用予防法からドロップアウトしていたことが判明した(②)。対策しても5%の児はキャリアとなる。

・風疹
妊娠初期に妊婦が風疹に初感染すると、経胎盤的に胎児にも感染し、先天性風疹症候群CRS(先天性心疾患、白内障、難聴)が発症することがある。感染が妊娠の早期であるほど胎児への感染率・CRS発症率は高い(感染率は妊娠10週までが90%、16週で40%、20週以降ではCRSは起こらない)。また、CRSの95%は初感染、5%が再感染なので、妊娠初期の風疹初感染を予防・早期診断・治療する事が重要である。日本では2006年からMRワクチン2回接種になっているが、抗体陰性またはHI抗体≦16倍なら産褥退院時または1ヶ月検診時にワクチンを接種する(授乳してもよい)。

・C型肝炎ウイルス
母子感染率は10%弱で、予防法はまだない。

・ヒト免疫不全ウイルス
母子感染の経路は経胎盤、産道、母乳の3つであり、約70%は分娩時周辺に起こるとされる。無治療では25〜30%の母子感染率がある。早期の治療開始が必要なためスクリーニングは妊娠初期に行う。しかし、スクリーニング陽性率は0.1%(82/82290)だが、確認検査陽性率は0.0085%(7/82290)と偽陽性率が非常に高い(③)。診断がつけば、妊娠14週以降からジドブジン(多剤併用)療法を行う。分娩時の子宮収縮によりウイルスが胎児側に流入しやすくなるので、破水・陣痛発来前に帝王切開する。新生児は出生後8〜12時間までにジドブジン経口投与(点滴用、シロップは国内未承認)を開始し、6週まで続ける。母乳は禁止する。

・トキソプラズマ
妊婦が初感染を起こした場合、40%が胎児感染を、さらにその40%が先天性トキソプラズマ症(水頭症、脈絡網膜炎、頭蓋内石灰化など)を発症する。妊娠中の初感染率は0.5%以下と低いので全例にスクリーニングを行うか意見が分かれるが、垂直感染を予防できるので行う施設が多い。妊婦初感染で胎児感染に至っていなければアセチルスピラマイシンを、胎児感染していればピリメタミンとサルファ剤の合剤を使うが、保険適応外である。

・成人T細胞白血病ウイルス
母がHTLV−1キャリアなら、10〜30%で母子感染が起こる。しかし、感染の主な経路は母乳なので人工栄養により予防可能である(ただし2〜6%には感染)。

クラミジア
最も頻度の高いSTDで特に若年女性に増加している。無症状の保菌者が多数存在するため、早期検診・検査が重要である。妊婦のクラミジア感染は約5%にみられ、流早産の原因となることもあるとされる。また、産道感染により新生児結膜炎や新生児肺炎を発症させる。近年、抗原陽性妊婦に対する抗菌薬投与で母子感染は減少している。

参考文献
産婦人科診療指針2版 中外医学社
①Joseph D. Tucker, M.D., Xiang-Sheng Chen, M.D., Ph.D., and Rosanna W. Peeling, Ph.D., Syphilis and Social Upheaval in China.
The NEW ENGLND JOURNAL of MEDICINE 2010;362:1658-1661
②2004年厚生労働省調査報告(森島恒雄分担班)
③HIV感染妊婦の早期診断と治療および母子感染予防に関する臨床的・疫学的研究(主任研究者:稲葉憲之)

学生レポート、妊婦シリーズ2

これは定番、GBS。抗菌薬出すのは、分娩時っす。

妊婦のGBS(Group B streptococcus)感染

【疫学】
 妊婦のGBS感染は無症候性細菌尿、UTI、膣内感染、子宮内感染、子宮内膜症、菌血症で見られる。
 GBSは10%~40%の妊婦の膣や腸管に常在している。GBSが侵襲性に感染すると、妊婦の絨毛膜羊膜炎や流産・早産を引き起こすことが知られている。また、新生児は経産道的にもGBS感染を起こす。
1999年~2005年のCDC surveillance studyでは、約0.12%の妊婦がGBS感染をしており、この内の約半数では胎児死亡や流産、新生児感染、新生児死亡が見られた。

【スクリーニング】
 流産や早産、あるいは新生児のGBS感染を防ぐには、GBSが常在している妊婦を特定することが最重要である。
 妊婦にGBSが常在しているかどうかは培養検査で調べる。
 また、新生児のGBS感染のリスクファクターとして以下が挙げられる。
  ・分娩中の発熱(38℃以上)
  ・37週未満の早産
  ・破水が18時間以上継続
  ・過去の出産で新生児がGBS感染
  ・今回の妊娠中にGBS細菌尿
ただし感染していても1つも示さない場合もあるので、リスクファクターからのみのスクリーニングは好ましくない。
 培養検査は、すべての妊婦で、35週~37週の内に行われるのが望ましい。ただし過去の出産で新生児がGBS感染した妊婦、あるいは妊娠中にGBS細菌尿が認められた妊婦はスクリーニングを行わずに直接抗菌薬治療に移行してもよい。
 培養は、感度向上のため、直腸と膣からの2箇所の検体で行われる。感受性テストは、ペニシリン耐性菌が今のところ見られていないので、不要である。しかし妊婦が重度のペニシリンアレルギーの場合、代わりにエリスロマイシンまたはクリンダマイシンを使用するため、これらには感受性テストを行った方がよい。
培養検査には24時間~48時間かかる。
 その他のスクリーニング方法として、PCRによるものもある。これは約40分で診断可能であり、将来的に培養に代わるスクリーニング法として有効である。一部では感度96%、特異度98%という好成績を示したデータがあるが、異なる施設での研究結果が出揃うまでは使用を避けた方がよい。コスト面や利便性の改善も期待される。

【分娩時GBS感染症予防対策の適応】
 膣内のGBSは抗菌剤の投与によって除去することはできるが、投薬を継続し続けない限り再定着するため、GBS感染症に対する抗菌薬は分娩時に投与される。
 <適応例>
   ・スクリーニングで直腸または膣でGBS陽性
   ・前児がGBS感染症
   ・ 今回の妊娠中にGBS細菌尿
   ・GBS感染の有無は不明であるが、分娩時に38℃以上の発熱、または妊娠37週未満の早産、または
    18時間以上の破水のいずれかの場合
 <非適応例>
   ・前回妊娠時はGBS感染陽性であったが、前児は非感染児であり、現在はスクリーニングで
    GBS感染陰性の場合
   ・GBS感染陽性であっても帝王切開予定である場合
   ・分娩時に38℃以上の発熱、または37週未満の早産、または18時間以上の破水のいずれかの場合で
    あっても、 スクリーニングでGBS感染陰性であった場合
【予防対策】
 胎児では投薬開始から約30分で十分な血清濃度を得ることができ、母体では投薬してから約3時間で十分な抗菌作用が得られる。よって、 抗菌薬は分娩の少なくとも4時間前から開始され、分娩終了時まで継続して投与されることが望ましい。 
 regimenとしては以下が推奨される。
   ・PenicillinG (5 million units intravenously initialdose,then2.5 million units intravenously
           every four hours)
   ・Ampicillin  (2 g intravenously initial dose,then 1 g intravenously every four hours)
ただしペニシリンの方が狭い抗菌スペクトラムを持ち、アンピシリン耐性菌を生まないためにもペニシリンの使用の方が望ましいとされる。

※妊婦がPenicillinに対してアレルギーを持つ時は以下が推奨される。
  ・low risk for anaphylaxis:Cefazolin (2 g initial dose, then 1 g every eight hours)
  ・high risk for anaphylaxis :Clindamycin (900mg intravenously every eight hours)
    If the GBS isolate is resistant Clindamycin
                  Vancomycin (15 to 20mg/kg every twelve hours in patients
                        with nomal renal function)

※妊婦がスクリーニング未実施で、切迫早産の可能性がある場合、すぐにGBSのスクリーニングを行い、
 その結果が判明するまでの間、投薬を行う。もし培養結果が陰性と出た場合は投薬を中止してもよい。

         

  参考文献:Karen M Puopolo,MD,PhD, Lawrence C Madoff, MD, Carol J Baker,MD.
       Group B streptococcal infection in pregnant woman. Up to Date, 2009

       Carol J Baker,MD.
       Chemoprophylaxis for the prevention of neonatal group B streptococcal disease.
       Up to Date, 2010

学生のレポート、妊婦シリーズ1

これも学生レポート。無症候性細菌尿の治療後にフォローの培養が必要とは知りませんでした。勉強させていただいています。治療失敗があると毎月チェックなんだ、、

妊婦の無症候性細菌尿

【妊婦と感染症】
 母子感染の主な病原微生物はウィルス、細菌、クラミジア、真菌、原虫である。感染形式は時期によって胎内感染、
分娩時感染、授乳時感染に、感染経路によって経胎盤感染、上行性感染、母乳感染に分けることが出来る。妊娠中に
生じる最も一般的な細菌感染症に尿路感染症がある。
 妊娠中は粘膜のIL6や血清抗体の反応が下がる。このように妊婦は免疫系が抑圧され、さらに胎児・新生児の免疫系は未熟であることから、感染に対するリスクが大きくなる。妊婦が感染すると胎児・新生児は流産、早産、死産、IUGR、発達奇形、先天性疾患、生後持続性感染が生じることがある。

【Asymptomatic bacteriuria】
 特に症状がない人で、尿培養が陽性の場合、Asymptomatic bacteriuria(無症候性細菌尿)と呼ぶ。
 妊婦の2〜7%に細菌尿が見られる。細菌尿は、早産や低体重児、分娩異常のリスクファクターであることが知られている。感染経路や感染微生物は非妊婦の細菌尿と同じである。妊娠初期に細菌尿を呈することが多い。妊娠することによって、平滑筋が弛緩し、尿路も拡張するので、膀胱から腎臓へ上行性に感染しやすくなる。したがって細菌尿を呈している妊婦は、非妊婦より腎盂腎炎になりやすい傾向にある。
 無症候性細菌尿が適切に治療されなかった場合、約30~40%の妊婦が症候性の腎盂腎炎などに移行し、早産や敗血症の危険性が増加する。無症候性細菌尿が適切な抗菌薬により根治されれば、腎盂腎炎への移行のリスクが70~80%軽減できるため、すべての妊婦に対してスクリーニングが行われる必要がある。

<診断>
 診断は、尿培養によってされるべきである。通常に排尿された検体からの培養であれば≧10(5)cfu/mlの菌が連続して2回検出される、あるいは導尿カテーテルからの検体の培養であれば≧10(2)cfu/mlの菌が1回検出されると、細菌尿と診断される。
 当然ながら、contaminationの可能性を最小限に抑えて、偽陽性の確率を下げる必要がある。
 尿検査などの他の簡易スクリーニングでは、感度、特異度のどちらにおいても尿培養に劣るため、使用すべきではない。また、尿培養では菌を同定して治療方針に役立てることもできる。
 スクリーニング検査は、妊娠12〜16週に行われるべきである。再スクリーニングは、低リスク妊婦では一般的には行われないが、高リスク妊婦(尿路奇形、ヘモグロビンS、早産経験のある妊婦など)では考慮すべきである。

<Maternal fetal benefits>
 無症候性細菌尿の早期スクリーニングは母子にとって有益である。Cochrane reviewによると、抗生物質による治療をすることによって、無症候性細菌尿をなくし、腎盂腎炎になるリスクを軽減させ、早産や低体重児となるリスクも下げることができる。

<治療>
 治療は、short course(3日間)の抗生物質投与が効果的である。当然ながら耐性菌の存在があるので、抗菌薬の感受性テストを行い、適切な抗菌薬を選択することが重要である。
 以下のレジメンが推奨されている。
  ・Amoxicillin (500 mg orally every 12 hours for three to seven days)
  ・Amoxicillin-clavulanate (500 mg orally every 12 hours for three to seven days)
  ・Cephalexin (500 mg orally every 12 hours for three to seven days)

<Follow-up>
 治療効果判定のための尿培養は、治療完了から1週間後に行われるべきである。約30%の人は一度の short courseでは完治されない。この場合、出産まで定期的に毎月尿培養を行う必要がある。もしfollow-upの尿培養で陽性とでた場合は、同一の抗菌剤をより長く服用するか、他の抗菌剤に切り替えて再度治療する。

  参考文献:Harrison’s PRINCIPLES OF INTERNAL MEDICINE 第3版
Thomas M Hooton, MD 他 Urinary tract infections and asymptomatic bacteriuria in pregnancy.
Up To Date. last updated 18 Jan 2010

学生のレポート(ワクチン)

5年生がまとめてきたレポート。なかなかがんばりました。短い時間で。

子供のときに接種すべきワクチン                         

WHO recommendations for routine immunizationを基に作成。
◆recommendation for certain regions(ある地域において推奨されるワクチン)
(1) 日本脳炎Japanese encephalitis
①病態・感染経路
 日本脳炎ウイルスの感染により起こる急性脳炎である。日本においては、小型アカイエカが媒介蚊である。ヒトは、終末宿主であり、感染したヒトを吸血した蚊が感染することはない。ヒトからヒトへの直接の感染もない。
②症状
 感染後6~16日の潜伏期を経て、頭痛、発熱、悪心、嘔吐、めまいなどで発症する。小児では、食欲不振、腹痛、下痢などの消化器症状を伴うことが多い。これらの症状に引く続き、項部硬直、羞明、意識障害、易興奮性、仮面様顔貌、筋硬直、脳神経麻痺、四肢の振戦、不随意運動、麻痺、病的反射などが生じる。
日本脳炎患者の20~30%は死亡、約50%は精神神経に後遺症を残して回復する。小児では特に重度の障害を残すことが多い。
③ワクチン
 感染を受けて発症した場合、発熱、頭痛、脳炎症状が起こり、重篤な場合は死亡し、また、後遺症が残ることがあるので、ワクチンを用いた感染予防対策がきわめて重要である。現在、日本では不活化ワクチンが用いられている。副反応としては、アナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、血小板減少性紫斑病などがある。
(2) 黄熱yellow fever
①病態・感染経路
 黄熱ウイルスによって起こる重篤な出血熱である。サハラ以南のアフリカと南米で患者発生がある。ネッタイシマカが主たる媒介蚊である。
②症状
 潜伏期は3~6日である。典型例では、感染期、緩解期、中毒期の3段階に分けられる。突然の発熱で発症し、悪寒、倦怠感、頭痛、腰背部痛、筋肉痛、悪心、嘔吐を伴う。これらの症状はいったん消失し、緩解期となる。典型例ではその後、発熱、悪心、嘔吐、黄疸、腎機能不全、出血傾向が現れる。致死率は、10~20%である。
③ワクチン
 現在、黄熱ワクチンとして入手できるのは、17D株による生ワクチンのみである。黄熱ワクチンと非経口コレラワクチンの同時接種は避ける。(ワクチン同士の干渉で抗体産生が悪くなる。)4ヶ月未満の子供は急性脳炎発症のリスクが高く、禁忌となっている。主な副反応は頭痛、筋肉痛、微熱などであるが、急性脳炎例もある。
黄熱に対する特異的治療法はなく、感染流行地に行く場合には、ワクチンを摂取すべきである。流行国によっては、入国時に予防接種証明書(イエローカード)の提示を要求する国がある。
(3) ロタウイルスrotavirus
①病態・感染経路
 飛沫感染、経口感染で侵入したウイルスが消化管に感染する。冬季に発生しやすく、生後3か月~1歳の乳幼児に好発する。
②症状
 2日前後の潜伏期の後、突然、嘔吐と発熱で発症し、下痢をきたす。便の性状は白色で、米のとぎ汁状である。
③ワクチン
 経口生ワクチンが存在するが、日本では未承認である。ワクチンには、RRV-TV、Rota Teq、RotarixがあるがRRV-TVは副反応として腸重積が問題となり、使用中止となった。また、2010年3月22日、FDAがRotarixの接種について一時的な見合わせの勧告を出した。Rotarixのワクチン中に豚サーコウイルス1型(porcine circovirus type 1: PCV1)のDNAが検出されたためである。感染後の医療費のことを考えると、ワクチン接種による予防が有効かもしれない。

◆recommendation for some high–risk populations(ハイリスク群に推奨されるワクチン)
(1) 腸チフスtyphoid
①病態・感染経路
 菌が混入した飲食物を介して経口感染する。小腸パイエル板のM細胞へ侵入して増殖し、初期病巣を形成する。その後、マクロファージに捕えられ、マクロファージ内で増殖し、血中に入る。
②症状
 潜伏期は1~3週間で発熱を主症状とする。第1病期では比較的除脈、バラ疹、脾腫が出現する。第2病期では40度台の稽留熱、気管支炎、無欲状顔貌、難聴、心不全などが出現し、下痢と便秘が交互に出現する。第3病期では弛張熱を経て、徐々に解熱に向かう。腸出血、腸穿孔が起きることがある。第4病期では、解熱し回復に向かう。
③ワクチン
 腸チフスの予防には、飲食物の衛生管理、患者の隔離、保菌者の管理が重要だが、流行地の多くは、発展途上国であり、すぐには解決されない。流行地に行く際には、ワクチンでの予防が必要である。弱毒生ワクチン(Ty21a、経口で4回接種、妊婦には禁忌)と不活化ワクチン(Vi抗原多糖体、注射により1回接種)が存在するが、日本では承認されていない。おもな副反応は、発熱、頭痛、接種局所での発赤、腫脹、疼痛である。個人輸入を取り扱う医療機関で接種する必要がある。
(2) コレラcholera
①病態・感染経路
 水や食品を解して摂取された菌が小腸上皮で定着、増殖し、コレラ毒素が上皮細胞に作用して下痢を惹起する。
②症状
 潜伏期は、数時間から5日(通常1日前後)で、水様性の下痢を主症状とする。水様性の便は1日数リットルから数十リットルに及び、嘔吐を伴うこともあり、大量の水分が失われる。半日から1日で著しい脱水状態となる。
③ワクチン
 年間100例ほど見られるが、多くは海外渡航者による輸入例である。非経口ワクチン(不活化ワクチン)と経口ワクチン(弱毒生ワクチン、不活化ワクチン)が存在する。日本では、非経口ワクチンが用いられているが、効力、持続性の面で不十分であり、接種は勧められない。接種するのであれば、経口ワクチンを接種すべきであると考えられる。非経口ワクチンでは、接種局所での発赤、腫脹、発熱などがみられることがあり、経口ワクチンでは、腹痛や軟便を認めることがある。
参考文献
・内科学 第9版 朝倉書店
・ワクチンの事典 朝倉書店
・わかりやすい予防接種 改訂第3版 診断と治療社
・横浜市衛生研究所http://www.city.yokohama.jp/me/kenkou/eiken/idsc/disease/rota1.html

ひろゆきvs勝間に思う

僕は2ちゃんねるは見ないし、したがって投稿もしないが、ひろゆきさんの考え方にはとても共感する。おもしろいことだ。でも、よく考えてみたら、こういう表面的な矛盾は当然ありなのだと、思う。

http://d.hatena.ne.jp/wt5/20100503
http://hiro.asks.jp/68256.html

勝間和代さんは新書でデビューしたときは、上手くいっている人(と自称している人)をまねしていても仕方がない、と書いて、その考え方はとても共感できた。なのに、メジャーになってその彼女がどんどん彼女のエピゴーネンであることを薦めているのが、勝間さんの転倒と混乱を象徴していると思う。自分の世界観が世界観の全て、と考え出したときに没落が始まる。

いつも言っていることだが、感染症マネジメントの考え方も、これに近い。自分はこうする、というスタイルがある。しばしば間違ってしまうのが、「私はこうする」というのと「私がこうする以外のオプションを取るのは間違っている」を混用してしまうことである。これを間違えると、コンサルタントとしては致命的である。コンサルティーを故なく否定することになりかねないからだ。

今年の感染症学会の講演で、僕はこのような要旨をつくった。勝間和代さんは、ちょうどここでの「でわのかみ」的なピットフォールにはまっているのだと、思うのだ。

 次に、複数ある抗菌薬のどれを選択するのが妥当であるか、考える。抗菌薬の選択はしばしば「慣習」が形作る。いつも使っているから、今日も使うという論法である。しかし、目の前にA, B, Cという3つの抗菌薬を用いる選択肢がある場合、やはりベストな抗菌薬を採択したい。「Aでも治る」ではなく、なぜBでもCでもなく、他ならぬAなのか、その根拠をできるだけ明確にしたい。根拠は感受性試験や最小阻止濃度(MIC)だけが決定するわけではない。臨床の現場はしばしば複雑系に支配され、意思決定も複雑な要素を加味した総合的な判断になる。抗菌薬の選択においてもそうである。
 適切な抗菌薬を使用する阻害因子のひとつは、我々の心の中にある。「何となく不安だから」「とりあえず感染症をコントロールしたいから」「熱があるから」という理由で抗菌薬が選択される。自らの無知、バイアス、恐怖心、過去の成功体験、過去の失敗体験が我々の抗菌薬選択に影響を与えている。バイアスからまったく無縁でいることは不可能である。大切なのは「自分にバイアスがない」と頑迷に主張することではない。自分のバイアスに自覚的になり、謙虚にそのもたらす影響を自分の胸に問いかけながら真摯に一例、一例対峙していくだけなのだ。
 単に感染症を診るのが好きな医師、感染症を診るのが得意な医師と、「感染症のプロ」との違いは、自分が正しい治療法を選択できるだけではなく、他人のやっている治療の妥当性を吟味できるかどうかにある。「俺はいつも○○を使っているのに、この人は違うことをやっている。おかしい」「アメリカではこういうとき皆○するのに、ここでは違うことをやっている」
 しかし、「異なるアプローチ」と「間違ったアプローチ」は同一ではない。自らのスタイルを確立させるのは大切だが、そのスタイル以外のあり方を尊大に否定するのは危険である。そして、我々は充実したトレーニングを受ければ受けるほどこの誤謬に陥りやすい。感染症で有名な○○病院ではこうやっている、私はこうやってきた、、、、というのが○○病院でやっていることをやらないのは、間違い、という翻訳変換をされたとき、大きな大きなワナがそこには待ち受けているのである。これは、外国でトレーニングを受けたいわゆる「デハノカミ」がしばしば陥る誤謬である。

今週のMGH

4月9日のケース

Case records of the Massachusetts General Hospital. Case 10-2010. A 37-year-old woman with weakness and a mass in the brain

なかなかおもしろい答え。ただ、ディスカッサントがすでに答えを知っていたので、とても議論は雑。こんなお粗末な議論でいいの?という感じ。

数回前から研修医には英語でプレゼンしてもらっているけど、こっちでもあまり問題なさそう。学生の自主参加も増えてきた。神戸大の医学生は卒業時にはNEJMすらすら読みこなしてますよ、当然。くらいまでいけるといいけど。

パンデミックフルー、臨床まとめ

NEJM pandemic 2009 influenza review 2010;362:1708-19
- グローバル・サーベイランスについてのスペシャルリポートもついている。本号では。
- 驚くのは、リッチな国ほど見つけるのが早い、という当たり前の事実もそうだけど。むしろ日本が貧乏になったなあ、ということ。
    - per capita in USDでは、2007年アイルランド、デンマーク、スイス、スウェーデン、イギリス、オーストリア、カナダ、フランス、ドイツ、オーストラリア、ベルギー、クウェート、UAE 、イタリア、シンガポールよりも日本は貧しい。デフォルト寸前のギリシャともそう違わない。知らなかった、、、、per capitaでいうと飛ぶ鳥を落とす勢いに思えた韓国や中国なんて、まだまだなのですね。
    -
- さて、本題。特に目新しいところだけ書き出す。
    - 動物実験では、肺でのウイルス増幅は季節性より高い。ただし、病原性を高めるような突然変異は起きていない。新矢先生のNatureの論文もここに引用されている。
    - high attack rate, mostly self limited
    - attack rate 11%
    - 学校生徒のsubclinical infection a third
    - Pittsburghでは10-19歳の45% が感染
    - CFRは0.5%だが、幅は広い
        - 有症状のある人を分母にすると、米国で0.048, 英国で0.026%
        - 死亡者は若い人に多く、90%が65歳以下
        - 入院患者の9-31%がICUに
        - 一度入院してしまうと、小児の死亡率は低く、高齢者は高い。
    - 英国では家庭内感染は7−13%。小児がいると高い
        - 日本でよくされた、家庭内での感染は少ない、という議論はなかった
    - R10は1.3-1.7。季節性と同じかやや高い。ごちゃごちゃした学校だと3.0−3.6
    - リスクグループ
        - 妊婦、特に第三三半期 とくにHIVある場合。ただし、米国や南アフリカのデータ。
        - 肥満
        - 5歳未満
        - 慢性心疾患
        - 慢性肺疾患
        - 糖尿病
        - 神経疾患
        - 免疫抑制
        - 鎌型赤血球症
        - 腎不全
        - 肝不全
        - 喫煙 証明されてはいない
        - アスピリン?
        - 65歳以上。致死率高いが、罹患率低い。
        -
    - 入院するときはびまん性のウイルス性肺臓炎が多い。CURB65はアプライしないらしい。
    -
    - 治療は微妙。48時間以上立ってもタミフル効果あり。
    -
    - 入院患者でPeramivirの効果ははオセルタミビルと同じくらい。タミフル耐性ウイルスでは、ザナミビルより効かない。His275Tyr mutation
    -
既知のはなしが多かったので、結局だいぶはしょってしまった、、、、

本日のJクラブ

Timing of initiation of antiretroviral drugs during tuberculosis therapy
NEJM
2010 vol. 362 (8) pp. 697-706

NEの有名なスタディー。結核治療時にもHAARTを始めた方がよい、、、のだけれど、ちょっとつっこみどころが。

Predicting mortality from HIV-associated Pneumocystis pneumonia at illness presentation: an observational cohort study
Thorax
2009 vol. 64 (12) pp. 1070-1076

PCPの予後予測因子。日本の患者でvalidation cohortがとれればおもしろい。

地平の話と、ハンドアウトは渡さない、のはなし

昨日は川西市医師会主催の講演。抗菌薬の話をする。

スライドはいつも100枚ぐらい用意していたのを、今回思い切って20枚ちょいに減らす。しかし、実際に使ったのは5枚くらい。

これでいいのだ。対話が生まれ、議論が生まれる。雄弁=レトリックによる「説得」ではなく、対話=ディアレクティクが生じる。抗菌薬はこんな風に使いなさい、ではなく、抗菌薬の勉強が何をもたらすのでしょうね、という問題提起が生じる。句点や!で終わる文よりも、?で終わる文章の方が大人の議論が出来る。

結局、伝えたかったのは4点。

1.抗菌薬の適正使用は耐性菌対策とか何とか言うけど、あれは表向きのきれい事。抗菌薬を勉強し、目の前の患者にベストな薬を選ぶのは、証をばっちり言い当てて漢方を出すようなもので、知的快楽である。ルーチンで苦痛な風邪診療=全例フロモックス、ジェニナックではなく、英知を尽くして抗菌薬を吟味した方が、外来診療は快楽なのである。

2.感染症の重症度は熱、白血球、CRP「ではないところ」に求めたい。CURB-65の意味を考えるべき。

3.de-escalationをなぜやるのか、考える。感受性検査の読み方を考える。

4.CRPは「きっかけ」として役に立つことがある。ただし、CRPで終わってはいけない。CRPだけにすがっていると、高齢者の側頭動脈炎に抗菌薬だけ出して帰してしまうし(実話)、小児の菌血症早期をCRP陰性という理由で帰してしまう(実話)。CRPは他の情報との文脈によってのみ語ることが出来る(そして他の情報を突き詰めてしまうとCRPが必要なケースは少数派となる)。CRPを基準に抗菌薬を止めてはいけない。そうすると、CRPが下がったといって抗菌薬を切ってしまい、心内膜炎の患者が死に至る(実話)。治っている肺炎に何ヶ月も抗菌薬を処方する羽目になってしまう(実話)。

これでだいたい90分くらい。もちろん、こんな話は抗菌薬学の1%もしゃべっているわけではない。でも90分べらべら紙芝居をやっても10%もしゃべれまい。そこでその100枚あまりのハンドアウトを渡してしまうと、そこで話は終わってしまう。読み手の理解は10%で完結してしまう。

だから、絶対にハンドアウトは渡してはならないのだ。講演は遙かな地平がありますよ、ということしか示さない。地平の向こうにあるものを見たかったら、自分で足を動かしてそちらに向かうしかないのだ。もちろん、そこに行かなくたってかまわない。でも、遙かな地平の向こうが「あるにちがいない、見てないけど」という認識を持つことは出来る。天竺に向かうまえの三蔵法師のように。

参考文献は、示す。開業医の先生には「感染症外来の帰還」をお奨めしている。「感染症外来の事件簿」は学生向けに書いていた。「帰還」は外来診療医向けである。門を開いて前に歩きたかったら、これが道しるべとなる。

81079

こどもの図画教室案内(京都)@ヤー・チャイカ

http://yahchaika.exblog.jp/13631336/

むかし、飛び出す絵本ってたくさん持ってた。なぜか、かならず壊しちまう。

いろいろ

あさ、FMラジオのアンテナをチューニングする。ひさしぶりに(学生以来?)朝からNHKFMを聴く。ちょっとアンテナを動かすだけでできなかったFM聴取ができるようになる。こんなものだ。

僕はNHKラジオが大好きだ。特にFMと第二放送がよい。こういうのを聴くとNHKに投資するのも悪くないな、と思う。代わりに、テレビをほとんど見ない。新聞も読まない。朝、身支度をするときになんとなくテレビをつけていたが、これもばかばかしくなって止めてしまった。

昨日は朝からO病院でタイムマネジメントの講義。外来の後は1年生に医学序説の講義。どちらもパワポは使わない。できるだけ本質的な話を、対話を試みる。レトリックではなく、ディアレクティクを志向する。

パワポを使わないとせかさず、よりよい講義が出来たと感じる(ちと、自画自賛)。今日も医師会で講演なので、準備する。去年のスライドを見直しに見直し、スライド数は28まで減らした。これで1時間。いかに意味のないスライド紙芝居をやっていたかと、汗顔しながら反省する。これでは本当の対話なんて無理で、自説をひたすら主張することしかできない。自説を主張するだけでは、おそらくはうまく伝わらない。人の話を聞かない人に、耳を傾けたくはないものだから。こんな簡単なことに気がつくのに何年もかかった。

気づく。フィッツジェラルドの「This side of paradise」を読む。いろいろなことに、気づく。GWはこればかり読んでいた。本当はSapiraの翻訳をやらねばならないのだが、回り道してしまった。でもよかった。ワンランク上の英語にどっぷりつかったので、Sapiraも容易に読める(かのような勘違いをする)。

本ブログはもちろん、このタイトルのパロディである。パロディにしていながら、今まで読んでいなかった。だって邦訳ないんだもの。時間に余裕がないとこんな大作はじっくり読めない。このゴールデンウィークはほとんど仕事ゼロで、こいつをじっくり読んだ。実におもしろかった。英語は難しかった。単語もよく分からないことが多い。電車の中で、iphoneとi英辞郎が使えるようになったのが大きい。これで大きい辞書なしで移動しながら英語を読めるようになった。単語力が足りない。epigram, Philistine, sulkily, prerogative, dossier, gloat, effulgent, trite, pete, calisthenic, misogynist, astute, braid, auburnと分からない単語を片っ端からひく。1ページにいくつもの知らない単語が出てくる。でも、苦労の価値はあった。プリンストン大学の衒学的な環境でエゴ丸出しで生きてきた鼻っ柱の強い若者が、ついには全てを失っていく悲しい悲しい物語だ。ジャン・クリストフのようなビルドングスロマンと、言えなくもないし、「罪と罰」を想起しないでもない。若気の至りを老境の立場から俯瞰した物語とも言える。これを若干20代前半のフィッツジェラルドが書いてしまった奇跡をすごいことだと、思う。

昨日はクリプトコッカス髄膜炎のケース。ひさしぶり。墨汁染色でうまく見つけることが出来た。僕は昔、クリプトを染色でうまく見ることが出来ずしくじったことがあるので、ぐっと熱い思いがこみ上げる。須藤先生のせいで(おかげで?)衝動買いしたRicohのCX3で接写を試みるがあまりうまくいかない。カメラが良くても腕が悪い。やや遅刻して、そのままGIMカンファに突入。興奮と寝不足のままで参入したので、我ながらいけていないコメントが多かった。大いに反省。

今日は講演は午後からなので、それまでに掃除やアイロンがけや洗い物や、たまった仕事を片付ける。Sapiraを訳す。苦痛だが快楽。そんな仕事だ。読むのは快楽。日本語に直すのは苦痛。でもよい訳語を見つけるのは快楽。快楽と苦痛はほぼ同義だ。

イタリアとオーストリアのワインについてちょっと勉強する。スペイン語をちょっと勉強する。フランス語もちょっと勉強する。ラジオ第二のフランス語講座ではテグジュペリの「星の王子様」を扱っている。星の王子様は美しいバラの花を愛して慈しむが、バラにつらく扱われて旅に出てしまう(そして地球に来る)。とても寂しい気持ちになる。フィッツジェラルドを読んだあとだと、なおさら寂しい。寂しいときは勉強も仕事もはかどる。ほんと、何が幸いし、何が災いするかはよくわかんない。

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