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2010年11月

本日のJクラブ

critical care 2010;14:R98
ICUにおける前向き観察研究。アルビカンスを予測できるか、というもの。SOFAとSAPS IIはアルビカンスの方が高い。neutropeniaはnon-albicansが多い。ステロイド使用もやや多いか。でも事前に予測するのは無理。フランスのガイドラインではエンピリックにアゾールを、アメリカではカンディンを推奨しているが、やはりカンディンの方が良いのでは、とフレンチがシャッポを脱いだエテュディエ(でいいのかな?)。アウトカムや治療薬の言及がなかったのが残念。

gastroenterology 2008;135:459
HBV e抗原陽性患者のpegIFNalphaで52週間(100ug->50ug/wk)治療した場合の長期の予後。3年くらいフォロー。e抗原の陰性化がアウトカム。78週の時点で37% の陰性率が、3年くらいでやはり37%。長くフォローしてもあまりよくならない。ラミブジンを加えると、DNAとs抗原は少しよさそう。

Lancet 2010;375:475
人口呼吸に乗っている人をsedationするかどうかのスタディー。デンマークのシングル・センター・スタディー。ナースは1:1、18床で医者は2人。sedationありなしで比較。モルヒネは両者に使う。どうしても必要ならintervention群もsedation使用。人工呼吸器とICUステイがアウトカム。sedationかけないほうがよい。死亡率も低め。せん妄はは20%vs7%。PTSDやcoronary eventsは未検討。結論は1:1看護は大事、、、?

Arch Intern Med.2010;347
肺炎球菌尿中抗原のCAPの有用性。スペインの入院患者が対象、検査の仕方は任意。CAP中肺炎球菌は36.1%。そのsens/spec/pLR/nLRは予想通り。尿中抗原だけ中、75例中41例で尿中抗原を根拠にde-escalation(?)して全員治った、、、

想像力の欠如、知性の欠落(朝日新聞の「反論」に思う)

朝のニュースで、障害者の害はイメージの悪い感じだから、常用漢字に取り上げないよう圧力をかけている団体があると知った。常用漢字ではないために、テレビや新聞では「障がい者」となっているのだそうだ。(どうでもよいが、当用漢字と常用漢字の違いが分からなくて辞書で引いたが、やはりよく分からない。当用漢字表に載っているのが当用漢字で、常用漢字表に載っているのが常用漢字というトートロジーだ。その本質的な「意味」に至るとさっぱりである)

やれやれ、と思う

「海辺のカフカ」で「女性としての立場から、日本全国の文化公共施設の設備、使いやすさ、アクセスの公平性などを実地調査している」組織の二人連れの女性が香川県の小さな図書館を訪れる。そしてトイレが男女別でないこと、著者のインデックスが男女別で「男性が先で女性が後」になっていることを難じる。それに抗議する大島さんを「典型的な差別主体としての男性的男性である」と難じる。そして大島さんが実は「女性」であり、さらには男性としてのジェンダーと女性としてのセックスを持ち(性同一障害、村上春樹の表現のまま)、男性に対する同性愛者であると聞いて、口ごもって立ち去る。「典型的な差別主体」である自分自身に自覚的でないままに。

大島さんは言う。
「僕がそれより更にうんざりさせられるのは、想像力を欠いた人々だ。T・S・エリオットの言う<うつろな人間たち>だ。その想像力の欠如した部分を、うつろな部分を、無感覚な藁くずで埋めてふさいでいるくせに、自分ではそのことに気づかないで表を歩きまわっている人間だ。そしてその無感覚さを、空疎な言葉を並べて、他人に無理に押しつけようとする人間だ。つまり早い話、さっきの二人組のような人間のことだよ」

「ゲイだろうが、レズビアンだろうが、ストレートだろうが、フェミニストだろうが、ファシストの豚だろうが、コミュニストだろうが、ハレ・クリシュナだろうが、そんなことはべつにどうだっていい。どんな旗を揚げていようが、僕はまったくかまいはしない。僕が我慢できないのはそういううつろな連中なんだ」

「想像力を欠いた狭量さや非寛容さは寄生虫と同じなんだ。宿主を変え、かたちを変えてどこまでもつづく。そこには救いはない」

村上春樹同様、形式的には「間違っていない」ことをよりどころに根本的に間違っていることに無自覚な想像力の欠如、狭量さ、非寛容さを僕も嫌う。たとえば、がんワクチンにおける朝日新聞の報道だ。朝日新聞は新聞取材上のルールを守り、「有害事象」という言葉の意味を正しく使っているという根拠で自らの正しさを主張する。あたかもそれは、「障害者と書かずに、ちゃーんと障がい者と書いていますよ。私たちには何の落ち度もありませんよ」と主張するかのようだ。手続き上の表面上のルールはちゃんと守っていますよ。その辺は頭の良いプルーフリーディングのできる編集委員がちゃんと目を光らせていますよ。現場の記者の活きた記事だって我々がこのようにきちんと料理して政治的に正しい文章に直してあげますよ。コンプライアンスの遵守にかけては我々はプロなのです。素人の出る幕ではないんだよ、、、という声が聞こえてきそうである。

この問題の本質は、まっとうに患者のために医療に従事しようと努める医療者のまっとうな医療・研究行為を手続き上の揚げ足取りから読者が800万人にちょっと足りない「新聞の一面」にあげて難じるというプロとしてのディーセンシーのなさである。結婚式のスピーチで散々、新郎新婦を愚弄しておいて、「いえいえ、全然忌み言葉は使いませんでしたよ」と言い訳するようなものだ。

なんたる想像力の欠如、なんという知性の欠落であろう。

HIV検査をルーチンで?

これはいろいろ見解があるであろうコントロバーシャルイシュー。学生なので、これもこれとして尊重します。

「hivtest.pdf」をダウンロード

DDV IV阻害薬

最近話題のお薬。再勉強。

「ddvivinh.pdf」をダウンロード

ADPCKD

けっこうシストに感染を起こして悩みます。

「adpckd.pdf」をダウンロード

神経梅毒

これも難しいテーマ

「neurosyphilis.pdf」をダウンロード

HIV/AIDS患者の認知機能異常

ちょっと大変だったと思うが、まあ努力賞

「amshiv.pdf」をダウンロード

CDI診断

こちらは診断

「cdidx.pdf」をダウンロード

CDI最新の治療

学生レポート。なかなかよく勉強してる。

「cditx.pdf」をダウンロード

佐野洋子さん逝去 合掌

新聞やテレビと縁のない生活をしていてもあまり困らないが(速報性のニュースに関心がどんどんなくなっているし、大臣の失言ニュースとか見ていてもむかつくだけ=>大臣に、ではなくはしゃぐメディアに)、ときどき困ることもある。

ジュンク堂を歩いていたら、佐野洋子さんの文庫が並んでいる。それはよい。

追悼

と書いてある。ええ?

ウィキペディアをみると今月10日に亡くなっていた。前から調子悪かったのはエッセイ読んで知っていたが、とてもショックである。とてもショックである。

でも、人が死んだすぐ後でそれで商売するジュンク堂って、、、分かるけど、なんとなくなあ。

ご冥福をお祈りします。

あんこの本

 日本文学の特徴として、食べ物の描写が上手なことがあると思う。池波正太郎とかは有名だが、村上春樹にしても、いかにも食べたくなるような描写が上手。宮崎駿のアニメもそうですね。文学の王道たる英米が食べ物に淡泊なせいもあるかもしれないけれど、海外の文学でこれほど食欲をそそるものは多くない(単に知らないだけかもしれないが)。

 「あんこの本」という本を読む。美しい写真とエッセイが食欲をそそる。出ているお店を全部制覇したい衝動に駆られる。こういうお店巡りの本はたくさんあるが、なぜか「あんこ」を主題にした本はほとんど存在しなかった。その理由は、本書を読めば分かる。

あんこの本 あんこの本

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「もういちど村上春樹にご用心」と研修医向けの雑誌

内田樹先生の「もういちど村上春樹にご用心」が届いたので読んでいる。新しい原稿と前作の混成というちょっと変わった本の構成だが、こちらとしては全然気にならない。

なにしろ、僕は恐ろしく忘れっぽいからである。前に読んだはずの文章も全然思い出せない。そもそも、この本の下敷きである村上春樹の文章すら「読んだはずなのに」思い出せないことも多い。内田さんの文章はブログの再構成なことも多いが、この忘れっぽい性格のせいで同じ文章を何度でもフレッシュな気持ちで味わえる。実生活ではいろいろと困ることの多い「忘れっぽい」という僕の属性も、こういうときは(たぶんこういうときだけ)役に立つ。

ここのところ、必要あって「レジデント・ノート」「月刊レジデント」と続けざまに原稿を書いた。このような研修医向けの月刊誌にはもうさんざん書いたのでもういいでしょ、と最近は遠慮していたのだが、久しぶりに書いてみたら面白かった。前者にはQFT活用のための条件、後者では感染症診療における病歴聴取と身体診察の話を書いたが、たぶん研修医が読んだらとても勉強になるはずだ。というより、QFTの項は指導医こそ読んで欲しい。検査を「使える、使えない」という二項対立的に切る不毛な議論を脱するヒントになる(と思う)。

このような研修医向けの雑誌を快く思わない人たちがいることも認識している。文体が「軽い」し、なんとなくいけ好かない、という感じだ。

でも、文体なんて関係ないと思う。以下、「もういちど」からの内田さんが引用した村上春樹の言葉である。

  僕は本当にできるだけ、小説というものの敷居を下げて書きたい。それでいて質は落としたくない。僕が最初からやりたかったことってそれなんですよね。
 とにかく、エスタブリッシュメントみたいな小説は書きたくないし、かといって、アヴァンギャルド的な反小説的な小説というのも書きたくない。(中略)そういうものを、非知性的だ、大衆的だとばかにすることは、わりに簡単にできちゃうんですよ。(中略)
 いい小説が売れない、それは読者の質が落ちたからだっていうけれど、人間の知性の質っていうのはそんなに簡単に落ちないですよ。ただ時代時代によって方向が分散するだけなんです。この時代の人はみんなばかだったけれど、この時代の人はみんな賢かったとか、そんなことはあるわけがないんだもん。知性の質の総量っていうのは同じなんですよ。(中略)よくね、日本でも「村上が日本文学をだめにした」とか言われるんだけど。だってね、僕ごときにだめにされるような文学なんて、最初からだめだったんじゃないか、というふうに正直に言って思いますね。開き直って。

 内田さんは村上春樹の言及に全面的に賛成だし、ぼくもそうだ。「レジデント・ノート」の文体は軽いが、質の高い内容は多い(そうでないこともあるが、それはどの媒介でも同じだ)。例えば、林寛之先生のあの軽妙なコラムくらい質の高い医学的読み物を何人の救急専門医が書けるかというと、そんなに多くはないはずだ。それに、多くの臨床医はNEJMはおろか、レジデント・ノート「すら」読んでいない。

 NEJMやランセットを読まなくて良い、という意味ではない。コンテンツには多様性があった方がよいと言っているだけだ。「あれか、これか」、ではなく、「あれもこれも」というのが楽しい生き方なのである。

 マンガの感染症本なんて、、、と毒づく人もいるけど、感染症について何も読まない人のままでいるより、「何かを読んでいる」人の方がよいに決まっている。あれもコンテンツの量は厳選して、本当に大事なことだけに絞っているけれど(だから、感染症屋が好きそうなリケッチアとか輸入感染症とか、HIVの耐性メカニズムなどについては一言も言及していない)、質については全然安売りしていない(つもり)。何も読まずに熱とCRPをみて抗生剤を出している医師よりは、「熱とCRPだけみて抗生剤出しちゃダメよ」というマンガを読んでいる医師である方が、ずっとよい。

 アジアの医学教育はどんどん英語化している。韓国なんて、国内の学会ですら英語でやっているそうだ(辺境ラジオで内田さんがそう言っていた)。僕は英語が上達するのは大切だと思うが、そこまでヒステリックにやるのも何だかなあ、と思う。どうせどんなに英語で医学を勉強してもエピゴーネンが、本家のアメリカやイギリス以上のアウトプットが出せるわけではない。シンガポールやタイが医学の主流になる可能性は低い(アメリカが没落して相対的に上がる可能性はあるが、、、)。ましてや、日本が今からシンガポールや韓国を追っかけて彼ら以上のパフォーマンスを示す可能性はほとんどない。英語か、日本語か、という問いの立て方をまずやめること、、、ここから日本の歩み方が見つかるはずだ。そうすれば、日本は世界で一番豊かなコンテンツをもつ医学教育環境を手にすることができる。マジでそう思っている。ときどき、教授会だけは英語でやったら無意味な発言が減って良いんじゃないかと思うことは、あるが。

22才女性、右目が見えなくなり、おしっこが、、、、(本日のMGH)

とても勉強になった今回のケース。毎週これを英語でやって、ちからをつけるのだ(たぶん)。

大往生なんか、せんでもええやん!

週末は養老孟司さんと内田樹さんの対談を聞く。相変わらず面白い内田さんの話。養老さんに直接お会いするのは初めてだが、本で読んだイメージよりも面白かった(失礼な言い分だな)。それにしても二人とも博覧強記で、どんどん話がでてくるのはすごいな。

日本全体が高齢化、過疎化しているという養老さんの話にうなづきながら、対談のあとすこし雑談。今日本人のほとんどは病院で死んでいるから、病院にいると人の死に目に会いやすい、、、みたいな話になる。すべての人はいつかは死ぬし、そのほとんどが病院で死ぬから、僕らにとって死は日常的な風景だ。

で、思い出したのが桜井隆先生の

大往生なんか、せんでもええやん! 大往生なんか、せんでもええやん!

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住み慣れた家で死ぬということをリアルに語った本である。僕が学生時代からあこがれた徳永進先生の本に通じるリアルな感覚が本書にもただよっている。

本書では患者と死に方について語る話と、がんの告知の話がでてくるが、それについて調べたことがある。もしよかったら読んでみてください。

http://jafm.org/journal/pdf/vol14no2/14_2_18.pdf

なぜ宮崎に医師はいないのか

清山知憲先生は、東大、沖縄中部、NYと様々なことを考えながら地元宮崎に戻り、現在は政治の世界から医療を良くしようと奮闘している。彼くらい頭がクールでハートの熱い人も珍しい。著書をお送りいただいた。本の内容も著者同様に(当たり前か)、クールな現状分析と暑い将来構想がまとめられている。

http://www.kiyoyama.jp/
http://tokyoan.com/?pid=24292419

医療の世界は西高東低で関東に比べると西日本はまし、という見方もあるが、本書を読むとそれが必ずしもそうでないことに気がつく。中国地方、とくに山陰の医療過疎は深刻だし、お隣の兵庫県北部は神戸のようなぴかぴかの街からはイメージできないほどで、ほとんど山陰に雰囲気は近い。宮崎県も医師は足りず、そして減っている。

清山先生、がんばってほしいなあ。

本日のJクラブ

Long-acting neuraminidase inhibitor laninamivir octanoate (CS-8958) versus oseltamivir as treatment for children with influenza virus infection
AAC 2010 vol. 54 (6) pp. 2575-82

9才以下のインフルエンザに対するラニナミビルの効果をタミフルと比較。ソ連型H1N1はほとんどタミフル耐性でそれよりはまし。H3N2ではむしろタミフルの方が良い?微妙なスタディーだなあ。大切なのは、MRさんの説明を鵜呑みにしないことです。

Effect of acyclovir on HIV-1 set point among herpes simplex virus type 2-seropositive persons during early HIV-1 infection
JID 2010 vol. 202 (5) pp. 734-8

アシクロビルの予防スタディー続編。HIV感染ある人にアシクロビル飲ませてもHIVの予後変わらず。

Antibiotic prophylaxis in variceal hemorrhage: Timing, effectiveness and Clostridium difficile rates
WJG 2010 vol. 16 (42) pp. 5317-23

食道静脈瘤破裂の際に抗菌薬予防で死亡率が下がるが、CDI頻度変わらず。セフロキシムとフラジールを使ったことが多かった、という後ろ向きスタディー。フラジール入ってるんだから、当たり前じゃないの?とそのほか突っ込みどころ満載のスタディー

Preexposure Chemoprophylaxis for HIV
Prevention in Men Who Have Sex with Men
NEJMnov 23 2010
MSMにツルバダを飲ませてHIV感染を予防。すごいですね。日本で、、、使えるか?

ほとんど神様、マニー・パッキャオ

スポーツ観戦はたいてい好きですが、ボクシング観戦も大好きである。医者が格闘技を支持するのはよくない、という意見もあるが、僕はどちらかというとポリティカリーにコレクトな人でないので、申し訳ないが、そういう見解には同意しない(そういう立場の人がいることは否定しませんが)。

それにしても、マニー・パッキャオはすごい。すごすぎる。対するアントニオもタフだったが、最後はほとんどサンドバッグ状態だった。パッキャオは「早く試合を止めろ」とレフリーに目線を送っていた。アントニオは頭蓋骨陥没だそうで、本当に早く止めてあげれば良かった。でもまあ、男としてはパッキャオと闘って最後のラウンドまで立っていたかったという気持ちも分かる。人間、死なないために生きているのではないのだし。難しいね。むかしのモハメド・アリ対チャック・ウェブナーを思い出した(昔、ESPNクラシックで見ました)。

僕の記憶するフィリピン人って言うのはとても優しくて温厚な人なのだけど、もちろんパッキャオも紳士だけど、多分多くの人は「フィリピン人がこんなに強くていいの?」という感じだろう。そのパンチは悪魔のよう。神様が悪魔の武力を持ったようだ。マイク・タイソン全盛期の試合以来に興奮したぜ。これで現役の国会議員。どっかで聞いたような。

メイウェザーとの試合は実現するか?

抗菌薬サークル図データブック第2版

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浜田康次先生たちがお作りになった「サークル図」が新しくなって登場です。感受性だけでなく、薬価、剤型、PK/PDなどが満載でポケットに入るとても便利な内容です。これ、iapp版もでたらとてもうれしいですが、誰か作ってもらえますでしょうか???

明日は福知山で講演です。

明日は福知山市企業交流プラザで講演です。タイトルは「健康危機管理が必要な感染症、強毒性インフルエンザに備える」ですが、僕が考えたタイトルじゃないので許してください。誰もが話したことがないような言葉でお話しできればいいですが。

www.pref.kyoto.jp/chutan/whoken/.../1287024258541.pdf

本日のケース

本日はMGHではなく、インタラクティブケース。基本的なアプローチだったが、学生には有益な教育的ケースだった。それにしても、NEJMってどうしてこんなにお金あるんだろ。

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMimc1004455#figure=preview.jpg

翻訳は快楽

翻訳は快楽である。本が読めて、文章が書けて、英語の勉強ができて、これほど楽しい作業はない。

ただ、監訳はたいへん。どうして医者はこんなに翻訳が下手なんだろうと思う。ひとつは英語力不足、ひとつは日本語力不足、あるいはその両方。自分でやる方がしんどいが、精神的苦痛は少ない。

最近、良い本を発見。これは翻訳者は必読である。

英←→日プロが教える基礎からの翻訳スキル 英←→日プロが教える基礎からの翻訳スキル

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まず、英文和訳については、いままで僕が工夫してやっていた翻訳の工夫が全部プロ的に「あり」だということが確認できてうれしかった。これで堂々と文章を分割したり、省略したり、前後を変えたりできるわ。うれしいぜ。

あと、英訳のほうも面白い。不定冠詞、冠詞の使い方とか、本当に良く説明している。あと、Googleを使って「実際に使われている用法を調べる」ことなど紹介されていて、本当に納得。学生時代はコリンズコウビルドなどを使って実用されている英語を調べたりしていたけど、今はGoogleをみるのが一番だ。

翻訳は快楽である。また頑張って取っ組み合いたい。

リンゴとリンゴの和解

リンゴがドラマーのあの伝説のザ・ビートルズについて、リンゴとリンゴが和解した。このことは、「あの」リンゴがザ・ビートルズの価値を重々認めて切望したからこその和解であり、「あの」リンゴがitunesやipodの価値を認めたからであろう、、、と僕は思う。

本当に良いものは和解できる。表面的な利害を超えて。

朝日新聞の報道と、我々のあり方

 すでにいろいろなところで書いたりしゃべったりしているが、日本のマスメディアの失調が止まらない。朝日新聞のがんワクチンと消化管出血の報道は前のアシネトバクター騒ぎの時と同じ構造による失調である。しかも、それについて謝罪も反省もなく、屋上屋根を重ねるように今の治験制度やがんワクチンの解説記事を並べることで自分たちの報道の誤りをごまかそうとしている。間違った報道をするより、この女々しさ、卑怯さの方が遙かに大きな問題である。

 朝日新聞も苦しい。発行部数は落ち、シニアの職員は早期退職を勧められている。管内閣の支持率低下がしょっちゅう報道されているが、今、朝日新聞支持率調査を行ったらどうなるか、興味深いところである。

 がしかし、ここで「朝日新聞けしからん」と悪口を言っているだけでは、結局マスメディアの語り口と同じであり、彼らと同じ構造で僕らも間違えてしまう。内田樹さんが「街場のメディア論で」語るように、「○○がけしからん」という語り口そのものがメディアの語り口だからである。ミイラ取りがミイラになってはいけないのである。

 そこで、全く異なるアプローチを取らねばならない。願わくば、朝日新聞社にまだ十分な理性と知性。正義感と良心。誠実さ。そして健全な(歪んでいない)矜恃と感受性が残っていることを切に希望するものである。

 

エラスポールとALI/ARDS(メタ分析)

秋は収穫の季節である。今年一年間、仕込んだものがようやく少しずつ返ってくる。最初の収穫。

日本人は特別だから、
日本語の論文が入っていないのはけしからん、
という批判に応えて医中誌も入れたのがオリジナルなところです。そんくらいです。興味のある方はどうぞ。

http://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/49/22/49_2423/_article/-char/ja/

問題をすり替えている朝日新聞

11月10日の朝日新聞オピニオン記事、「臨床試験を考える」の福島雅典氏と朝日新聞に対する反論です。以下、許可を得て転載します。ご覧ください。手続き論を不当に非難して物事の本質をみないマスメディアの報道の構造はアシネトバクターの時と同じである。ただ、あのときはメディアは医療者の批判に呼応したが(謝罪はしなかったけど)、今回の朝日は居直っている。メディアに間違えるな、とは言わないが間違いを頑迷に認めないで問題の本質をすり替えるのは許されない。

捏造報道の正当化・議論すり替えを図る朝日新聞

医療報道を考える臨床医の会 http://iryohodo.umin.jp
発起人代表 帝京大学ちば総合医療センター 教授 小松恒彦

 11月10日に朝日新聞朝刊17面オピニオン欄に、「臨床試験を考える」と題する記事が掲載されました。これが、10/15、10/16の記事に寄せられた多数の抗議への朝日新聞社の公式回答だとするならば、朝日新聞社は我が国の臨床試験に参画される患者さん・がん臨床現場に対し与えた悪影響を全く反省していません。当該記事の誤りを認めることなく、臨床試験の制度論へと議論のすり替えを行っているからです。
 我々はここに再度抗議を表明し、当該記事の訂正・謝罪、同社のガバナンス(組織統治)体制の再構築を求め、署名募集を継続いたします。
 10月27日の署名開始以降、2週間で2700名を超える皆様からのご署名をいただいております。署名は朝日新聞社の社長及び『報道と人権委員会』(社内第三者機関)に提出いたします。

【1】論点のすり替え

 10/15、10/16の朝日新聞は、1面、社会面、社説で大きく報道し、東大医科研を糾弾しました。東大医科研は2008年10月に生じた消化管出血を、臨床試験を実施する他機関に伝えず隠蔽していた、他機関関係者が「教えて欲しかった」とコメントしていた、何故他施設に知らせなかったのか、というのが内容の骨子で、以下のように「重篤な有害事象」の「隠蔽」を行ったような印象を与えるものでした。

10/15朝刊1面 
「患者が出血」伝えず 臨床試験中のがん治療ワクチン 東大医科研、提供先に
10/15朝刊社会面(39面)
患者出血「なぜ知らせぬ」 協力の病院、困惑 東大医科研のワクチン臨床試験
10/16朝刊社説(3面)
東大医科研 研究者の良心が問われる

 しかしながら10/23以降、朝日新聞社は「薬事法の規制を受けない臨床試験には被験者保護の観点から問題があることを、医科研病院の事例を通じて指摘したものです」と大きく論点をすり替えています。
 「臨床試験の問題点」「被験者保護」を議論するのは大いに結構です。
が、今回の医科研病院の患者さんで消化管出血が生じたことを他の施設に伝えなかったとする事例を、わざわざ1面・社会面・社説に持ち出し臨床試験の制度論を論じることが適切でしょうか。しかも、後ほど再度述べるように、記事には医学的誤り・事実誤認が多数含まれており、そのことに対する多くの抗議を受けているにもかかわらず、論点をすり替えた今回の記事が出てきたことに呆れます。

【2】「被験者保護」ではなく「患者重視」を

 さて、論を転じた今回の記事で朝日新聞は、「臨床試験には被験者保護の観点から問題がある」ことを強調しています。私たちも同感であり、大いに議論していただければよいと思います。
 ただし、肝心の記事の中身が全くいただけません。朝日新聞は今回、法律や国の規制などによる「お上頼み」の「臨床研究の国家統制」を提唱しています。
しかしながら、「被験者」ではなく「患者さん」を診療している我々臨床医から見て、この考え方は言語道断です。朝日新聞記事の提唱する臨床試験の国家統制・厚生労働省の保証では、かえって患者さんを苦しめるだけだということは確信を持って言えます。
新たな治療法や治療薬の開発は、多くのがん患者さんにとって大きな願いです。
誤った報道を朝日新聞が繰り返すことで、がん臨床研究の停滞や、がん患者さんの不安の増大がさらに懸念される状況となっています。
この上、臨床試験の国家管理、原則論・原理主義を貫いた場合、日本の臨床研究はすべて停止します。朝日新聞の教条主義は、激烈な国際競争に晒されている日本のがんペプチドワクチンの臨床研究を不当に貶め、将来に取り返しのつかない禍根を残すものです。
もちろん副作用情報の共有は極めて重要です。では、副作用情報を政府に報告すれば済むのでしょうか。それによって報告する製薬企業と報告される国は免責されます。しかし現実問題として我々、現場の医師には、厚労省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)の有害事象データベースなど、ほとんど役に立っていません。医学誌を読んだり、日常的に研究会や学会に参加することで、最新の情報を入手しようと努力しています。また、皮肉なことに、我が国は政府に報告すれば、かえって情報が公開されないことがあります。薬害肝炎、エイズなど、具体例は枚挙に暇がありません。
さらに、因果関係を否定できない副作用情報すべてを、患者さんに伝えることが本当によいのでしょうか。すべての情報を伝えて、あとは自己責任と言えば、製薬企業と国は免責されます。しかし、患者さんはひどく不安にさらされます。我々医師は、患者にとって必要な情報を提供し、自己判断をサポートしたいと考えています。
 今回のがんペプチドワクチン投与後の消化管出血情報は、臨床研究者の専門医が自ら研究会を立ち上げ、情報を共有し、論文発表までして自律的に動いていました。

【3】記事捏造疑い、医学的誤りの抗議を黙殺

 11/10のオピニオン記事は、外務有識者と大牟田記者の問答記事、大牟田記者の署名記事、報道に関する無署名記事の3つから構成されていますが、医学的誤り・事実誤認に基づいた議論を繰り返しています。10/15、10/16の記事に対する当会・その他の団体の抗議に対する真摯な回答は行われていません。

 朝日新聞社の記事中では、論旨を構成する上で邪魔な、重要な事実については全て黙殺されています。以下に列挙致します。

・医科研病院の消化管出血は、膵頭部癌進行による門脈圧亢進に伴う食道静脈瘤からの出血であり、がんペプチドワクチンとの関連はなく膵癌の進行によるものと判断され、外部委員を含む治験審査委員会で審議され、問題なしと判断されていました。消化管出血がワクチン投与との因果関係が疑われる「副作用」であるかのような誤解を読者に与えることに朝日新聞は執着しています。
・消化器癌進行に伴う消化管出血は医学的常識であり、臨床研究を行う臨床医の間で周知であり、臨床試験実施の如何に関わらず、患者さん・ご家族にも説明されていること。進行した消化器癌に伴う、既知の合併症として通常説明される事象を、朝日新聞が「臨床試験のリスク」の「説明義務」ありと誤認しています。
・2008年2月に、他のがんペプチドワクチンを用いた臨床試験を実施している和歌山県立医大山上教授により、がんペプチドワクチン投与後の消化管出血が報告され、がんペプチドワクチンの臨床試験を行う臨床医の間で、情報が共有されていたこと(この消化管出血も、ワクチン投与とは関連なしとされましたが、念のために発表されたとのことです)。
・医科研病院の消化管出血は、2008年2月から遅れること8ヶ月、2008年10月であったこと。
・「患者出血『なぜ知らせぬ』 協力の病院、困惑」とされた関係者が存在しないこと。他機関関係者を全て含む研究団体であるCaptivation Networkの臨床医団体から、「『関係者』とされる人物は存在し得ない」との公式抗議が出され、記事捏造の可能性が高いこと。我々臨床医の視点からも、このコメントは非常に不自然、あり得ない内容であり、朝日新聞記者の捏造と考えます。
・記事では「東大医科研ヒトゲノム解析センターが『コラボレーター』と記載されています。これは『共同研究者』と翻訳する以外にないでしょう。医科研提供のペプチドなくして他施設で臨床試験はできないわけですから、常識的には共同研究施設です。付属病院での有害事象を医科研が他施設に伝えるのは試験物の提供者として当然ではないでしょうか。」としヒトゲノム解析センターと医科研病院を一体のものと誤認させる記載を無理矢理しているが、ヒトゲノム解析センターと医科研病院は全く別組織であること。そもそも、医科研病院と和歌山県立医大他施設のがんペプチドは全く別物であり、臨床研究としても全く別であることから、医科研病院と和歌山県立医大他施設は、共同研究者ではないこと(この点は、恣意的な解釈のもとに共同研究者と翻訳する以外にないことを記事中で認めています)。
・記事ではペプチドを複数組み合わせたり、抗がん剤と併用すると副作用がわからなくなるとしていますが、2009年9月に出された米国食品医薬品局(FDA)のがん治療用ワクチンガイダンスには、複数ペプチドの併用、抗癌剤との併用についての記載があること。
・記事ではがんの「ワクチン治療」はまだ確立しておらず、研究段階だとしていますが、米国食品医薬品局(FDA)は2009年5月に前立腺がんワクチン、Provengeを既に承認していること。以上、がんワクチンに関しては世界標準から逸脱した記事内容となっていること。
・記事では「臨床試験は法律に基づかない臨床研究に関する倫理指針で対応しているため、事実上、野放しの状態」としていますが、実際は、医師法という法律に基づき、臨床試験が行われていること。
・医学用語である「重篤な有害事象」を意図的に一般用語として悪用していること。医学用語では「重篤な有害事象」は、医薬品が投与された際に生じた、あらゆる好ましくない医療上の事象を指します。交通事故に遭っても「重篤な有害事象」となります。医科研病院の消化管出血は膵癌進行に伴う食道静脈瘤からの出血であり、外部委員を含めた治験審査委員会で審議され、問題なしとされ、自主臨床研究であったため審議終了となっていますが、朝日新聞は全く自主臨床研究とは関係のない、種類の異なるがんペプチドを用いた、実施計画も全く異なる臨床研究を行っている他の施設に、膵癌進行に伴う食道静脈瘤からの出血という「重篤な有害事象」を伝えなかったことを問題視しています。
・東京大学医科学研究所ヒトゲノムセンター長、中村祐輔教授ならびにオンコセラピー・サイエンス社は、全く無関係であるにもかかわらず記事に記載したこと。臨床試験のあり方、被験者保護を論じるために、何故本臨床試験と関係ない、2者を持ち出されたのか。

呼吸器感染症の診かた、考え方

感染症に関する本がものすごく増えてきた。雑誌の特集も含め、今後はどうやってターゲットオーディエンスや目的を明確にして、他の類書と差別化していくかが課題となっていくだろう。

そんなわけで、特定の臓器や微生物に特化した本が出るのも頷ける。これは呼吸器感染症に特化した教科書。

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とても読みやすいし守備範囲も広い。感染症ミミックの非感染症もカバーしており、とても親切。感染管理や最近のトピックについても網羅している。呼吸器内科の先生が書いた本だけあって、画像の解説が詳しいのも勉強になる。いろいろな領域の専門家がいろいろな確度からコミットしていくのはとても良いことだと思う。そこに多様性や選択制、ポリフォニーが生まれると共に、ある種のぼんやりとしたコンセンサスも得られていく。

B型肝炎ワクチンのアップデート

小委員会でこんな議論になっているようです。よく勉強してくれました。

「20101110073006.pdf」をダウンロード

これでいいのだ、地方のスポーツ

たまたま偶然、文化の日に千駄ヶ谷の近くにいて、たまたま偶然国立でナビスコカップの決勝をやっていたので立見で見た。入場料もドタキャンの人に半額で譲ってもらってラッキー。試合は非常に面白い好ゲームで、磐田が広島に勝利した。

日本シリーズも面白かった。最終戦は最後まで見なかったけど。ロッテの日本一をよしとしない人は多いだろうが、すくなくとも日本シリーズは面白かった。

スポーツライターの杉山茂樹は、地方スポーツチームの視聴率が低いことを難じている。レベルが明らかに低い早慶戦の方が日本シリーズより視聴率が高いのはおかしい、というわけだ。同じようなニュースは、他にも見た。

http://blog.livedoor.jp/sugicc402/archives/3085375.html

僕は、そもそも視聴率で価値判断をするというその思考方法そのものからそろそろ脱出すべきだと思う(もっとも、杉山氏の野球VSサッカーという対立図式は脱するべきという見解には大賛成)。

国立競技場は地元のファンであふれかえり、とても素晴らしい雰囲気だった。磐田市も広島市もサッカーファンは幸せな気持ちだろう。このようなナビスコカップの決勝を浦和やガンバのファンが喜んで見るだろうか。ニュートラルなサッカーファンでなければ見ないだろうし、彼らがニュートラルである必要は全然ない。サッカーファンでなければなおさらだ。これはヨーロッパでも同じで、自分がサポートするチーム以外は(ときにナショナルチームですら)興味を持たない。これが成熟したファンのあり方だと思う。

日本シリーズは要するに、名古屋と千葉が盛り上がればよいのだ。「視聴率を上げねばならない」という呪いにかかってしまうと、「阪神か巨人が勝たねば」という奇妙な強迫観念が生じてしまう。早慶戦はミーハーな、「古典的なテレビの視聴者たち」が見たのである。それはそれでかまわないので、鷹揚にかまえていればよいので、プロ野球ファンが危機感を持つ必要は全くない。

スタンダールが「赤と黒」を書いたとき、
To the happy few
と書いたと内田樹さんの本で知った。彼はコンテンポラリーの大衆に自分の本が理解される必要はないと考え、わずかな幸せな読者に自書が贈られればそれでよいと考えた。

僕もそう思う。広島、磐田、千葉、名古屋のチームが全国規模の人気を得る必要などどこにもない。そのようなビジネスモデルではないモデルを探せば良いだけだ。

池田信夫は、高度成長の復活に都市への人口集中が必要だと解説する。

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51497486.html

しかし、そもそも高度成長というシナリオそのものが必要な未来のシナリオなのか、僕らはクールな頭で考え直す必要がある。それを必要ないと考えれば、都市に集中する必然性もなくなる。

地方都市はどこにいっても小さな東京のようだと観光客は難じる。しかし、そのおかげで地方の人たちは昔に比べてずっと便利な生活を「東京にいずして」享受できている。コンビニがあり、本屋があり、ツタヤがあり、ファーストフードの店がある。ケーブルテレビのおかげで「島根ではニュースステーションが見られない」みたいなかつてあった格差も解消している。旅行者には悪いけれど、ぼくは地方に住む人がそこで快適な生活を送ることができるのが優先されるべきだと思う。地元の地元たる所以は、どうせ観光客の容易に目にするところにはない。

都市か、地方か、という選択をとるのではなく、「どちらに住んでも楽しく生きていける」という選択肢の存在が僕らを豊かにし、成長させる。高度成長の時代は選択肢のない時代だったのである。それだけ未熟で、視野の狭い(全力で走っているときは視野はどうしても狭くなるから)時代だったのだ。我々は右肩上がりの成長戦略をとらなく(とれなく)なることを、そうまで嘆く必要はない。

佳境

今日は徳島で学会の市民講演。いいけど、もうすこし集客努力をしたら?というわけで大きなホールで22人の参加者。しゃべっている内容、伝わっただろか?

帰りに駅の売店でSteel Ball Runを買う。うーん。佳境だが、先が読めない。僕としてはジョースター家も好きだけどツエッペリ家も好きで、なんとも悩ましい。しかし、だんだん絵が崩れてきたが、これもたぶん意図的なんですよね。

STEEL BALL RUN スティール・ボール・ラン 22 (ジャンプコミックス)

      
STEEL BALL RUN スティール・ボール・ラン 22 (ジャンプコミックス)

著者:荒木 飛呂彦

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高K血症のアプローチ

こういうのも学生時代に勉強しておくと後々役に立つのです。

「20101105163152.pdf」をダウンロード

orbital apex syndrome

これもよくまとまっていました。解剖学の勉強って大切ですね。

「20101105163052.pdf」をダウンロード

ニューモバックスについて

これはとてもよくまとまっているんだけど、ちょっとだけ間違いあり。でも、学生レベルとしては合格でいいです。

「20101105162909.pdf」をダウンロード

インフルエンザワクチンについて

これもよくまとまっていました。

「20101105162828.pdf」をダウンロード

院内肺炎の重症度分類

意外にないんですよ。CPISは重症度ちゃうしね。

「20101105162709.pdf」をダウンロード

HIVの歴史

これも難問。賢者は歴史から学ぶ。薬害についてはもすこし勉強してもらうことにしました。

「hivhistory.doc」をダウンロード

RS3PEについて

これも不明熱の鑑別なのです。

「rs3pe.pdf」をダウンロード

HAART開始のタイミング

これも難しいテーマ。英語と日本語で書いてもらいました。

「when_to_initiate_antiretroviral_therapy_in_hiv41.doc」をダウンロード

「japanesever.doc」をダウンロード

抗菌薬選択の原則

無茶ぶりですがA4一枚にまとめてもらいました。これも少々瑕疵ありだが、とてもきれい

「abx.pdf」をダウンロード

線維筋痛症の治療

難問に挑戦

「fibromyalgiatx.doc」をダウンロード

線維筋痛症について

こういう方はよく大学病院に来ます。「Fibromyalgia.pdf」をダウンロード  

グラム陽性菌の分類

学生レポートは若干間違っているところはあるんだけど、半分努力賞なので細かい瑕疵は気にしないでください。これも色がきれいなのでOKにしました(もちろん間違いは指摘はしていますが)「classification_of_gram_positive.pdf」をダウンロード

一般の方向けのエイズ情報

メディアから発信される医療情報がぐちゃぐちゃなこともあり、NHK出版の「今日の健康」で健康情報について一般向けの連載をしている。編集部が寛大で、NHKを含めたメディア批判をしても許してもらっており、原稿もほとんど修正なしでいけるので、感謝である。

今月はエイズについてのお話。ちょうど同じ号でACCの岡先生の解説もあるので、ダブルで読んでいただけるとうれしいっす。

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