本日のJクラブ
Efficacy and safety of intravenous peramivir for treatment of seasonal influenza virus infection
AAC 2010 vol. 54 (11) pp. 4568-74
ペラミビルのスタディー。健康な成人に対して。プラセボより熱が下がりやすく、ウイルスが消えやすい。耐性機構は(たぶん)タミフルと同じだが、タミフル耐性ウイルスでの検討は無し。300と600で差はなし。4日後では症状はプラセボと同じ、5日後にはウイルスも同じ。副作用は消化器症状でタミフルと同じ。でも、下痢の頻度はプラセボの方が高い。最近、日本からの論文が英文誌に出るのはとてもよいことだ。もっと若い著者もたくさん臨床論文書いてほしいなあ。
Impact of the pneumococcal vaccine on long-term morbidity and mortality of adults at high risk for pneumonia
Clin Infect Dis 2010 vol. 51 (1) pp. 15-22
カナダのCAP患者で肺炎球菌ワクチンの効果を検証。adjustしたあと、死亡率は変わりなし。まあ、そうかなあ。Cox proportional hazard modelとpropensityの違い、だれか僕に教えてください。
Effect of high flow oxygen on mortality in chronic obstructive pulmonary disease patients in prehospital setting: randomised controlled trial
BMJ 2010 vol. 341 pp. c5462
COPD急性増悪を救急搬送するときはあまり酸素を出し過ぎない方が良いという有名なスタディー。死亡率半分以下に低下。SpO2は90前後で!救命士でプロトコルを守れない人が多かったのが興味深い。行動変容って難しいですね、という話。どうしてper protocolだと統計的有意差が出ないんだろう。Nのせい?いちおう設定した200には至っているが、intervension群が66人だから、、、かな?入院後にたくさんの患者が高流量酸素が入れられている。うーん。
Age at cancer diagnosis among persons with AIDS in the United States
Annals 2010 vol. 153 (7) pp. 452-60
アメリカのHIV/AIDSと癌のレジストリーでその関係を調べたもの。1996−2007。エイズがあっても癌になる年齢は変わりない。若い人が多いので、そう見えるだけ、、、発症率は前立腺癌と大腸癌、乳がんはエイズ患者の方が少ない。肝癌、肛門癌、肺癌、Hodgkinリンパ腫は多い。エイズになるとホジキンの2峰性がなくなるのも面白い。
« 「街場のメディア論」おすすめの文章 | トップページ | 戦わないで勝つ方法その2 記者会見のあり方 »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- ブログ試験的に移行。。。(2011.01.03)
- ホメオパシー論争に関するRonzaの記事(推奨)(2010.12.29)
- HPVワクチン接種によりSLEになるか?因果関係と前後関係(2010.12.29)
- 大学病院における初期研修医のダウンサイジングを(2010.12.28)
- 多いとはどういうことか(子宮頸癌ワクチン副作用多発?)(2010.12.28)
コメント