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新聞の効用と普通の生き方と、時を越える言葉

朝からプチ大掃除をしている。思えば、社会人になって以来まともな年末年始を過ごしていない。人間としての節度と常識を身にしみさせるため、今年はちゃんと大掃除をし、車を洗い、おせちを作り、年賀状を(期限内に)書き、年越しそばを食べ、さすがに紅白を見る気にはなれないが、そのまま定型的に自堕落な正月を迎えたい。あくまで希望だけど。

片付けものをしていたら、良いものを見つけた。2009年4−5月の旧聞に属する新聞である。新聞を最近すっかり読まなくなったが、新聞の素晴らしい効能を見つけた。1年くらい寝かして読むのである。鳩山さんが民主党の党首になっている。阪神はぱっとせず、鹿島アントラーズが頑張っている。新聞のほとんどを新型インフルエンザが占めている。いろいろな記事がいろいろなことを言っている。僕もコメントしている。まあまあ妥当なコメントもあるし、「なんでこんなこと言っちゃったんだろ」という見当違いなコメントもある(反省)。

もちろん、見当違いなのは2010年暮れという未来から振り返るから「見当違い」と言えるので、2009年5月の段階で何が見当違いで何が的を得たコメントかは誰にも分からない。全ては後付けの説明である。それでも、と僕は思う。未来から振り返ってもそんなに恥ずかしくないコメントができるとよい。

トクヴィルの「アメリカの民主主義」は恐ろしい本で、1840年に書かれているのに今のアメリカの姿をそのまま描写したような新しさである。内田樹さんのブログがすごいと思うのは、何年も前に書かれた文章が本になっても全然文章が古くないことである。内田さんは過去も未来も射程に入れた文章の書き方をする。「今しか通用しない」文章は書かない。

僕は原稿の締め切りをだいたい数ヶ月前倒しで書くので(僕のタイムマネジメントの要諦です、これが)、ゲラが送られてくるまで結構時間が経つ。この寝かせる時間が長いほど、文章をうまく校正できる。寝不足でハイテンションに書き殴った文章も、数ヶ月後にクールな頭で読み直すと、また違う見方ができるからだ。そして、数ヶ月前に書いた文章を読み直してもほとんど直すところがない場合、それは割と自分では良くできた文章だと思う。

今は世界的にメディア不況でアメリカでも新聞記者がリストラにあったりしてたいへんなんだそうだ。昔は長いこと時間をかけて取材していたNYタイムズの記者も今ではやっつけ仕事で文章を書き殴らなくてはならない。アメリカ/メディアの日本化が起きているのである。医療の世界でも少しそうであるが、、、そんななか1年前の新聞記事を読む。社説を読む。リアルタイムで読むよりもたくさんの含蓄がそこにはある。時の雰囲気で気がつかなかった違和感が露わになる。ぜひ、と僕は思う。新聞記者も自分の書いたものを数年寝かせて読み直す習慣を付けるとよい。

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コメント

日本の新聞の殆どは、いわゆるワイヤー(通信社)的な”ニュース”しか報道せず、内容の吟味や社会的意義を啓蒙しようという姿はみられません

知りたい!という願望はあっても、理解したい!という能力に欠けた紙面からは、知的要求を満たす内容は生まれてきません

メディアを通じた世論形成という時代が変わり、本当の意味での市民社会(市民一人一人が考える社会)になって欲しいものです

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