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新型インフルエンザ

「公衆衛生」の特集

雑誌「公衆衛生」にパンデミックインフルエンザ2009の特集が載っている。

http://sec.igaku-shoin.co.jp/journalDetail.do?journal=33358

うーん、なんかイマイチだなあ。起こった事の説明にはなっていても、日本の本質的な問題についてはほとんど触れられていない。僕自身も一つ書いているが、この論考も読み直すともうひとつだ。もっと深く問題を考えるべきだった。反省だ。「海外との比較」を依頼されたのだが、そもそも「海外と比べて日本は」という切り方自体がすでに古いと思う。

日本の公衆衛生や疫学のあり方そのものの前時代性とまっこうから立ち向かう勇気を持たなかったのが、最大の失敗だったのじゃないかな。それをいうと非難囂々かもしれないけど。

リスコミWSも今月になった。内田樹さんもおいでになることだし、もうすこし新しい切り方でこの問題を再考したい。

まだ空席あります。

まだ若干空席がございます。ふるってご応募ください。

●第3回新型インフルエンザ・リスクコミュニケーション・ワークショップ●ご案内
Kobe University Risk communication on Influenza Virus Outbreak WorkShop III, KURIVOWS III (クリボウズIII)

 2009年、世界的な新型インフルエンザA(H1N1)感染症のアウトブレイクが起きました。リスク・コミュニケーション、クライシス・コミュニケーションの重要さが改めて確認されました。患者情報の開陳、記者会見のあり方、報道のあり方、発熱相談センター・発熱外来におけるコミュニケーションなど、全てのセクションで良質で効果的なコミュニケーションが必要とされます。
 今年も神戸大学都市安全研究センターでは、全国の感染症を担当する行政 関係、保健関係、医療、報道関係者を対象に、現場で行うリスク・コミュニケーションの実践を習得するためのワークショップを企画いたしました。名付けてKURIVOWS III。2008年、2009年に続き3回目です。今回はスペシャル・ゲストもお招きして、さらにパワーアップ。また、昨年要望があった、「リスク・コミュニケーション以外のインフルエンザの基礎知識」のおさらいレクチャーも企画しました。ワークショップなので、議論の時間もたくさんとりたいと思っています。楽しく実りの大きな会にしたいです。ぜひ、ご参加ください。なお、申し訳ございませんが、定員に限りがございますのでご応募いただいた方も御参加いただけない場合がございます。ご了承ください。

主催 神戸大学都市安全研究センター 
協力 NPO法人 HAICS研究会
会期 平成22年8月31日(火)、9月1日(水)
会場 神戸ポートピアホテル
〒650-0046 神戸市中央区港島中町6丁目10-1 TEL.078-302-1111(代表) FAX.078-302-6877    http://www.portopia.co.jp/
参加対象 全国の感染症に関係する行政、保健、 医療、報道関係者

内容(敬称略。講師、内容には変更の可能性があります)
平成22年8月31 日
===12:00より受付開始===
13:00 開会のあいさつ

第1部 復習とお勉強編
13:05 おさらいレクチャー1 インフルエンザウイルスの基礎知識 神戸大学 新矢恭子
13:25 おさらいレクチャー2 インフルエンザ診療の基礎知識 神戸大学 大路 剛
13:45 おさらいレクチャー3 インフルエンザと感染管理 神戸大学 李 宗子
14:05 休憩
14:35 サーベイランス 国立感染症研究所 実地疫学専門家養成コース(FETP-J) 具 芳明
15:45-休憩

第2部 リスコミ・プレイバック 振り返り編
16:00 臨床現場におけるリスコミ 神戸医療センター中央市民病院 林 三千雄
16:30 地方行政におけるリスコミ 神戸市保健所 白井 千香
17:30 日本のリスコミ、世界のリスコミ 近畿医療福祉大学 勝田 吉影
18:00 休憩
18:10 総合討論 2009年のパンデミック リスコミ的に振り返ると
司会 岩田健太郎 特別ゲスト 神戸女学院大学 内田 樹
19:20 意見交換会 記念撮影

平成22年9月1 日
第3部 アップグレード編 明日からどうする?
8:30 コーチングとコミュニケーション  佐々木 美穂
10:00 休憩
10:10 リーダーシップとは何か 岩田健太郎 洛和会音羽病院 土井朝子
11:10-総合討論とまとめ
12:00ー閉会の挨拶 修了書授与

参加費  35,000円(宿泊費込み)              当日受付時にお支払ください。
申込方法  下記の項目に記入の上、e-mailでお申込ください。
定員 60名(7月9日に選考結果をお伝えします)
締め切り 平成22年7月2日(木)
申込先 新型インフルエンザ・リスクコミュニケーション・ワークショップ事務局
    担当:鍵田祐子(神戸大学附属病院感染症内科)
TEL:078-382-6297                         
e-mail:kurivows@gmail.com

平成22年8月31日より開催される第2回新型インフルエンザ・リスクコミュニケーション・ワークショップに参加申込します。
フリガナ:
氏名:
所属施設:
役職:
志望動機:
その他御質問など:
お知らせいただきました個人情報は当研究会活動の目的のみに使用し、第三者に開示することはありません。

別のところでも総括

高山、石川、平川さんの元厚労官僚の新型インフルエンザ総括が日系メディカルオンラインに載っている。大変参考になる。僕らの総括会議よりも的確なポイントを突いているところも多い。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t093/201005/515245.html

総括会議でも僕は厚労官僚の見解や分析を聞きたくて、それを要望したのだけれどこれは却下された。まあ、こういうところでアウトプットがあればそれでよいのだろう。

兵庫県、国での総括をいちおうやったのだが、さて、例えばメディアとかは自らの振る舞いをどう総括しているのだろう。するのかな、そもそも

新型インフルリスコミWS KURIVOWS IIIのご案内

マルチポストで失礼します。神戸大学の岩田健太郎です。以下、ご案内です。転送・転載自由です。ぜひご参加ください。

●第3回新型インフルエンザ・リスクコミュニケーション・ワークショップ●ご案内
Kobe University Risk communication on Influenza Virus Outbreak WorkShop III, KURIVOWS III (クリボウズIII)

 2009年、世界的な新型インフルエンザA(H1N1)感染症のアウトブレイクが起きました。リスク・コミュニケーション、クライシス・コミュニケーションの重要さが改めて確認されました。患者情報の開陳、記者会見のあり方、報道のあり方、発熱相談センター・発熱外来におけるコミュニケーションなど、全てのセクションで良質で効果的なコミュニケーションが必要とされます。
 今年も神戸大学都市安全研究センターでは、全国の感染症を担当する行政 関係、保健関係、医療、報道関係者を対象に、現場で行うリスク・コミュニケーションの実践を習得するためのワークショップを企画いたしました。名付けてKURIVOWS III。2008年、2009年に続き3回目です。今回はスペシャル・ゲストもお招きして、さらにパワーアップ。また、昨年要望があった、「リスク・コミュニケーション以外のインフルエンザの基礎知識」のおさらいレクチャーも企画しました。ワークショップなので、議論の時間もたくさんとりたいと思っています。楽しく実りの大きな会にしたいです。ぜひ、ご参加ください。なお、申し訳ございませんが、定員に限りがございますのでご応募いただいた方も御参加いただけない場合がございます。ご了承ください。

主催 神戸大学都市安全研究センター 
協力 NPO法人 HAICS研究会
会期 平成22年8月31日(火)、9月1日(水)
会場 神戸ポートピアホテル
〒650-0046 神戸市中央区港島中町6丁目10-1 TEL.078-302-1111(代表) FAX.078-302-6877    http://www.portopia.co.jp/
参加対象 全国の感染症に関係する行政、保健、 医療、報道関係者

内容(敬称略。講師、内容には変更の可能性があります)
平成22年8月31 日
===12:00より受付開始===
13:00 開会のあいさつ

第1部 復習とお勉強編
13:05 おさらいレクチャー1 インフルエンザウイルスの基礎知識 神戸大学 新矢恭子
13:25 おさらいレクチャー2 インフルエンザ診療の基礎知識 神戸大学 大路 剛
13:45 おさらいレクチャー3 インフルエンザと感染管理 神戸大学 李 宗子
14:05 休憩
14:35 サーベイランス 国立感染症研究所 実地疫学専門家養成コース(FETP-J) 具 芳明
15:45-休憩

第2部 リスコミ・プレイバック 振り返り編
16:00 臨床現場におけるリスコミ 神戸医療センター中央市民病院 林 三千雄
16:30 地方行政におけるリスコミ 神戸市保健所 白井 千香
17:00 メディアにおけるリスコミ 医療ジャーナリスト 伊藤 隼也
17:30 日本のリスコミ、世界のリスコミ 近畿医療福祉大学 勝田 吉彰
18:00 休憩
18:10 総合討論 2009年のパンデミック リスコミ的に振り返ると
司会 岩田健太郎 特別ゲスト 神戸女学院大学 内田 樹
19:20 意見交換会 記念撮影

平成22年9月1 日
第3部 アップグレード編 明日からどうする?
8:30 コーチングとコミュニケーション  佐々木 美穂
10:00 休憩
10:10 リーダーシップとは何か 岩田健太郎 洛和会音羽病院 土井朝子
11:10-総合討論とまとめ
12:00ー閉会の挨拶 修了書授与

参加費  35,000円(宿泊費込み)              当日受付時にお支払ください。
申込方法  下記の項目に記入の上、e-mailでお申込ください。
定員 60名(7月9日に選考結果をお伝えします)
締め切り 平成22年7月2日(木)
申込先 新型インフルエンザ・リスクコミュニケーション・ワークショップ事務局
    担当:鍵田祐子(神戸大学附属病院感染症内科)
TEL:078-382-6297                         
e-mail:kurivows@gmail.com

平成22年8月31日より開催される第2回新型インフルエンザ・リスクコミュニケーション・ワークショップに参加申込します。
フリガナ:
氏名:
所属施設:
役職:
志望動機:
その他御質問など:
お知らせいただきました個人情報は当研究会活動の目的のみに使用し、第三者に開示することはありません。

パンデミックフルー、臨床まとめ

NEJM pandemic 2009 influenza review 2010;362:1708-19
- グローバル・サーベイランスについてのスペシャルリポートもついている。本号では。
- 驚くのは、リッチな国ほど見つけるのが早い、という当たり前の事実もそうだけど。むしろ日本が貧乏になったなあ、ということ。
    - per capita in USDでは、2007年アイルランド、デンマーク、スイス、スウェーデン、イギリス、オーストリア、カナダ、フランス、ドイツ、オーストラリア、ベルギー、クウェート、UAE 、イタリア、シンガポールよりも日本は貧しい。デフォルト寸前のギリシャともそう違わない。知らなかった、、、、per capitaでいうと飛ぶ鳥を落とす勢いに思えた韓国や中国なんて、まだまだなのですね。
    -
- さて、本題。特に目新しいところだけ書き出す。
    - 動物実験では、肺でのウイルス増幅は季節性より高い。ただし、病原性を高めるような突然変異は起きていない。新矢先生のNatureの論文もここに引用されている。
    - high attack rate, mostly self limited
    - attack rate 11%
    - 学校生徒のsubclinical infection a third
    - Pittsburghでは10-19歳の45% が感染
    - CFRは0.5%だが、幅は広い
        - 有症状のある人を分母にすると、米国で0.048, 英国で0.026%
        - 死亡者は若い人に多く、90%が65歳以下
        - 入院患者の9-31%がICUに
        - 一度入院してしまうと、小児の死亡率は低く、高齢者は高い。
    - 英国では家庭内感染は7−13%。小児がいると高い
        - 日本でよくされた、家庭内での感染は少ない、という議論はなかった
    - R10は1.3-1.7。季節性と同じかやや高い。ごちゃごちゃした学校だと3.0−3.6
    - リスクグループ
        - 妊婦、特に第三三半期 とくにHIVある場合。ただし、米国や南アフリカのデータ。
        - 肥満
        - 5歳未満
        - 慢性心疾患
        - 慢性肺疾患
        - 糖尿病
        - 神経疾患
        - 免疫抑制
        - 鎌型赤血球症
        - 腎不全
        - 肝不全
        - 喫煙 証明されてはいない
        - アスピリン?
        - 65歳以上。致死率高いが、罹患率低い。
        -
    - 入院するときはびまん性のウイルス性肺臓炎が多い。CURB65はアプライしないらしい。
    -
    - 治療は微妙。48時間以上立ってもタミフル効果あり。
    -
    - 入院患者でPeramivirの効果ははオセルタミビルと同じくらい。タミフル耐性ウイルスでは、ザナミビルより効かない。His275Tyr mutation
    -
既知のはなしが多かったので、結局だいぶはしょってしまった、、、、

ついにカミングアウト 新型インフル総括会議

新型インフル総括会議についてブログで書く内容はあまりない。議事録読んでください、という感じである。詳細な議事録がオフィシャル、アンオフィシャルに 出ている。参加者もTwitterで実況中継されていることは承知なのだ。第三回にして議論が噛み合い、深まってきた。繰り返し対話することには大きな意 味があると思う。

取材依頼も多いが、全部断っている。議事録読んでください。そこには僕の言いたいことが書いてある。

報道が間違っていることもある。僕はサーベイランスを厚労省「か」感染研に一元化せよ、とは言っていない。感染研に一元化せよ、と言っている。
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/27435.html
サーベイランスはプロのサーベイヤーの仕事であり、素人である官僚が多忙な時間を削って手弁当でやるべき仕事ではない。そのために必要なのは感染研、情報 センターの質的、量的強化である。第二回でも第一回でもそのことはコメントしたが、スルーされた。3回目にしてようやくこのことが岡部先生含め多くの方か ら発言された。ポリフォニーである。同じことをたくさんの人が言うことが大事である。決してあきらめたり、しらけたりしてはいけない。事実、会議そのもの も空気が変わりつつある。

上田さんが発言したのも、よかった。前から言っているように厚労省の役人はもっと発言すべきである。言いたいことがあれば、きちんと申し立てればよい。今 回の会議は議事録に残り、公開される。財務省や総務省もきちんと批判されている。上田さんは厚労省が危機管理の素人であり、その業務にふさわしくないこと をカミングアウトした。質的、量的人材不足で必要な仕事が出来ていないこともカミングアウトした。これでいいのだ。厚労省の無謬神話と、それから派生する 厚労省悪玉説、陰謀説という古典的アメリカン・コミックの世界観から一歩前進である。

しかし、その一方で厚労省の作った資料はいただけなかった。ああいう恣意的で、言い訳、ご都合主義、自分の立場ばかり強調する資料を資料作り屋がやるのは ルール違反であり、非紳士的であり、見苦しい。ほとんど、資料のねつ造と言っても良い。事前に水際対策のガイドラインを熟読していなければ、たいていの参 加者はころっとだまされてしまうだろう。

水際対策に意味があるか、ないかという二者択一の議論はよろしくない。しかし、水際対策のガイドラインには「基本方針」として、以下の2点「のみ」が記載 されていたのである。

基本方針

・新型インフルエンザに感染した又は感染したおそれのある者(以下「感染者」とい う。)の水際での侵入防止を徹底し、国内でのまん延を可能な限り防ぐこと
・帰国を希望する在外邦人の円滑な帰国を実現すること

「水際対策」が第一号の患者を発見したとき、すでに国内流行は起きていた。理論的にも「水際対策」で感染者の侵入防止は不可能である。そして、在外邦人の 「円滑な帰国」は実現できたとは言い難い。こういうことは率直に認めた方が勝ちなのである。「すりぬけられるのはおりこみ済みでした」なんて女々しい言い 訳をしてはいけない。まあ、言い訳をするのはよいとしても、言い訳「だけ」をして、あたかもすべてはシナリオ通り、みたいな印象を与える卑怯な資料を作っ てはいけない。僕はたいていの個々の官僚は嫌いではないが、こういうイヤらしいことをやる官僚は嫌いである。厚労省の作る資料は製薬メーカーの資料みたい に恣意的で信用できないから(信用は一回失うと取り戻しにくいのだ)、ものすごく集中して読む必要がある。だから、会議の後は疲労困憊だ。

今回、電話会議はできないとのことで昨夜は遅くに東京から帰宅。今日も東京で会議のはしごで、今はまた新幹線の中。でも、自宅で充電したからわりと元気。

消化不良

あれです。会議は本来、苦手なのだ。そのことを痛感した一日。短い時間で無理矢理コメントを引き出すのは、民放のバラエティ番組と同じ。これでは議論は深まらない。空回りする意志。進まない議論。

前回の会議の続きをやる、という話だったのが突然キャンセルだったので、うまくコメントできず。自分の振るまい方にも大いに反省の残る会だった。以下、用意した原稿。

広報の問題は、厚労省と感染症情報センターとの関係性の問題でもある。このような本質的な問題をほったらかしにしていてよいわけではない。なぜ、アメリカやオランダや香港にはCDC的な組織があり、日本にはないのか、もうすこし考えてみる必要がある。それを払拭すれば、今日議論した問題のほとんどは解決するはずなのに。

========

前回の会議の時、正林さんの報告と尾身先生のステートメントを拝聴して私は強い懸念を感じました。それは、その長い長いステートメントの端々に、私たちの対策は正しい、というメッセージを感じ取ったからです。私たちは正しかった、ちゃんとアウトカムも出ている。あの当時全てのことは予見されていた、われわれはさいしょからすべてわかっていた、すべては正しく準備されていた、目標も達成できた。このような強いメッセージがこめられたステートメント。そのように私には聞こえました。

ヘーゲルの昔より、本来検証とは否定から始まります。自分たちは間違っていたのではないか、ここがおかしかったのではないか、正しいと思っていたことは勘違いだったのではないか、我々の功績と信じたことは単なる偶然、まぐれだったのではないか。このように徹底的な否定的、批判的、弁証法的な態度でものごとを見つめるのが「検証」のはずです。しかしながら、会議の初回にすでに全面肯定的な結論めいたステートメントがなされるということがあってよいのでしょうか。ましてや尾身先生はもしメディアの報ずるところが正しいのであれば、初回の会議に先立つ記者会見でも今回の対策は成功だった、という内容のコメントをされています。

通常、検証の後で結論です。最初に結論ありきの検証は検証ではありません。検証ごっこ、たんなるアリバイ作りになってしまいます。

われわれここにいるメンバーのほとんどが論文の審査をなさっていることと思います。論文の審査をするときに、「とりあえずこのペーパーはアクセプトすることになっているから。その前提で審査してね」と審査委員長に言われたらみなさんはどう思いますか?そんなバカな話があるか、と思うのではないでしょうか。審査は通常、疑いの目を持って見つめられます。文章が言いすぎになっていないか、交絡因子はないか、結論がおおげさになっていないか、データの解釈がまちがっていないか、前後関係と因果関係を勘違いしていないか、厳しい目で、批判的な目で審査するはずです。

そもそも論で申し上げるのならば、通常論文審査は論文執筆者自らが行うものではありません。通常は第三者が行うべきもののはずです。この会議のメンバーのほとんどは対策の当事者であります。それを当事者であえて総括をやるというのであれば、なおさらのこと自らを律し、より厳しい目で自らの行いを振り返る必要があるのではないでしょうか。前回の会議における数々のコメントはそういう厳しさを欠いた非常に甘いものでした。もし、このような甘えの構造が続くのであれば、議長と岩本先生、伊藤先生など当事者でなかったメンバー以外は全部取り替えて第三者で検証をやりなおすべきです。

死亡者が少なかったからよかったのではないか、アウトカムが出ているではないか、と安易に言ってはいけません。死亡者が少なかったことはもう分かっています。しかし、そもそも死者が少なかったことをよりどころにすべての議論がちゃらになるのであれば、この会議のレゾンデートルそのものがなくなってしまうのではないでしょうか。

日本は新生児死亡率、平均余命などを考えると世界でもトップレベルの健康指標のアウトカムを持っています。しかし、その一方で、「医療崩壊」というおぞましいキーワードが象徴するように医療の現場はぼろぼろです。「日本人は外国人より健康だから、いまのまんまでいいじゃん」なんてのんきなことを考えている人は、ここには一人もいないはずです。さすがに今では、厚労省の皆さんもそんな幻想を信じてはいないはずです。なぜならば、そのアウトカムはぎりぎりのところで、非常に危うい体制のなかで歯を食いしばりながら、やっとこさひねくりだしたものだからです。将来にわたって維持できるとは考えづらい状況だからです。現場にいる人間は全てそれを知っている。

SARSで日本に患者が出なかったのは何故でしょう。日本の対策が上手くいったからでしょうか。そういう側面もあるでしょうが、まぐれ、という要素も多分にあったはずです。香港はあのときSARSでたくさんの死者を出し、非常に痛い目に遭いました。そのときの教訓が骨身にしみて、2009年7月に私が視察にいったときには非常に堅牢なインフルエンザ対策を、日本よりも遙かに安定した対策をとっていました。結果オーライだった日本がやらなかったことをすべて香港ではやりました。おなじミステイクを、ここでおかすべきではありません。

尾身先生は過日の会議で、メールや電話ですべてのセクションと連絡を取り合って事情は全部ご存じだとおっしゃいましたが、失礼ながらそれは違います。先生がお話になったのは学会のトップだとか病院のトップだとか、いわゆる「偉い人」たちとの対話のはずです。実際にワクチンを接種された方、1日300人以上の患者が来た病院のドクターやナース、数十時間ぶっ続けで軽症の患者の入院ケアをした医療者、1時間に100件の電話を受けた相談センターの職員の生の声をどれだけ聞いたというのでしょう。

我々は正しかった、という前提でこの会議をし、総括をするということは、次に新興感染症がやってきたときに「同じことをやろうぜ」、ということを意味します。僕は、去年と同じことをまた繰り返せと言われたら、「冗談じゃないぜ、勘弁してくれよ」、と思います。おそらく、多くの現場の方は同じことを考えるはずです

昨年7月、輸入ワクチンを導入するか否かを検討した会議において、私は尾身先生や正林さんたちの前でこのように発言しました。ワクチンは輸入すべきであると。それが正しい選択という補償があるからではなく、逆に間違えるよりましだからだと。ワクチンが必要なのにワクチンがない状態は最悪である。しかし、ワクチンが不要であって間違って輸入してしまったのなら、ここにいる専門家がみんなで頭を下げてごめんなさいと言えばよいのだ。このように申しました。

誰だって間違いはやらかします。プロも例外ではありません。私はプロとして、自分が間違えることそのこと自体は恥ずかしいとは思いません。率直に間違いを認め、反省し、その反省を活かして明日から頑張るのみです。しかし、自分が間違っている可能性を頭から否定し、頑迷に正当性を主張し、私は悪くなかったと言い張るのは、これはプロとしてとても、とても恥ずかしい態度であります。

われわれがここでやるべきは検証であって、感傷に浸ることではありません。おれたちこんなにがんばったよな、会議も夜を徹してやったよな、というのは夜仲間と一杯やりながら語り合えばよいのです。この場で私たちは全ての甘えを捨てなければいけません。クールで冷徹な頭と、熱い正義感に満ちたハートを持って検証を行うべきです。

新型インフルエンザの問題で、ひとつ肯定的にとらえてよいことがあります。それは、今回の問題を通じて、新型インフルエンザという一疾患を通じて、日本の感染症界全体についての問題点が浮かび上がったことです。そしてそれを国民レベル、メディアを巻き込んだ大きな議論に消化できたことです。たとえば予防接種です。過日、上田局長は「不退転の」決意で予防接種のあり方を見直すと断言されました。厚労省がここまで踏み込んだ決意を示すのは私が知る限り初めてのことです。そのことを私は大変喜ばしいと思ったのです。

ここがチャンスです。ルビコン川を渡るべき分岐点です。ここで新型インフルエンザを通じて我々が改善すべきポイントをみんな出し切るべきなのです。それを、まあ、よかったんじゃない?的にお茶を濁して、改善のチャンスを自らつぶすような愚かな選択をしてはなりません。

検証は過去に対して行うものですが、過去のために行うものではありません。それは未来のために行うのです。次回、また新たな感染症がやってきたときに、日本でもっともっとましな対応ができるように、一所懸命考えるのがこの場のはずです。そして、叡智に満ちたこのメンバーであれば、それができると私は信じたいのです。

最後に、誤解のないように蛇足ながら申し上げますが、私は尾身先生の高潔で優しいお人柄をみじんにも疑っていません。なにしろ、学生時代からのアイコン、ヒーローですからね。15年前、まだ学生だったときにマニラで初めて尾見先生にお目にかかり、あつく国際保健の未来を語る姿は今でも覚えています。しかしながら、本会議に限定するならば、その議論の進め方に看過しがたい問題点を感じているだけです。日露戦争の乃木将軍ではないですが、人物の高潔と方法の正しさとを混同して論じてはなりません。分断して論じるべきだと申し上げているのです。

以上です。

新型インフルエンザをまだ、考える

日本では新型インフルエンザに罹患した人が(罹患、の定義にもよるが)だいたい、2000万人くらいである。これを書いている時点で、死亡者が200人くらい。(いわゆる)致死率はしたがって、10万人にひとり、0.001%となる。それにしても厚労省のHPはこの1年で本当に見やすくなった。すごい進歩ですね(うちのHPが全然進化しないのとえらい違いだ、、、)。

アメリカでは罹患者が(だいたい)6000万人くらい。死者が12000くらい、である。致死率は0.02%、日本の20倍となる。

これが、なぜ起きたのかは、よく考えてみる必要がある。

少なくとも、致死率そのものは検疫や学校閉鎖で低くなることはないと思う。率ですからねえ。理屈は付けることができるけど、少なくとも証明は無理だろう。いずれにしても寄与するところは小さいに違いない。

では、タミフルか?タミフルが、死亡率減少の全てである、という理屈を僕は受け入れることに困難を感じる(証明は、今はできないけど)。感染症において一つの要素が要素の全て、はまれだからである。アメリカと日本では交絡因子が多すぎて、大きすぎて、そのような結論を導くのは困難だからである。不明確な要素が多すぎる。不明確なものは「分からない」と言うのが誠実な態度だ。分かったふりはしてはいけない。

仮にタミフルが以上の結果をもたらしたとすると、ARRは0.02-0.001=0.019、NNTは5000人以上となる。そういうものだろうか???

アメリカでは重症例でもタミフルを飲んでいないものもいた。死亡率の高いところにインターベンションをかければ、死亡率は低くなる。ここではないか?外来で元気にしている患者全てに、(感染症学会が言うように)タミフルを処方する。死なない人に薬を出して、果たして死亡率が下がるものだろうか?

ちなみに、ちょっと練習問題としてRで遊んでみました。
x <- matrix(c(19999800, 200, 59988000, 12000), nc=2)
> chisq.test(x)
    Pearson's Chi-squared test with Yates' continuity correction

data:  x
X-squared = 3550.115, df = 1, p-value < 2.2e-16

 アメリカでの死亡率は、確かに日本のそれよりずっと高い。まあ、厳密には上限下限などいろいろな条件で入力するべきだが、たぶんボトムラインはかわらんだろう。
 これは発症者のうちの死亡者のデータである。疾患の予後に関するデータである。ここが大事である。
 かつて、アメリカと日本の健康指標の違いは医療の質の差というより生活環境や社会の仕組みの違いじゃないか、という意見を聞いたことがある。それは、一理ある。まあ、医療制度も社会の仕組みなので線引きは難しいが、いずれにしてもアメリカの医療は新型インフルエンザ診療において日本ほどのアウトカムを出していないことが、明々白々である。ここまでは、よいだろう。我々がアメリカ的価値観でもし医療を切るのであれば、大事なのはアウトカムだ。そういう観点から行くと、かつてどこかであったようにアメリカ医療の模倣が理想、ということはインフル診療という観点からは絶対にあり得ない。
 そんなことは僕はメールマガジンで10年も前から言っていたのだが(それをまとめたのが「悪魔の味方」)、いまだに「岩田はアメリカシンパで、日本をアメリカのようにしようとしている」という陰謀説が後を絶たないので非常に迷惑している。そういうことを言う人に限って、僕の本を読んだこともなければ会ったこともない奴らだ。経歴だけ見て人を判断しようとするから、そうなる。履歴書でその人物が分かることはほとんど(絶対とは言わんが)ない。加えて、高齢者はしばしば頑迷で、一度信じ込むとどんなに口を酸っぱくして否定しても全然聞いちゃくれない。もともと人の話を聴くのが嫌いな人も多い。
 ケナンの「アメリカ外交50年」や、ハルバースタムの「ベスト&ブライテスト」を読むと、アメリカが「思い込み」と「ヒステリー」で戦争をしかけてしまうことが多いのが分かる。ヒステリーと思い込みでスペインと戦争をし、ベトナムで戦争をして、(最近は)イラクを攻め込んだ。思い込みが強く、ヒステリーに陥りがちで、雰囲気でものを決めて、人の話を聴かない。日本とアメリカは、意外に似たもの同志なのですね、たぶん。

新型インフルエンザ・リスクコミュニケーションWSアンケート

昨年RCWSに参加された皆様へ

アンケートの集計が私の怠慢から大変遅くなりました。誠に申し訳ございません。いただいたフィードバックを参考に本年もより改善した形でWS開催したいと思います。追ってご案内しますので、そのときは是非ご参加ください。

8月25日                                 
リスクコミュニケーションとは何か      岩田健太郎
役に立った   普通    役に立たなかった  その他
  50      14     0             1
病院におけるリスク・コミュニケーション ミニ・レクチャー 岩田健太郎
役に立った   普通    役に立たなかった  その他
 56       8       0            1
病院対応で困ったこと 体験談 横浜市立市民病院 倉井華子
役に立った   普通    役に立たなかった  その他        
47                 17     1            0
ワークショップとロールプレイ 発熱外来での対応
役に立った   普通    役に立たなかった  その他
55        10      0            0
電話対応の基本   佐々木美穂
役に立った   普通    役に立たなかった  その他                    54        11     0             0
ロールプレイ 電話対応
役に立った   普通    役に立たなかった  その他
45        19     0            1
地方行政の立場から 神戸市保健所  白井千香
役に立った   普通    役に立たなかった  その他
34        29     1             1
懇親会と振り返り

26 日
リスクマネジメントの基本と報道公表 神戸大学 江原一雅
役に立った   普通    役に立たなかった  その他
45        13     2             0
報道とリスク・コミュニケーション 近畿医療福祉大学 勝田吉影
役に立った   普通    役に立たなかった  その他
44        16     0             0
-中央行政の立場から 厚生労働省新型インフルエンザ対策推進室 石川晴巳
役に立った   普通    役に立たなかった  その他
56        3      1             0

1日目 新型インフルエンザについて
- 現在でも、新型インフルエンザ発生の対応に追われています。しかし対応している者は、病院内でも一部であるように感じています。他の機関も同じのようで、なぐさめ合うことができました。
- 集団サーベイで動向調査になりましたが、集団という概念があいまいだと感じます。
- 今秋の動向に注目です。ワクチンの問題も急務です。
- 情報の整理の必要性と、相手への情報の伝えかたの工夫を今後活かしていきたい
- パンデミック時に患者さんに対してどう対応していくかなど不安な部分があるため、早めに国として対応を決定して欲しいと思います。
- いろんな立場の’専門家’がいろんな意見を好き勝手にしゃべるのは苦々しく思ってました。本日のWSとは直接関係ありません。
- 何も分かってない、と理解するのが大事なのかな、、、
- 実際発熱外来開設はなく、大変さは(忙しさ)実感しなかったのですが、今回講演を聴き、当院でもマニュアルを元にしたトレーニングが必要と思った。
- 個人的には、診断治療について共通の情報を各医療機関で持つことが混乱を避ける最善の道と考えます。具体的方策に関しては自身の中で答えはありませんが
- 県、市、医師会での対応が統一されていなかったため、現場は困りました。行政から毎日FAXが届き(夜中も)、何をすればいいか、情報整理が困難です。
- 基本を見つめ直す機会であったと思うし、基本が試された機会であったと思う。
- 企業の中には新型インフルエンザと鳥インフルエンザが混乱していて対応が過大になってしまっている。
- 新型インフルエンザについてはH5を想定したガイドラインをどのようにH1に適応させるかに時間を要したと感じております。
- 情報の混乱、マスコミの先走りなど新たなパンデミックのシミュレーションとなった経験であったと思います。
- 対応の表と裏を聞いたように思いました。これを活かして、秋に向けて一般HPにも情報公開お願いします。
- 日々情報がマスコミを通じて流されている。市民にはそれを見て対応したり不安を感じたりしている。治療もそうだが啓蒙活動も草の根でする必要がある。
- 実際の話、対応について聞けて良かったです。
- 行政や国の方針、病院の方針など様々な方針や情報がかみ合わず現場のマニュアル作成に苦労した。そのような場面でリスクコミュニケーションを活かしていけたら今後の対応に応用できると思う。
- 発熱外来において担当する医師などのスタッフのモチベーションを使えるように、行政や病院が行うかの策を検討する必要がある。
- 具体的にいろいろ工夫された方がわかりためになりました。現在多くの患者さんがいるので参考にしたいです。
- 私の所は今のところ目立った混乱はなく、今日のワークショップがぎりぎり間に合ったと感じます。
- 季節性の対応に変えて欲しい。県、国、市など役所に感染症の専門家をおいて欲しい。
- 現状についても聞きたかったです。
- 方針が決定していないことが多いと感じるので、情報を自分から取りに行かなくてはいけないと痛感した
- 行政機関と具体的にどのようにコミュニケーションを図っていけばよいのでしょうか。医療機関内では自施設でがんばればコミュニケーションを図っていくことは可能ですが、地域をとりまとめる行政機関との連携が具体的に見えてこない感じがしました。
- 横浜市民病院の体験談をうかがって、自施設との対応を比較することができよかった。またできていないことは参考にしたい。
- 病院対応の体験談をもう少し聞きたかった。
- 第一波より現在の方が患者数も多く今後のこの冬に向けての心構えをするためにもこのワークショップに参加させていただきました。
- 現場の生の声を聞き、対応の困難さを実感した。自施設の対応の大きなヒントになった。
- 本日のスケジュールでは特別にdiscussionする時間がなかったことは当然と思いますが、全日程中には用意があればと思います
- 強毒のH5N1にいきなり見舞われるのではなくH1N1だったので、強毒型のよりシミュレーションになったとは思いますが、それでもやっぱりパニックになったが(なっている)し、実際の横浜市民病院や神戸市の体験を聞くにつけても、正しくリスクを評価し対応することは難しいと感じました。
- 病院としては2005年(?)のインフルエンザ流行と同様と考えていますが、職員に向けて当直医の予防投与で今もめています。実は医療機関内の方がリスクなのかもしれません。
- 地域、施設によって対応、受け止め方、感じ方etcに大きな差があることがよく判った。多様性を知ることは安心や自身につながった
- 疾患でなく現象としてみれる内容でした。いろいろな、、、などが紹介されていて客観的に理解できました。
- RCだけでなくかかったと思ったらどうしたらいいのか等、一般の人が知っておいた方がよいきちっとした基準が知りたいです。
- よく分からない。いつ5種になるのでしょうか
- これから重症患者が増えたときの対応をどのように対処するのか?新型専門の病棟を造るべきか悩んでいる。
- 早く新しい名前に変えて欲しい。
- 今年の秋冬の流行が非常に怖いです。発熱外来はパンクすると思います。マンパワーが足りない。
- 今回の事例を教訓として、秋冬に備えていきたいと思います。行政との連絡を密に取っていかなければならない。
- 他県での実情が生々しく聞くことが出来たことは良かった。
- 実際病院内で困ったこと、これからの対応についてもう少しdiscussionできたらと思います。
- マスクのことや予防投与のこと、診断キットの解釈のこと、いろいろ悩ましいところがたくさんあります。通常の講演会よりは多くの施設の現状を聞ける場でもあったので、その辺りももっと話が聞きたかったです。
-
1日目 リスク下のコミュニケーションについて
- これから増加すると考える患者への対応で気をつけて行ってきたいと思います。また、管理者への主張も必要になっています。スキルアップを行っていきたい。
- 行政と市民とのコミュニケーション、情報の伝達もそうですが、行政と医療施設とのコミュニケーションも希薄です。
- 日本人には苦手な分野ですがこういう事態をきっかけに有益なcommunication skillが発達すると良いと思います。
- 忙しいときほどパンクになっているときほど相手を思いやる気持ち、心遣いが大切だと再認識した。相手の存在をくみとり自己 病院方針を伝えることの難しさを理解した。
- 冷静に進められなければならないこと。イニシアチブを握る人を中心に進めることとか横浜市立病院のケースがとても参考になった。
- 管理者/スタッフなど立場によってリスク下のコミュニケーションが違ってくると考える。様々な立場の意見が聞けてとても良かったと思う。
- 双方向性、real time性、fact, consensus 形成って大事ですね。人対人とのコミュニケーション手法が組織体組織でどう活かせるか、全く別の手法なのか。
- 非常に大事
- 異なる組織の意思決定をいかにつないでいくかの困難さを感じました。保健所・医療機関 医療機関・学校など
- 組織内(病院内)でのコミュニケーション手法として具体的な指示があればよいと考えます。
- 応用(限られた情報の中で)としての判断は中々難しいところがあると思います。
- いろいろな専門家がテレビなどの媒体でコメントされることは一方通行のコミュニケーションであるため、受け手側の問題で誤報やパニックにつながると思います。
- 患者数や疲れ具合(対応する者の)など環境によりリスクがさらに増してしまい、その上でコミュニケーションをとる困難さを考えていきたいと思います。
- 平常時のコミュニケーションが確立されていてこそリスク下での対応が可能になると思うので、そういう点でこのようなWSは非常に有益であると思いました。
- 意思疎通以前に情報の共有化が十分にとられていないと思います。
- 新人の接遇研修を思い出したが
- 情報の共有が大切。役割分担が必要。状況の変化への対応を迅速にすることと、それをどう早く共有するか。
- 様々な方法、何からどう考えていくか、整理していくかを考えていかねばならないと思います。
- 座学で学んだことを業務の面で活かすのにロールプレイを行ったのは有効だと感じた。実際の対応の事例を学べたことが有効だと思う。アウトブレイクが起こった場合の想定はしていても、想定外のことが起こったりするので、そのときの対応に活かせると思う。
- 今回学んだことは知らないことも知っていることも再確認できました。実際に使っていきながら洗練していきたいと思います。
- 未知のところが多く、なかなか具体的なイメージがつかみにくかったのですが、だいぶ具体的になってきました。
- とても難しい。相手に伝わるか、受けても自ら積極的に勉強すべきである。
- 連携を具体的にどうやってとるのかむずかしいなあと思った。
- 自分がスポークスマンではないのであまり考えたことがなかったけれど、電話対応一つにしても必ず守るべきスキルを学ぶことができて有意義だった。
- 行政機関と具体的にどのようにコミュニケーションを図っていけばよいのでしょうか。医療機関内では自施設でがんばればコミュニケーションを図っていくことは可能ですが、地域をとりまとめる行政機関との連携が具体的に見えてこない感じがしました。
- 情報をどこまで提供し、情報共有の難しさが改めて分かった。
- 発熱外来での対応が勉強になった。
- 今までの新型インフルエンザの対応した自分の振り返りが出来て良かった
- リスク下にあるからこそ平常心を失わず、対応すべきだと感じた。
- いかに共有できるコミュニケーションが出来るか!この課題の受容性についてさらに悩んでいる(悩みが深くなった!)
- 総論としては充分。もう少し各論的なworkshop or off JTあればbest
- リスクコミュニケーションという概念は今回初めて知ったのですが、難しいと感じました。コミュニケーション事態も難しい上にさらに冷静に正しく評価することの難しさを実感した。
- 情報を正しく伝達すること、相手の立場に立つことが大事だと思いました。
- 今回、多層の相手に対して「相手に合わせた」コミュニケーションが必要とされていた・いる事に気づかされた。
- わかりやすかったです。
- いろいろな場面が想定されるのでとても難しい印象です。そもそも新型をきちんと理解してもらうところから苦労しそうです。
- 具体的な方法は会社・病院によって異なるとは思いますが、おさえておかねばいけない点はどのようなことでしょうか。
- 感染症のリスクコミュニケーションの大切さを実感した。
- 具体的な令として患者発生時患者情報をどこまで伝えるか?の話し合い(答えは出ないと思いますが)ができるとうれしいです。実際どこの情報を見てればいいのか、最も早いのはニュース、遅いのは厚労省
- 日常の元々の人間関係あってこそだと思うので、各職場で研修をする際にはその見直しも促さねばと思いました。
- 窓口を一本化して対応するとスムーズなのだと分かったが、それだとその窓口になったひとにかかる責任、負担が大きく誰にでも出来る仕事ではないと思った。
- 電話対応についてのrole play, 発熱外来でのrole playがとても良かったです。やはりWS方式がいいですね。
- 今後色々な情報を元に確立していきたい。
- 病院内でのコミュニケーションをとること、報道への対応が通常の病院では出来ていないように思う。
- 勉強になりました。リスクマネージャーにも教えようと思います。

1日目 本ワークショップについて
- 楽しく学びました。
- 大変勉強になりました。神戸にも久しぶりに来れて良かったです。
- 本WSを経験することによって少し落ち着いて対応できる自身になったような気がして有意義でした。
- 非常にためになるはず(したい)
- ロールプレイがあり楽しく参加できました。
- 座学のみでなく、体と頭を使い、参加することが出来、エンジョイできました。
- 重要な方法論として非常に勉強になった。こういった基本を学べるチャンスとして非常に有用であった。
- 情報の共有が出来るのはよいと思います。
- 非常にためになり、すぐ通常の業務に活かせるあるいは活かしていきたいと思う。
- このようなWSは非常に有益であると思いました。
- 全体的に役立つ実践的な内容で有意義でした。
- 様々な視点からリスクコミュニケーションを見、考えさせられ参考になった。基本的なところ。
- エネルギーが要ります。
- グループメンバーとの交流もあり楽しく参加できました。
- 様々な分野の人々がグループワークで参加できて色々意見が聞けて良かった。
- 電話対応の話が新鮮でした。
- 今のところ素晴らしいです。内容、時間配分など
- 実際に行った対策について振り返る良い機会である。
- 参加しながら勉強するので楽しいです。
- 勉強になりました。特に自施設で実践できるような内容が多く参考になります。
- とても学びが多い。参加して良かったと思います。
- メニューが盛りだくさんで楽しいです。
- 楽しく参加させていただきました。ありがとうございます。
- 電話対応が勉強になった。
- 今後、自分が周囲にどのように伝えていくかヒントをいただけて良かった。
- リアルな生の体験を見聞き、体験し満足です。
- 楽しかったです。お世話いただいた方、ありがとうございます。
- WSのグループの中にマスコミ・行政・学校関連のメンバーがもっと多くおられれば良かったと思います。このためには公報・募集のチャンネル選択も大切かと思います。
- 今後の対策に直接活かせる内容で勉強になりました。
- 専門家の方のお話が伺えてとてもありがたく思っています。
- 可能なら参加者の名簿を配ってもらえたら役立つと感じました。
- とても良かった。
- 勉強不足ではありますが、リスクコミュニケーションとは何?実際どうしたらいいの?というのがまだ不安です。
- レクチャーと参加型とあってバランスが良かった。
- とても基本的な質問ですが、咳の出る人はマスクをする意味が充分にあると思いますが感染予防にするマスクはインフルエンザに限って言えばどのくらい有効なのでしょうか?
- 是非、地元に帰って伝達講習したいと思います。
- 大変勉強になりました。
- 少し盛りだくさんで時間的に詰めすぎの感がある。
- 予想以上の収穫で勉強になっています。ありがとうございます。
- ロールプレイ等によりより実践的でわかりやすくすごく役に立ったように思う。
- まだあまり仲間を増やせていませんが懇親会でがんばります。

2日目 新型インフルエンザについて
- 情報・コミュニケーションのステージは成熟段階にあるとの指摘に「なるほど」と感じた。次は新たなステージ・フェーズになるのだろう。
- 新型インフルエンザについては、今後も会社としてトップダウンで臨時で正しい情報を伝えていくことの大切さを感じた。
- よくわかりました(よくわかってないということが)
- リスクのある患者さんは早期受診・治療をとメッセージを送っても実際に発熱している人は自分もリスクがあると思っていて受診されるので医療機関の体制は変えられないと感じます。現時点で情報が多すぎて一番大切なものが、、、は全く伝わっていないです。
- うつらない努力をする、医療機関の受信制限などの広報活動に期待します。
- 石川先生が示された秋冬に向けてのメッセージは大変参考になりました。
- 今回理系の視点と言うよりも文系の視点でのワークショップで勉強になった。新型インフルエンザが感染症やワクチンに関する国民的コモンセンスの向上につながれば不幸中の幸いと思います。
- かかりつけ患者への正しい情報を提供していくこと、院内職員への対応が課題であるが、今回の知見を院内で検討していきたいです。
- 多くの方が迷いながらなさっていることもわかり、正解はないのかもしれませんが、様々なやり方を模索していきたいと思います。岩田先生他皆様にはご著書も拝見していますが、ぜひブログででも今後も積極的にご発信いただけるとうれしいです。
- 自分自身、新型インフルエンザについて過敏反応していましたが、今回の研修に参加したことで冷静に対応できるかな、、、と思います。ありがとうございました。
- 今のピンチをチャンスに変えて日本全体の知識アップに貢献したい。
- 異なる組織が管理するシステムでは、突発事故への対応が遅れるという共通の構造があると思いました。対応の組織化が急がれます。季節性インフルエンザと変わらないとして安心し、騒動も収まったが季節性インフルエンザの死亡率などの情報も伝達しやはりリスクのある感染症であることを忘れてはならないと思った。
- インフルエンザという疾患そのものももちろん、重要だけれどもほとんどの問題が情報に関するものなんだ、という気がしました。
- 今後患者増になってきた場合の発熱外来設置方法の具体的提案があれば良かったと思います。参考になるトリアージ方法も教えて欲しい。
- 少しでも院内で通達を出すと「たかがインフルエンザで大騒ぎをするな」と声を上げるDRがいます。今回聞いたような話、ハイリスク者を守る、を多くの医療従事者が聞ける機会があると良いと思った。
- 言いたいこと、伝えたいことは多くあるけどポイントで伝わる、効果的であることが分かった。
- 簡潔で一般の人にどういうリスクを伝えることで行動変容できるかがよく理解できた。
- 基本的な感染防止策。
- 情報の選択や得方など、またHP、行政とのコミュニケーション情報を共有しなければならないと実感した。
- 新型インフルエンザに対しての厚労省の対策や公報について誤解していたのか、変化があったのか、とてもまともな状況が伺えた。
- 今後、第二波の流行に大きく慌てないように行動できる自身が出来ました。
- 医療従事者と一般の人の認識にずれがあるので、共通認識にしていくことが大事だと思った。
- 病院以外のリスクマネジメント、ICTとしての振るまい方を反省する機会になりました。
- 新しい情報が知りたいと思います。
-
2日目 リスク下のコミュニケーションについて
- 次の問題点は「実際に発熱患者が増えたときの現場でのコミュニケーション」が問題となりそうですね。
- マスコミ対応のこともですが、どのように行動へむすびつけるかがいつも悩んでいる。考え方としてためになりました。
- 情報の共有について考えました。
- 厚生省の大人の事情もあるかと思いますが、TVでの広報もご検討いただきたいです。
- 国からの発信が受理であれば都道府県を使うなど統一したものでのメッセージではいかがでしょうか?と思いました。携帯発信もどうですか?各会社に依頼するとか、、、
- リスクを知ること、リスクを回避する方法があればそれを繰り返し伝え、行動できるようにすることが大切だと思います。
- むずかしさがよく判った。自分の中で消化するのに時間がかかる。
- 個々人のターゲットが分からない。大多数(国民市民など)への情報提供の難しさをより理解できたと考えます。
- 情報の伝達の方法に色々な方法がありますが、少しでも論点を間違えてしまうと無意味になってしまうことが分かりました。
- 今後の活動に活かしていきたいと思います。
- 安全管理室に属しているため、日頃の振り返りと再確認ができてよかった。私自身、日頃から保健所ともよく電話を通じてリスクコミュニケーションできていたことを再認識し、今後もこのようなツールは大切にしていきたいと実感しました。
- 混乱している中で良い結果を得る場合に相手の立場に立つことがこちらにとっても良い結果になると思われました。神戸の病院ですが神戸市保健所の方の話を聞いて保健所の事情も分かって良かったです。
- 今後深めるきっかけになりました。
- リスクをリスクと思っていない人も多いし、過剰に反応する人もいるしで多くの方がかかわる事態で、大変難しい問題と考えています。地域で危機管理分野の専門家と福祉保健、医療関係者がうまくチームを組めると(感染症の専門家を含め)よさそうですが難しい。
- コミュニケーションの技術論だけでなくコミュニケーションの本質について改めて考えさせられました。普段なかなか気づきにくい点でしたので有意義でした。
- 失敗恐れず実行してみる。
- 医療をただやっていくだけでなくどのように情報を伝えていくか、どのようにマスコミと付き合っていくかということの大切さを感じました。
- 誰が情報を出すのか、誰の情報なら信じるか、信頼できる正確な情報を出すこと、患者さんに信じられる医療機関である必要を感じました。
- いかにリスクを伝達するかが、リスクコミュニケーションである。どんな場にもリスクは存在する。それをどう注意喚起し、その情報が必要な方には気づいてもらえるかが重要であると言うことを認識した。
- 未知の感染症というものに対して世間やマスコミがパニックになるのは仕方がないことで、それをいかにコントロール(?)できるか、情報をどう発信していくのか。たくさんヒントがもらえました。(こまめに発信、予防法を教えるなど)
- もう少し各論的な内容を希望します。事例など
- 感染管理をするものとして、いつメディア対応するか分からないという覚悟が出来ました。
- 関心があるとき、チャンスに 伝えている。
- 医療事故を含め感染対応の報道対応のハウツウが理解できた。事務部門は知っていると思うが、再度資料として提示したい。
- いざ事が起こってからではなくリスクが認識されている時点から関連する人たちとコミュニケーションを図っておくことが大切だと実感しました。保健所当への行政機関の対応に不満を言っていても状況は何も変わらないので、医療機関側がもっと積極的にコミュニケーションをとっていこうと思います。
- 人間の特性や情報の伝わり方、基本をもう一度振り返って、現場に活かしていきたい。
- マスメディアの力が強く私としては好意をマスコミに持っていませんが、マスメディアもマスメディアとしての自信、プライドがあることがわかりました。嫌うだけでなく、上手に付き合う方向で考えていけそうです。
- 新聞報道について記者さんと色々話したりすることで上手に情報交換できると知った。院内で準備することが大切であると思った。
- コミュニケーションについては日頃からの積み重ねで身につけていかないと、なかなか身につかないことだと感じた。コミュニケーションの重要さを学んだ。
- 混乱の中で冷静に対応できるようにしてゆきたい。
- リスクコミュニケーションについて学ぶことが出来た。
- H5N1だったら、、、強毒性だったら冷静に、、か不安
- 本日は具体的な内容で良かったです。
- 特にメディアの付き合い方、情報発信の仕方について勉強になりました。
- パブリックヘルスのIDのリスコミの話に集約した方がいいのではないかと思いました。
- 冷静に対応して、目的を持って行動すると言うことを学びました。
-

2日目 本ワークショップについて
- 自分の感染の研修メイン+リスクコミュニケーションと勘違いして参加したのであれっ?というところが最初ありました。しかし主旨が理解できたくさんの方と意見交換が出来有意義でした。医療安全関連の研修会でこんなにDrが参加しているワークショップはあまりありませんでした。情報交換も出来て良かったです。考える力と課題を得ることが出来ました。ありがとうございます。
- 行政・マスコミュニケーション、現場でのマンツーマンのコミュニケーションまで幅広いレベルのWSがあり非常に満足いく内容でした。一方で、「実践、現場対応」にニーズを持つ参加者の方もおられたようです。このあたりは公報・募集の段階で工夫を凝らすことは出来そうです。
- 多角的に取り組み(多方面からのアプローチ)、での内容で参考になることが多かった。
- 現在、医療現場で直面している事象の整理が出来ました。
- 秋以降の対策を見直すに当たって参考になりました。
- 混乱の中何が正しい情報なのかを見極める力が必要なのかと考えました。
- 地方行政の立場の方、マスメディアにも入ってもらえればより実りあるWSかと思います。保健所にしろ、自治体にしろ、権限と責任の点だけ取っても実に中途半端でかわいそうな立場を察します。
- 非常によい
- 楽しかったです。メッセージ出すことの難しさを改めて感じました。
- 他医療機関や貴重な講演で大変勉強になり当院に持ち帰って多く共有していこうと思いました。
- 一泊二日形式にしていただいてとても良かったと思います。参加者名簿があってもいいかもしれません。所属、メルアドなど。
- たくさん勉強させていただきました。地域の方とも交流したいと思います。
- 自分自身、今後の活動の起爆剤になりました。今回学んだことを業務に取り組んでいきがんばっていきます。
- 色々な職種の方が積極的で刺激的でした。
- 室内が少し寒い
- 大変勉強になりました。今後教訓など今回の出席者の方や専門家、自治体などで共有できる場があると良いなと思いました。最後の討議良かったです。感染症についても、新型インフルエンザはよい題材になりうるので一般向けにもこうしたWSがあるといいな、と思います。
- とっても楽しくて勉強にもなって達成感を感じました。知り合いも作ることができてよかったです。
- 大変勉強になりました。自分のプレゼン方法や教育方法の勉強にもなりました。継続してのワークショップに他のスタッフを参加させようと思う。
- 感染対策に関わるようになって間もない自分にとって、今までにあまり考えたことのない内容で、新鮮で目からウロコの内容でした。
- リスクコミュニケーションは平時のコミュニケオーションにつきるのかと思いました。
- 実際にマスコミ対応の経験はないが今後もしその場に立ったときに役に立つように思いました。
- 新型インフルエンザのみならず、今後も何かの感染症が流行したときにどう対応すべきかの参考になりました。
- 有意義でした。
- 非常に有意義な内容の講演プログラムが多かったです。
- 色々な立場の人の意見が聞けてとても勉強になりました。
- 現場で闘っている人々の意見を多く聞くことが出来、共感、学びなど得ることが多く有意義だった。
- すぐに帰って病院内へ伝えます。
- 期待したのはインフルエンザ対策の評価やノウハウだったのだえすが、全体を通して自分で統合して考えることが出来ると思います。
- 2日間にわたり、全てにわたり、新鮮で勉強になりました。今後の仕事にすぐにあるいは長期的に役に立てることが出来ると思います。
- 懇親会楽しかったです。いろいろな先生方と話すことが出来ました。できれば参加者名簿が資料にあると嬉しいです。
- 次回も参加したい。今回は新しい事例があり、とても興味深く聞けた。参加型なのも大変良かった。
- 私の職種は事務なので、普段このようなWSには出席していませんが、いろんな方のいろんな意見を聞き、とても参考になりました。やはりコミュニケーションはとても大切だと言うことを痛感しました。
- 他の人にも勧めたいと思います。また数年後に受講したいと感じました。まれにみる非常によいWSでした!
- とてもすばらしいWSでした。
- スライドの数字を単純に「ほーー」「ふんふん」と受け取っているようなムードがそもそもリスコミ訓練の反対じゃないかと不安になりました。
- コミュニケーションの大切さ、重要性、方法など理解でき実践していきたいと思います。本当に有意義でした。
-

足りない?余る?

ワクチン外来でのキャンセルが増えているようです。流行が収まりつつあるため、ということですが、実は第二波が来るか(いつ来るか)不明な今の段階で予防接種要不要を判定するのは無理だと思っています。たぶん、国民の半分以上はまだインフルエンザに罹患していないし、いわゆるリスクグループの患者に未罹患者は多いだろうからです。予防接種を打つならむしろ今が良い機会なのですが。。。

予防接種がたいてい1回打ちになって、輸入も決まり、「本当に必要なの?」という声も出ています。

http://sankei.jp.msn.com/life/body/091227/bdy0912272337003-n1.htm

僕自身は、7月だったか8月だったかの会議で、ワクチンの充分な数の供給を主張し、輸入ワクチンの活用もすべきだと意見しています。だから、もし必要なくなって余った場合は「ごめんなさい」という立場にいます。過去の自分の発言には責任を持たねばならない。

ただ、もう一度同じシチュエーションを経験したとしてもやはり同じように進言したでしょう。
逆に間違えるよりはずっとましだからです。

接種できる環境を作って実は要らない、というのと接種できる体制が作れず、やっぱり必要だった、では後者のほうが「やってはいけない間違い」だからです。間違えることが問題なのでなく、どう間違えるかが問題なのだと思います。厚労省血液対策課は「確かに余るだろうが、再流行や来年の流行にも使える可能性はあり、直ちに無駄になるとはいえない。大きく構えておくのが危機管理の基本。検証は必要だが、当時の判断は間違っていなかった」とコメントしている、そうですが、間違っていなかった、と主張するといつものパターンでの失敗です。

無謬性を主張することが大事なのではない。間違ってはいけない、間違うはずがない、という観念が我々を誤らせます。未来の事象に対して百戦百勝なんてあり得ないのだから。

ワクチン輸入は安全保障の文脈でとります。保険です。消火器を買って使わなかったからといって、「あんな無駄な買い物をして」と非難されることはないでしょう。生命保険の保険料も無駄になったほうが(保険金がおりるような厄災がおきないほうが)良いに決まっています。

もしワクチンが余ったら(まだそうとは決められませんが)、国のお金を無駄遣いさせて申し訳なかったなあ、と悔やみつつ、謝りながら、誠意を持って生きていくより他ないのでしょう。



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